序盤は角換わり特有の手待ち合戦が繰り広げられたあと、伊藤七段は△5五歩と位を取りました。以下▲4八金△4二銀▲2四歩△同歩▲同飛△6五歩と進んでいます。
2筋を交換させて、一段飛車がいなくなった瞬間に△6五歩がスキを突いた動きです。▲6五同歩は△同桂▲6六銀△8六歩▲同歩△5九角があります。▲6六銀に代えて、▲6八銀は△6六角▲7七桂△7五歩でどうか。藤井叡王はしばらく手を止めて、6筋を取らずに▲2九飛と引きました。
序盤は角換わり特有の手待ち合戦が繰り広げられたあと、伊藤七段は△5五歩と位を取りました。以下▲4八金△4二銀▲2四歩△同歩▲同飛△6五歩と進んでいます。
2筋を交換させて、一段飛車がいなくなった瞬間に△6五歩がスキを突いた動きです。▲6五同歩は△同桂▲6六銀△8六歩▲同歩△5九角があります。▲6六銀に代えて、▲6八銀は△6六角▲7七桂△7五歩でどうか。藤井叡王はしばらく手を止めて、6筋を取らずに▲2九飛と引きました。
10時、午前のおやつが出されました。
藤井叡王は「プレミアム濃い抹茶のケーキ(鹿児島県産一番抹茶使用)」。抹茶スポンジに抹茶味のクリームとガナッシュ、大納言かのこをサンドしたケーキです。飲み物は「アイスレモンティー」。
伊藤七段は「バウムクーヘン」。北海道産バターが使用されています。飲み物は「アイスティー」です。
おはようございます。本日の名古屋市は晴れ。現在は17度と暖かく、予想最高気温は25度です。
09:00 対局開始
10:00 おやつ
12:00 昼食休憩(1時間)
13:00 対局再開
14:00 大盤解説会開始
15:00 おやつ
ABEMAでは、8時30分より動画中継が行われます。出演は中村太地八段、石田直裕五段、貞升南女流二段、脇田菜々子女流初段です。
【第9期 叡王戦 五番勝負 第1局 藤井聡太叡王 対 伊藤匠七段】
https://abema.tv/channels/shogi/slots/9QAxT1CAR1yib9
現地の大盤解説会は、事前申し込み制で締め切られています。
東京都渋谷区西参道の「駒テラス」では、当日15時より飯塚祐紀八段と頼本奈菜女流初段の師弟で大盤解説会が行われます。先着40名で、解説会に参加された方全員に叡王戦のポスターがプレゼントされます。詳細と申し込みは、下記URLをご参照ください。
https://www.komaterrace.com/info/2024/0403112041575.html
夕食会は関係者のみで行われました。対局者の挨拶を紹介します。
(藤井叡王)
「新年度も始まってすぐに開幕するのはこの叡王戦で、私自身も今年度初戦となります。集中して、新年度のこれからにつながっていくような内容の将棋を指せればと思っています。大盤解説会なども開催していただきますので、見ている方にも最後まで楽しんでいただけるような熱戦にもしたいと思っています」
(伊藤七段)
「自分は名古屋に親戚の家がありまして、幼いときはよくそこに遊びにいったりもしていたので、この名古屋で対局できるのは本当にうれしいと感じております。明日からの一局は自分自身も今年度に替わって初めての対局で、よい将棋をお見せできるように全力を尽くしたいと思います」
(書き起こし=飛龍)
囲み取材の模様を藤井叡王、伊藤七段の順に掲載します。
【藤井叡王のインタビュー】
――伊藤七段とは竜王戦、棋王戦(コナミグループ杯)と連続のタイトル戦となった。伊藤七段の印象は。
藤井 序盤の研究の深さや中盤以降のバランス感覚が、すごく優れているかなという印象を持っています。
――どのような戦い方をするのか。
藤井 棋王戦の対局をベースに考え、そこからブラッシュアップしていく必要があるかと思っています。
――年度最初のタイトル戦をどのような気持ちで臨むか、抱負を。
藤井 3月中旬の棋王戦の対局以来で少し空いたので、心機一転という感じで頑張っていきたいと思います。
――伊藤七段とのタイトル戦、これまでの2回と気持ちの面で違うところは。
