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この局面で昼食休憩に入りました。▲6九玉までの消費時間は、▲服部42分、△黒田1時間17分(持ち時間各3時間、チェスクロック使用、使いきると1手60秒未満の秒読み)。昼食の注文は、黒田五段が「極上うな重」(ふな定)、服部五段がサービスランチ「ロースとんかつ」(レストランイレブン)。対局は12時40分に再開します。
(虹)
控室には桐山九段、村田女流二段のほか、日本将棋連盟専務理事の脇謙二九段も本局を見届けにきました。現局面に至る少し前まで、
「1歩損の代償をどこで求めるかが見えませんね」(桐山九段)
「ありそうでない将棋です」(脇九段)
といわれていました。1歩得や駒組みを理由に、若干先手が指しやすいというのが控室での見解です。そんなときに黒田五段が42手目△2三金と繰り出すと、検討陣から笑みがこぼれます。いわゆる「らしい」一着です。
(こちらは、対局開始前に控室を訪れた桐山九段。関係者から初期の新人王戦について触れられ、笑顔で応じている。自身は1972年の第3期で、決勝三番勝負の舞台を経験していた)
(しばらくすると、日本将棋連盟常務理事の井上慶太九段も関係者へのあいさつのため姿を見せた。1985年の第16期で新人王に輝いている)
(虹)
両者は過去に3度の対戦があり、黒田五段1勝、服部五段2勝(千日手1)。新人王戦での対戦は初となります。そのほか成績には含みませんが、今年行われた準公式戦の第5回ABEMAトーナメントの対戦では服部五段が勝っています。
服部五段が居飛車党なのに対し、黒田五段はオールラウンダー。よって本シリーズで戦型を選ぶ権利は黒田五段のほうに多くありそうです。傾向として、今年の春あたりは先後問わず四間飛車を連採していましたが、7月以降はほぼ居飛車で通しています。
なお、決勝三番勝負が関西対決となるのは新人王戦の歴史の中でも数少なく、
・第49期(2018年) 藤井聡太七段-出口若武三段
・第46期(2015年) 菅井竜也六段-大橋貴洸三段
近年だと上記2期のみ(肩書はいずれも当時のもの)。
本シリーズも並んで歴史に刻まれます。
(虹)
1999年8月2日生まれの23歳。富山県富山市出身。中田章道七段門下。2013年、6級で奨励会入会。2020年、四段昇段(プロ入り)。2022年、五段昇段。棋士番号は322。2021年の第11期加古川青流戦で公式戦初優勝を飾りました。
新人王戦の成績は4勝1敗。奨励会三段時代に参戦した際は0勝2敗という、黒田五段と同様に厳しい結果でした。今期は横山友紀四段、古賀悠聖四段、佐々木大地七段、齊藤優希三段を相手に勝ち進みました。服部五段にとっても初の決勝三番勝負です。
【服部慎一郎四段が五段に昇段】
https://www.shogi.or.jp/news/2022/10/post_2184.html
(虹)
1996年9月26日生まれの26歳。愛媛県松山市出身。畠山鎮八段門下。2008年、6級で奨励会入会。2019年、四段昇段(プロ入り)。2021年、五段昇段。棋士番号は318。
新人王戦の成績は4勝2敗。奨励会三段時代に参戦した際は1勝3敗でしたが、プロ入り後は好成績に転じています。今期は井田明宏四段、宮田大暉三段、西山朋佳白玲・女王、阿部光瑠七段を相手に勝ち進みました。本局は自身初となる決勝三番勝負です。先週は体調不良により別棋戦の対局延期がありましたが、本局から復帰します。
【黒田尭之五段 復帰のご報告】
https://www.shogi.or.jp/news/2022/09/post_2181.html
(虹)