【豊島将之六段インタビュー】
――本局を振り返っていかがでしたか
「中盤以降は形勢はよくわからなかったですが、(76手目に)△4五香と打って手応えを感じました」
――午前中はほとんどノータイムで指されていましたが
「そうですね。序盤は考えたことがある形でしたので」
――△4五香が決め手として、その前に形勢のよさを感じたのはどのあたりでしょうか
「以前に考えたときは、(62手目)△6四角と出たところでは指しやすいのではないかと見ていたのですが、実際にその局面になってみるとよくわからなかったです」
(力を出し切れなかった印象の佐藤六段だが、終局後はサバサバとした表情)
【佐藤天彦六段インタビュー】
――名人戦の第7局(今年6月の▲森内俊之九段-△羽生善治名人戦(肩書きは当時))と同じ進行が続いていて、佐藤さんのほうで手を変えられました
「名人戦の手順も有力と思いますが、少し攻めが細い順も多いので。自分としては(本譜51手目の)▲8二歩も十分有力と思いました」
――第2局に向けての抱負をお願いします
「そうですね、変わらずに臨みたいと思います」
(八雲)
図は16時頃の局面。消費時間は▲佐藤2時間40分、△豊島1時間55分。
「▲5八金とかわすようではジリ貧に見えます。▲4三歩成と勝負したいところですが、一直線でも先手が負けそうですか」(鈴木八段)
一直線の変化とは▲4三歩成△4八香成▲同玉△3五桂▲2一飛△3一歩▲5九桂△4七銀▲3九玉△2七金(参考図)。以下▲2七同飛と金を取っても後手玉に詰みはなく、△2七同桂成に▲4七桂は△同桂成で受けなし。「△4七同桂成でも勝ちですが、△4七同桂不成から詰みまでありそうですね」と鈴木八段。
(16時過ぎの対局室。佐藤六段側には60までの数字が書かれた紙が出されている。持ち時間を1分消費するごとに記録係が1つずつ数字を消していく)
(八雲)