2025年5月 4日 (日)

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じりじりした戦いが続いています。立会人の深浦九段は1図から「斎藤さんの△3四飛▲7七桂に△5四飛(2図)がいい手順でしたね。先手の角が5五にいると後手は角を使いにくいので、飛車で角を追って△3四歩と突く構想がうまかったと思います」と感心しました。

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 2図以下、▲4六角△3四歩▲7四歩△6二金▲7六飛△6三金(3図)と進んでいます。深浦九段は「後手は角を使うことができましたので、見通しがたってきたと思います。△6三金でうまくキズを消しましたし、後手は歩得をしているので、先手の攻めさえ受け止めてしまえばというところでしょうか」と話し、後手持ちの見解を示しました。

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Dsc_3076001(控室を訪れた星野良生五段。「どちらを持っても難しい」という)

か茂免は名古屋市東区にある老舗料亭です。名古屋市の町並み保存地区に指定されている白壁エリアに位置します。敷地面積は1000坪を誇る壮観な造りです。庭園には旧皇族、陸軍軍人の賀陽宮家恒憲王氏が作った防空壕が残されています。将棋のタイトル戦は第60期王位戦第1局(豊島将之王位-木村一基九段)、第6期叡王戦第3局(豊島将之叡王-藤井聡太王位・棋聖)、第8期叡王戦第3局(藤井聡太叡王-菅井竜也八段)、第9期叡王戦第1局(藤井聡太叡王-伊藤匠七段)が行われました(肩書きはいずれも当時)。

Dsc_3016(か茂免の門)

Dsc_3041(門をくぐって玄関に)

Dsc_3055(か茂免のロビー)

Dsc_3044(棋士の色紙が飾られている)

Dsc_3046(叡王戦が初開催された第6期の色紙)

Dsc_3048(昨年は第1局が行われた)

Dsc_3056(対局室に続く長い廊下)

Dsc_3061(庭園にはいくつも池がある)

Dsc_3066(大きな鯉が気持ちよさそうに泳いでいる)

現地大盤解説会の様子をお送りします。

Dsc_2967(350人のファンが駆けつけた)

Dsc_2969(解説の豊島将之九段)

Dsc_2987(聞き手の貞升南女流二段)

Dsc_3008(立会人の深浦康市九段もゲスト出演した)

Dsc_3015(会場の熱気は最高潮に達しようとしていた)

Dsc_2881(本丸ではなく東南隅櫓が顔をのぞかせる)

Dsc_2889(ここから城内に入っていく)

Dsc_2896_2(名古屋城の本丸御殿が姿を現す)

Dsc_2912(金のシャチホコ)

Dsc_2901(名古屋城のシンボルともいえる)

Dsc_2921(迫力のある石垣)

Dsc_2943(真下から臨むとより雄大さを感じる)

Dsc_2953(か茂免から名古屋城まで徒歩圏内で行くことができる)

15時、午後のおやつは伊藤匠叡王がフルーツミルクレープ、アイスティー。斎藤慎八段がクリームあんみつ、アップルジュース、アイスレモンティー(対局室へ)です。

Dsc_2541(伊藤匠叡王の注文したおやつ)

Dsc_2536(不二家のフルーツミルクレープ)

Dsc_2566(斎藤慎八段が注文したおやつ)

Dsc_2560(不二家のクリームあんみつ)

▲9五歩

時刻は14時、盤上は中盤戦の攻防が続いています。伊藤叡王は30分を超える長考で▲9五歩を端を攻めました。△同歩に▲3六歩と突いて2四の飛車をさばく狙いのようです。

深浦九段と杉本昌八段
(継ぎ盤で検討する深浦九段と杉本昌隆八段)

山口仁女流1級と岩佐女流1級
(対面には山口仁子梨女流1級と岩佐女流1級が座っている)

今井女流初段
(今井絢女流初段は地元・愛知県名古屋市の出身)

継ぎ盤
(図の▲9五歩以下△同歩▲3六歩△3四飛▲同飛△同歩▲9二歩△同香▲8二飛△6六角▲同歩△8三角▲4五角と進めた変化。先手の攻めが厳しそうだが、△7三桂とかわされて大変だという)

豊島将之九段と弟子の岩佐美帆子女流1級が継ぎ盤を挟んでいました。豊島九段は「五段目の制空権を取っておくのは結構大きいと思います」と見解を示しています。

Dsc_2696(大盤解説会で解説を担当する豊島将之九段)

Dsc_2705(豊島九段門下の岩佐美帆子女流1級)

Dsc_2686(師弟の検討風景)

Dsc_2743(斎藤慎八段が先に対局室に戻る)

Dsc_2759(伊藤匠叡王が対局室に戻ってきた)

Dsc_2781(伊藤匠叡王)

Dsc_2768(斎藤慎太郎八段)

Dsc_2856(対局が再開しても手番の伊藤匠叡王の手は盤上に伸びない)

Dsc_2864(午後の対局室)

Dsc_2590(昼食休憩中の対局室)

Dsc_2592(昼食休憩中の盤面)

Dsc_2601(伊藤匠叡王の王将)

Dsc_2608(斎藤慎八段の玉将)

Dsc_2609(上座からの視線)

Dsc_2613(下座からの視線)

Dsc_2630(両対局者のお盆の脇には不二家の人気商品であるチョコまみれが置かれている)

20250504e12時30分、この局面で伊藤匠叡王が11分使って昼食休憩に入りました。ここまでの消費時間は▲伊藤57分、△斎藤1時間31分。昼食の注文は両者ともに名物ぽんきし膳、茶摘み緑茶です。対局は13時30分に再開します。

Dsc_2665(両対局者が注文した昼食)

Dsc_2635(か茂免の名物ぽんきし膳)

Dsc_2643(スッポン仕立てのきしめん)

Dsc_2668(鰻の春巻き)

Dsc_2649(デザート)