アパリゾート佳水郷(2) 館内には叡王戦対局記念の「将棋モニュメント」や、将棋駒をあしらった庭園、展示コーナーなどが設置され、将棋文化の発信に積極的です。また、昨年11月には「アパジュニアカップこども将棋大会」が初開催されました。本局の大盤解説会聞き手を務める佐々木女流初段は、その審判棋士として同地を訪れています。(客室には将棋駒の名がつく部屋も) (石造将棋駒と将棋盤は館内にも)
挑戦者、残り1時間を切る 40分超えの長考で飛車先を押さえ、斎藤八段は残り時間が1時間を切りました。久保九段は「▲7七桂と△5四桂のやり取りは、やや後手が得に見えます。本来は7三で働く桂ですから」と、後手持ちの見解を示しました。
大盤解説会 14時から現地では大盤解説会が始まりました。高見七段と佐々木女流初段が、本局を丁寧に解説します。序盤では高見七段が相掛かりの序盤のポイントを説明し、高見七段と交代した久保九段は、新しい関西将棋会館の様子について話していました。対局以外の部分も楽しめる解説会です。(大勢のお客様が集まった)(解説役の高見七段)(聞き手の佐々木女流初段)
アパリゾート佳水郷(1) アパホテル佳水郷(加賀片山津温泉 佳水郷)は、石川県加賀市片山津温泉に位置する高級温泉旅館。地元の老舗旅館「佳水郷」として、片山津温泉随一の高級旅館ブランドを築いてきたことに始まります。同地での叡王戦開催は、前期に続いて2期連続となります。 (大きな猪口と徳利が目を引くエントランス)(将棋展示コーナーでは叡王戦の歴史を読める)
午後のおやつ 15時、午後のおやつが運ばれました。伊藤叡王はミルキークリームロールとアイスストレートティー、斎藤八段はホームパイ(アーモンドクッキー)ミルフィーユとアイスレモンティーです。 (不二家といえばおなじみ、「ミルキー」の包み紙にくるまれる) (ぎっしりとミルクが詰まっている)
厚みを築く桂打ち 図の▲7七桂は50分に迫る長考で指されました。久保九段は「難しい手です」とうなり、▲4五歩△5三銀▲5五歩として、さらに▲6五歩まで打って位を確保する順を示しました。しかし、桂打ちに代えて▲4五歩には△5四桂の反撃が考えられます。いずれにせよ、まずは飛車を追い返し、五段目に利かして厚みを築く狙いがありそうです。(久保九段はスーツから和服に着替え直した)
昼食休憩中の対局室 対局者は自室に戻り、昼食を食べて休憩を取ります。写真1枚目は昼食休憩時(▲6六同銀まで)の局面です。駒は検分時に選ばれた大竹竹風師作、錦旗書が使用されています。盤はアパグループ創業者の知人が、今回の対局を知って提供したもの。東西の将棋会館でもめったに見られない厚さの逸品でした。 (対局室からは柴山潟が一望できる)