2025年5月 3日 (土)

伊藤匠叡王に斎藤慎太郎八段が挑戦する第10期叡王戦五番勝負は、第2局を終えて1勝1敗の五分となりました。天王山の第3局は5月4日(日)に愛知県名古屋市「か茂免」で行われます。持ち時間はチェスクロック使用の各4時間、切れたら1手60秒未満での指し手となります。対局開始は10時。昼食休憩は12時30分から13時30分までの1時間。第3局の先手番は伊藤匠叡王です。
立会人は深浦康市九段、記録係は平井航初段(小林健二九段門下)です。現地の大盤解説会(事前申込制で締め切り済み)は解説を豊島将之九段、聞き手を貞升南女流二段が務めます。
中継は棋譜コメントを夏芽、ブログを琵琶が担当します。よろしくお願いいたします。

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2025年4月19日 (土)

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以上で本局の中継ブログ更新を終了します。第3局は5月4日(日)に愛知県名古屋市「か茂免」で指されます。五番勝負の行方にご期待ください。

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Img_8198(勝った伊藤匠叡王)
□伊藤叡王のインタビュー

―― 昼食休憩明けの△5五歩(58手目)の評判がよかった
伊藤 △5五歩以外にも候補手はあった。何を指してもあまり見通しが立たず、わからないまま指していた。

―― 終盤について
伊藤 リードしているように気がしつつ、よくわからないと思いながら指していた。ただ、▲4五桂~▲2八角(85手目~87手目)の順を軽視して、苦しくなったかと思っていた。

―― 勝ちを意識したのは
伊藤 終盤は駒が入り乱れてよくわからないままだった。ただ、△8五飛(108手目)と走れたあたりで指せそうに感じた。

―― 対局場について
伊藤 対局に専念しやすい環境を作っていただいて、非常に集中して指すことができた。

―― 第3局に向けて
伊藤 ひとまずタイに戻せてよかった。第3局もしっかり準備をして臨みたい。

Img_8197(敗れた斎藤慎太郎八段)
■斎藤八段のインタビュー
―― 先手のほうが主張する駒組みだった。どこまで予定だったか
斎藤 △6四角(50手目)と打たれて動けるかどうか、事前に考えてはいたがよくわかっていなかった。本譜の△5五歩があるのなら、無理な仕掛けだったかもしれない。仕掛けないほうを考えるべきだったか。

―― ▲7七桂(59手目)は長考だった。
斎藤 △5五歩と突かれてしっくりこなかった。手段はいろいろありそうだが、△5四桂の対抗策がわからず、粘りにいった変化になった。

―― 終盤戦について
斎藤 ずっと苦しいと思っていたが、悪いながらも嫌みを残しているつもりではあった。ただ、▲4六銀(95手目)は玉が弱体化して、指したくなかった。代えて▲5六桂なら何か起こりそうな雰囲気もあったのではないか。

―― 対局場について
斎藤 全体的にゆったりとした建物で、楽しめる要素の多いホテルだと感じた。将棋の展示コーナーを作っていただいているのがありがたく、うれしいことだと思う。

―― 第3局に向けて
斎藤 本局はずっと苦しい場面が多く、課題が多かった。改善できればと思う。
Img_8212(インタビュー後、対局者は大盤解説会場に向かい、あいさつを行った)

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20250419120五番勝負第2局は、120手で伊藤叡王が勝ちました。終局時刻は19時28分。消費時間は▲斎藤4時間0分、△伊藤4時間0分(チェスクロック使用)。本局の結果、五番勝負は両者1勝1敗。事実上の三番勝負で仕切り直しとなります。

(武蔵)

20250419108飛車を走って攻めに活用しました。駒の働きに加えて玉の堅さに差もあって、久保九段は「後手優勢」との見解を示しています。後手には△6七歩や△5七歩など、有力な攻め筋が多々あって、好条件がそろっているといえそうです。

2025041996上図で伊藤叡王も持ち時間を使いきりました。ここからは両者1手60秒未満の着手となります。中央で駒が密集し、久保九段は「目がチカチカします」。高見七段は「目薬がほしい」といい残し、大盤解説会場に戻りました。

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2025041987虎の子の角を、銀取りに打って反撃に出ました。銀取りを受けるなら△5五歩が自然ですが、じっと▲同歩でプレッシャーになります。大盤解説会から高見七段が戻ってくると、久保九段が「△7三銀打とか△6三銀とか△7二桂など、駒を使う受けはありますけれど、ちょっとやりにくいですよね。どうやって受けるんですか」と話しかけました。
実戦は△6三銀と手堅く受け、▲5五歩△4五銀▲5四歩と桂の取り合いに進みました。後手の玉頭に嫌みをつけて、先手の駒に勢いが出てきました。

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対局場周辺では、温泉街ならではの施設が見られます。

Syuuhen04(片山津温泉配湯所。近隣すべての温泉所に湯を届ける)
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対局も、いよいよ佳境を迎えています。18時30分を回って、斎藤八段は残り時間が10分を切りました。

202504197818時を回って、伊藤叡王が角切りの強襲で踏み込みました。先手が角と金のいずれで応じても、△4五桂が両取りになります。実戦は上図以下、▲3七同角△4五桂▲2六角△5七桂成と進みました。以下▲同金に△4五桂が厳しく攻めが続きます。
伊藤叡王は前期も第2局を制して、タイトル奪取に向けてはずみをつけました。本局も流れを変える白星を飾れるでしょうか。
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柴山潟(しばやまがた)は、石川県加賀市に位置する潟湖。砂州やさしなどの地形によって、海の一部が外海から隔てられてできた浅い湖で、片山津温泉のシンボルとして知られます。周囲は約7km、面積は約2平方キロメートル、最大水深は約5メートルです。歴史的には、15世紀の文献にも「芝山湖」として登場し、戦後の本格的な干拓によって湖の面積は大きく縮小しました。湖の中央には高さ70mの大噴水が設置されていますが、昨年1月の能登半島地震の影響で現在は停止されています。
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Syuuhen02(浮御堂は片山津温泉の発展にまつわる伝説「竜神と娘」にちなみ、弁財天と竜神をまつる)

Syuuhen03(近くには加賀片山津温泉総湯もある)