第54期決勝三番勝負第1局 Feed

2023年10月 2日 (月)

感想戦

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第1局のブログ中継は以上となります。ご観戦いただきまして、誠にありがとうございました。
第2局は10月23日(月)、大阪市福島区「関西将棋会館」で行われます。
そちらもぜひお楽しみに。それでは失礼致します。

(虹)

局後インタビュー

Img_2889p(勝利を収めた上野四段)

――本局が棋士として初の公式戦だった。
上野 デビュー戦がこうした新人王戦決勝という大きな舞台で、皆さんから注目されることは分かっていたので、気合が入っていました。一局を通じて集中して指せていたかなと思います。

――序盤、時間に余裕を持って指していた。研究の形だったか。
上野 練習将棋でも経験のある形だったので、そこは決断よく指せていました。優勢かは分からないですが、想定していた形のひとつでした。

――対戦相手について。
上野 藤本さんの強さはよく分かっていますし、練習将棋でもよく指す相手なんですけど、こうした大きい舞台で指せることはうれしいことだと思っています。

――若手の頂上決戦。藤井聡太竜王・名人を追い掛ける存在としてどう考えているか。
上野 藤井先生にはまだまだ及ばないところがたくさんありますので、追い掛ける存在としてより一層頑張らなければならないという気持ちです。

Img_2917p(敗れた藤本四段)

――本局を振り返って。
藤本 対戦相手の上野さんは兄弟子で、強いということもよく分かっていたので、見られて恥ずかしくない将棋にしようと思っていました。ただ、序盤で少しよいと思っていた局面が、実際に進んでみるとあまりよくないような気がしてきて。形勢も時間も離されてしまったのはよくなかったです。

――次局に向けて。
藤本 次は先手番になります。厳しい勝負になると思いますので、しっかり準備して臨めればと思っています。

――対戦相手について。
藤本 上野さんは自分が小さいときから指していただいた方で、本当にまったく勝てなかったので、ずっと強いという印象です。

――若手の頂上決戦。藤井聡太竜王・名人を追い掛ける存在としてどう考えているか。
藤本 追い掛ける……といってもいまのままでは離され続けるだけな気がするので、ちょっとでも差を縮めていきたいと考えています。

(虹)

終局直後

Img_2950(兄弟子としての貫禄を見せた上野四段。同時に棋士デビュー局を白星で飾った)

Img_2954(藤本四段は何度反撃してもとがめられてしまった)

Img_2876(終局局後の様子。このあとはインタビュー、感想戦と続く)

(虹)

上野四段が先勝

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決勝三番勝負第1局、▲上野-△藤本戦は115手で上野四段の勝ちとなりました。終局時刻は16時37分。消費時間は▲上野2時間47分、△藤本3時間0分(チェスクロック使用)。上野四段はプロデビュー戦を白星で飾り、優勝まであと1勝に迫りました。

(飛龍)

藤本四段が一分将棋に

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ここで藤本四段が残り時間を使いきりました。以降は一分将棋となります。対する上野四段は20分ほど残しています。1手前の▲7五歩が先手玉の詰めろをほどいた一着で、後手はこの反撃のターンに寄せきれるかどうか。決着が近そうです。

Img_2809(藤本四段はこの難解な局面で時間がない)

Img_2630(対する上野四段は途中で長考を挟み、以降はバシバシと進めている)

(虹)

辛抱の時間帯

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控室では以下△8四角に対して、▲5三歩成△同銀▲7三銀や、▲5二と△同玉▲5三銀△同銀▲同歩成△同玉▲7三銀など、とにかく▲7三銀の筋を決めようというのが上野四段の狙いだといわれています。15時40分、藤本四段の残り時間が10分ほどとなりました。

Img_2711(先手玉も薄いが、藤本四段はまず自玉を何とかせねば。残り時間含め、辛抱しきれるか)

(虹)

桐山九段の見解

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終盤入り目前、ここで桐山九段に現局面までを振り返っていただきました。

「上野さんの矢倉に対し、藤本さんは雁木に組むと早々に桂跳ねで攻めていきました。上野さんは▲桂△金交換で駒損になりましたが、後手陣にキズが多いことから自信を持っていたのではないでしょうか。47手目▲3七歩の局面に注目していましたが、藤本さんは受けずに△4六歩から攻め続けていきます。51手目▲6八角といったん引いたあと、その角を切ったというのが面白い構想でしたね。それで上野さんがリードをしたと思います。以降はそのリードを保ちつつ進めているという印象です」(桐山九段)

Img_2815(いつもにこやかな桐山九段だが、要所の検討時は真剣な眼差しに)

(虹)

おやつ

14時30分、両対局者におやつが用意されました。注文は両者とも「ちひろフィナンシェ(プレミアムショコラ)」、またドリンクとして藤本四段が「温茶」、上野四段が「ホットコーヒー」を選んでいます。ドリンク類は対局室に、そのほかは対局者用控室にそれぞれ運ばれます。

Img_2830(両者に運ばれた「ちひろフィナンシェ(プレミアムショコラ)」)

Img_2845(藤本四段の注文)

Img_2855(上野四段の注文)

(虹)

先手持ちとの声

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棋士室に来訪している東和男八段と古森悠太五段に見解を尋ねました。

「どちらかといえば先手持ちです。駒割りは2枚換えで、手番を握っています。▲4四歩と打てるのもポイントです。後に▲3六銀と引いて2筋攻めを見ることもできそうです。先手のほうに有力手が多そうですね」(東八段)

「代えて▲5六銀と引くようでは変なので、金打ちだと思っていました。4五銀がいなくなると△4七角の王手金取りが生じますので、その点には注意です。△7三角と引かせれば後に▲7九玉と寄れるようになりますし、それで陣形がしっかりとします。先手は攻めに専念できそうで、現局面は先手を持ってみたいです」(古森五段)

Img_2662(消費時間でも優位に立っている上野四段。それぞれのリードを維持できるか)

(虹)

大阪市内の風景

Img_2422(関西将棋会館からなにわ筋沿いに南へ徒歩圏内。堂島川に架かる玉江橋から東の夜景)

Img_2427(同所から西にアングルを変えて)

Img_2305(場所を変えて、淀川の対岸から大阪市の夜景を望む)

Img_2539(今朝の淀川)

Img_2490(市内で見られた草花)

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※本記事の写真は概ね先週撮影分

(虹)