第53期決勝三番勝負第1局 Feed

2022年10月 3日 (月)

感想戦

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以上で決勝三番勝負第1局のブログ更新を終了致します。
ご観戦いただきまして、誠にありがとうございました。

第2局は10月24日(月)、大阪市福島区「関西将棋会館」で行われます。
どうぞお楽しみに。

(虹)

インタビュー

【黒田尭之五段】Img_1451p

――本局を振り返って
黒田 序盤は自信がなかったのですが、中盤でうまく手を作れたのかなという。最後は難しかったです。

――「中盤で手を作れた」について
黒田 70手目△9三銀~△8四銀~△7四歩の筋で、自玉の近くで攻めているので自爆になってしまう可能性もあり非常に怖かったのですが、見た目以上にうるさかったのかなと思います。

――先勝について
黒田 2局目もありますので安心はせずに、次に向けていろいろと考えていきたいと思います。


【服部慎一郎五段】Img_1458p

――本局を振り返って
服部 序盤から手将棋(力戦形)で、難しい展開なのかなと思ったのですけど、途中でバランスを崩してしまいました。72手目△8四銀▲6六銀に△7四歩と突かれて、本譜でやるしかないと思ったのですが少し足りない感じもしたので、ダメにしてしまったのかなと。86手目△6六桂の王手が入るので、実戦的にきつい展開になってしまいました。△8四銀とは上がらせないほうがよかったのかもしれません。

――昼食休憩前の51手目▲6九玉について
服部 4筋で戦いを起こされそうだったので、6筋、7筋方面のほうにいくのが自然かなと思いました。

――次局に向けて
服部 本局は途中でバランスを崩してしまったので、第2局は軌道修正をして中終盤でしっかり読めるようにと思っています。

(虹)

終局直後

Img_1477(第1局を制した黒田五段)

Img_1473(服部五段は攻めを切らされてしまった)

Img_1445(感想戦の前に、主催者インタビューが行われた)

(虹)

第53期決勝三番勝負第1局は黒田五段が制する

第53期新人王戦決勝三番勝負第1局は、106手で黒田五段が勝ちました。

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終局時刻は15時26分。消費時間は、▲服部2時間13分、△黒田2時間32分(持ち時間各3時間、チェスクロック使用、使いきると1手60秒未満の秒読み)。三番勝負の初戦を制した黒田五段が優勝まであと1勝としました。第2局は10月24日(月)に関西将棋会館で行われます。

(翔)

攻守交替だが

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服部五段が反撃に転じてからしばらく進みましたが、途中で設置された6六桂が黒田五段にとって大きなポイントで、下段に落とされた先手玉は見るからに危険な形となりました。
桐山九段は「▲8五桂が利けばよいのですが、△8三銀があるので」と、やや先手の攻めが細いといったニュアンスで話します。桂を跳ねることで▲6六角の桂取りを狙えますが、△8三銀で8四飛を取られては後手玉も安全になってしまうようです。

Img_1367(いよいよ終盤戦。黒田五段が受けきれるかどうかの展開に)

(虹)

大阪市内の風景

Img_1074 (本局が行われている関西将棋会館)

Img_1071(その正面にはなにわ筋。福島区を南北に走る)

Img_1000_ume01 (関西将棋会館から東に徒歩圏内、大阪の中心街である梅田の街並み。先週末に撮影)

Img_1026_ume02 (写真左側の道路は国道2号線。このまま先に進めばなにわ筋と交差する)

(虹)

華々しい展開

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黒田五段の誘導で玉頭戦になり、いまは服部五段が8筋を突破したところです。ただし反撃手段として△8七歩や△7六桂が残されており、服部五段としても気が気ではない局面です。消費時間は▲服部1時間52分、△黒田2時間14分。黒田五段は残り1時間を切っています。

「ひるんだほうが負けですね」(桐山九段)

Img_1275(継ぎ盤を動かす桐山九段)

(虹)

おやつ

14時30分、両対局者におやつが用意されました。注文は、黒田五段が「かぼちゃのプリン」と「ホットコーヒー」、服部五段が「かぼちゃのプリン」と「オレンジジュース(氷なし)」。黒田五段のドリンクは対局室に、そのほかは対局者用控室にそれぞれ運ばれます。

Img_1425(両対局者に出された「かぼちゃのプリン」)

Img_1415(黒田五段の注文)

Img_1407_2(服部五段の注文)

(虹)

強気な受け

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時刻は14時を回ったところ。黒田五段の攻めに対し、服部五段は代えて▲4六歩の厚みではなく、攻めを催促するような強気の銀上がりで応じました。複雑な攻め筋でも丁寧に受けきって有利を主張するのが、普段の服部五段の勝ちパターンのひとつです。果たして今回はどうなのでしょうか。

桐山九段は以下△3七桂成▲同金に(1)△5五桂▲5八銀△4七歩▲4九歩△4五金(変化図)を一例として示していました。

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△4五金まで進めば後手の攻めも迫力があります。
ただし実戦は△3七桂成▲同金に(2)△9三銀という曲線的な手が選ばれています。

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Img_1195(服部五段はここさえしのげば、後手陣の隙の多さをとがめる形で反撃できる)

(虹)

再度の△4五歩

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△4五歩は対局再開の52手目でも出現した一着で、そのときは歩交換に収まりました。それから細かく両陣が変化し、改めて黒田五段は4筋攻め。今度は持ち駒から投じています。
前の局面と違うのは、先手の2八歩が2七地点に移動していること。これにより4六地点で駒の交換が行われたとき、△4六同角の形が1九香当たりになります。

Img_1207(黒田五段が、今度こそ本格的に攻め込むかもしれない)

(虹)