2025年5月26日 (月)

2025052658

伊藤叡王、53分の長考で△6四歩(58手目)と指しました。まだ中盤の早い段階という状況ですが、伊藤叡王の残り時間は約20分。最後の長考です。大盤解説会には佐藤康九段が2回登場しましたが、解説中に一手も動かないという珍事が起こりました。

「しかし動かないですね。私まだ一手も動かしてないんですけど。時間を使ったからじっとした手を指しそうなんですけど、そのじっとした手がわからないんですよね。なのでこの手は指さないという予想をします。△4五歩ですね。明らかに辛抱が足りない手で、私が指しそうな手なので」(佐藤康九段)

控室では進行の遅さに、勝又七段が「指さないねえ」と驚きとも感嘆ともつかない声を漏らしています。

20250526dsc09509

2025052657

じりじりした我慢比べのような展開が続いていましたが、斎藤八段が驚きの一手を指しました。玉側の端歩を位に向かって突き出す▲9六歩(57手目)は俗に「地獄突き」と呼ばれる手で、思わずのけぞってしまいそうなインパクトがあります。狙いは△9六同歩に▲9二歩と馬の利きを生かして香を取ることですが、放置されて次に▲9五歩と取り込んでも、△9七歩や△9六歩といった返し技が生じてキズになっているため、損得勘定は難しいところ。控室では検討陣から驚きの声が上がり、大盤解説会では佐藤康九段が「決断の一手です。波紋を呼ぶ手になるかもしれません」と話していました。

20250526dsc09485

大盤解説会では飛び入り参加の勝又清和七段が三枚堂七段と解説していました。勝又七段は石田和雄九段門下、三枚堂七段も少年時代に石田九段の道場で腕を磨いた縁のある棋士です。2人は第5局の大盤解説会を担当します。

【第10期叡王戦五番勝負 第5局 のお知らせ】
https://kashiwa-shogi.com/eiousen10/

20250526dsc094692

20250526dsc09481

対局場のハイアットリージェンシー東京ベイは新浦安にある東京湾を望むリゾートホテル。2021年にリブランドしてオープンしました。タイトル戦の開催は初めてです。

浦安市は海沿いの美しい景観や東京ディズニーリゾートが有名ですが、昔は貝や海苔の養殖地として知られる漁師町でした。山本周五郎の小説『青べか物語』には当時の浦安の情景が描かれています。「べか」は海苔の採取に使われた一人乗りの小舟のこと。ハイアットリージェンシー東京ベイの観光スポットには、浦安の歴史を知る施設として「浦安市郷土博物館」が紹介されています。

20250526img_3209

20250526dsc09287

2025052647

両者ともじっくり時間を使ってスローペースで進行しています。まだ本格的な戦いは始まっていません。大盤解説会には佐藤康九段が登場し、「1時間で2、3手しか進まないかもしれません。これは長くなりますね」と話していました。

20250526dsc094562

15時、午後のおやつの時間になりました。伊藤叡王は「チョコミントケーキ」とアイスティー。斎藤八段は「ホームパイチョコだらけケーキ(北海道産とうもろこし)」、カモミールティー、ホットのカフェオレを注文しました。「チョコミントケーキ」はさわやかなミントクリームとザクザクとしたチョコクリームが楽しめます。「ホームパイチョコだらけケーキ(北海道産とうもろこし)」はとうもろこしのムースとクリームにチョコクリームとチョコソースをかけ、斎藤八段お気に入りのお菓子「ホームパイチョコだらけ」が飾られています。

20250526dsc09119

20250526dsc09124

14時、現地大盤解説会が始まりました。三枚堂七段と和田あき女流二段が初手からの進行を振り返っています。序盤の駒組みの注意点や狙い筋を丁寧に解説していました。

20250526dsc09425

20250526dsc09421

20250526dsc094342

昼食休憩明けの再開が近づき、斎藤八段が対局室に戻ります。伊藤叡王は定刻を少し過ぎてから戻りました。佐藤康九段が見守る中、両者とも険しい表情で盤面を見つめています。ピリピリとした緊張感が漂っていました。

20250526dsc09313

20250526dsc09320

20250526dsc09363

20250526dsc093912

20250526dsc09340

20250526dsc09403

2025052639

12時30分、伊藤叡王が12分使って昼食休憩に入りました。消費時間は▲斎藤八段1時間30分、△伊藤叡王59分。昼食は両者とも「高知四万十うなぎのうな重」と烏龍茶。うな重には小鉢、肝すい、奈良漬け、果物、サラダ、仁淀川山椒がセットになっています。偶然、同じ注文になりました。対局は13時30分に再開されます。

本局で使われている駒は掬水作、水瀬書の盛上駒です。

20250526dsc09309

20250526dsc09303

20250526dsc09301

20250526dsc09305

20250526dsc09306

現地で三枚堂七段と和田あき女流二段がABEMAの中継に出演しました。和田女流二段が向かった先は「ルーフトップバー」。ドアを開けると目の前に東京湾が広がり、心地よい風が感じられます。カウンターではバーテンダーに扮した三枚堂七段が待っていました。和田女流二段に「いつもの」として差し出したのは、ノンアルコールのピニャ・コラーダ。浦安市PR大使でもある三枚堂七段は和田女流二段とともに、スタジオと笑顔でやり取りしていました。

20250526dsc09151

20250526dsc09152

20250526dsc09168

20250526dsc09214

20250526dsc09225

20250526dsc09241

20250526dsc09282