か茂免(1)
対局会場の「か茂免」は、名古屋都心にある1000坪以上の広さを誇る料亭です。創業は1928年で、1948年から現在の白壁町で営業を始めました。建物は京都の紙問屋「中井巳次郎」氏の別邸として1919年に建築され、母屋の庭は「無鄰庵」「對龍山荘」「野村碧雲荘」などを作庭した、近代日本庭園の先駆者とされる作庭家「植治」こと「七代目小川治兵衛」が作庭しました。
叡王戦は第6、8期に続いての開催です。名物はすっぽん料理で、藤井叡王と伊藤七段はともに注文しました。
伊藤七段の反撃
1時間11分の考慮で指された▲2二歩に対し、伊藤七段は47分考えて△2八歩とたたきました。▲同飛△8六歩▲同歩△8五歩▲2一歩成△8六歩▲7九桂△6五銀の進行です。
2筋の桂取りに構わず継ぎ歩攻めで玉頭を狙い、先手が得した桂を自陣に受けても、銀をぶつけて攻めの継続をはかっています。▲6五同銀は△同桂で、△6六角と△6九角から△8七銀が厳しいです。
先手は銀交換に応じず、▲5五銀とかわすのが最善のようです。△7六銀で玉頭がかなり怖いものの、▲6四歩で大きな拠点ができます。以下△5三金に▲7七歩と受ければ、後手も駒を渡すと反動がきついので攻めにくいです。
午後のおやつ
15時、午後のおやつが出されました。
藤井叡王は「ペコちゃんのほっぺ(ミルキークリーム)」。ハチミツ入りのふわふわスポンジに、練乳を使ったミルキークリームをたっぷり詰めました。飲み物は「アップルジュース」。
伊藤七段は「プレミアム濃い抹茶のケーキ(鹿児島県産一番茶抹茶使用)」。午前中に藤井叡王も頼んだケーキです。飲み物は「アイスティー」。
(藤井叡王のおやつ)
現地大盤解説会
藤井叡王が長考で攻める
藤井叡王は約1時間10分考えて、▲2二歩と攻めました。伊藤七段の誘いのスキに、慎重に読みを入れた踏み込んだ格好です。△3三桂なら▲2一歩成△2八歩▲同飛△3九角▲3八飛△4八角成▲同飛△2一飛▲2四歩でどうか。△同飛は▲2五歩△同桂▲2八飛と切り返します。
対局再開
昼食休憩時の対局室
対局者の昼食
昼食休憩
12時、図の局面で伊藤七段が考えて、昼食休憩に入りました。ここまでの消費時間は☗藤井1時間17分、☖伊藤1時間41分。昼食注文は、ともに「名物ぽんきし膳―きしめんすっぽんスープ仕立て―」です。飲み物は藤井叡王が「冷たい緑茶」、伊藤七段が「ゆず茶」。対局は13時に再開されます。