藤井 これまでと大きく違うところはないのですが、伊藤七段は着実に力をつけられていると思うので、こちらもしっかり戦わないといけないと思います。
――どのあたりに重点を置いて準備をしてきたか。
藤井 叡王戦の持ち時間各4時間は棋王戦と同じなのですが、ストップウオッチとチェスクロックの違いがあります。より叡王戦のほうが時間配分をしっかり考えて指していく必要があるかなと思っているので、そのあたりは対局でも意識していきたいと思います。
――3週間空いて実戦感覚が乏しくなるとの話だった。補えたか。
藤井 その間に練習将棋も指す機会があって、実戦感覚では不安がない状況で迎えられたかと思っています。
――今年度の目標は。
藤井 いまの段階で具体的な目標を考えているわけではありません。叡王戦から名人戦もすぐに開幕して対局が続いていくので、その中でコンディションを崩さないようにやっていけたらと思います。1年間を通して成長できたと思えるように取り組んでいけたらと思います。
――年度最初の対局を地元愛知の名古屋で迎えることについて。
藤井 名古屋の対局の機会を多くいただいて、すごくありがたいと思っています。いいスタートを切れるように明日もしっかり集中して戦いたいと思います。
――将棋の内容など描いている夢は。
藤井 最近は特に後手番でどう戦うかの課題がより大きくなっているかと感じていて、対応を考えていきたいと思っています。先手後手を問わず、序盤から急戦のような将棋や、いろいろな展開の将棋が指されるようになった印象もあるので、さまざまな形に対する認識を高めていければなと思っています。
―叡王戦との相性は。
藤井 最初に五番勝負に出たときもフルセットでしたし、スケジュールにしても毎年大変な戦いが続いているという印象を持っています。その中で自信になった将棋も多くあるので、今期もそういったいい内容の将棋が指せるように頑張りたいと思います。
【伊藤七段のインタビュー】
――2回タイトル戦を戦って感じた藤井叡王の強さは。どう戦うか。
伊藤 中盤の難しい局面での指し手の精度でかなり上回られてしまった印象があるので、今回のシリーズではこちらの指し手の精度も上げていかないといけないと思います。
――これまでのタイトル戦と比べて気持ちの面の変化は。
伊藤 前の2つの番勝負のときはタイトル獲得に期する思いが強かったのですが、今回は純粋にいい将棋をお見せできるように、といった思いのほうが強いのかなと感じでいます。あまり接戦にできていないという印象ですので、自分がもっと精度を上げて熱戦をお見せしないといけないなと感じています。
――重点を当てて準備してきたところは。
伊藤 棋王戦で対戦してみて藤井叡王のほうも作戦の幅を広げられているのかという印象を受けましたので、今回は自分もそういったところを踏まえて幅広く考えていきたいなと思っています。
――棋王戦では中盤戦でバランスを崩してしまったとの話だった。それからの3週間でどのように克服を図ってきたのか。
伊藤 これまでの藤井叡王との対局の中盤戦のあたりの局面を、より深く重点的に振り返ることはしてきました。
――今年度の目標は。
伊藤 昨年度は、自分の予想以上に活躍できた1年だったと思いますが、今年度はそれ以上の活躍をできたらと思っています。
――タイトル戦における1勝の思いは。
伊藤 タイトル戦ですと現状、相手が藤井叡王になります。藤井叡王から1勝を挙げるのは、ものすごく大変なことだと2回のタイトル戦で実感したところです。
――棋王戦のあと、プライベートも含めどういう時間の過ごし方をしたか。
伊藤 叡王戦の挑戦が決まってから第1局まで比較的期間が短かったのですが、自分自身、あまり対局は多くなかったので、今回の叡王戦に向けての準備に集中することができたかと思います。将棋以外ですとプロ野球が開幕したので、そちらを注目して見ています。
――中日ファンとのことだが。
伊藤 今年は例年よりも期待できるのかなと個人的には見ています。
(書き起こし=飛龍)