第51期決勝三番勝負第1局 Feed

2020年10月12日 (月)

感想戦

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以上で第51期新人王戦決勝三番勝負第1局の中継を終了致します。
ご観戦いただきまして、誠にありがとうございました。

第2局は10月19日(月)、東京都渋谷区「将棋会館」で行われます。
そちらもどうぞお楽しみに。それでは失礼致します。

(虹)

局後インタビュー

終局後は、感想戦の前にインタビューが行われました。

【池永天志四段】

Img_7687_i_ike(勝ったものの反省が多かったのか、眉間にシワを寄せることが多かった)

――本局を振り返って
池永 序盤の対応がまずかったです。途中からは下駄を預けるような形になって、やられたらしょうがないかなと思っていました。

――そういう意味では逆転の将棋だったと
池永 そうですね、苦しい局面はあったと思うので。どこで難しくできたのかは分かりませんが。本譜は駒損を受け入れる展開にしましたけど、そこはよくなる理屈がなかったです。

――次局に向けて
池永 本局は序盤が準備不足というか、まずかったので、次までに修正していければと思います。

【齊藤優希三段】

Img_7682_i_sai(丁寧に回答するも、「ひどい」と自身を戒める言葉も)

――研究の出だしでしたか
齊藤 そうですね。経験のある形だったのですが、そのあとは思った以上に手の作り方が難しかったです。途中で攻め方を間違えてしまったということが敗戦につながった気はします。そこがいちばんの反省点ですけど、具体的にどうすればよかったのかはまだ分かりません。

――68手目△2四歩を▲同馬と取りました
齊藤 あのあたりはもう自信がありませんでした。と金を無条件で作られていましたし、ひどい状態でした。

――次局に向けて
齊藤 本局はひどい将棋になってしまったので、次局は接戦の面白い将棋にできればと思います。

(虹)

池永四段が先勝

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決勝三番勝負第1局の▲齊藤-△池永戦は、16時14分、88手で池永四段の勝ちとなりました。消費時間は▲齊藤2時間40分、△池永2時間9分。勝った池永四段は新人王まであと1勝としました。第2局は10月19日(月)に、東京・将棋会館で行われます。

(潤)

後手優勢

_79齊藤三段は辛抱しますが、ここでシンプルに△2八飛と打つのが厳しい手です。2四馬に当てつつ、△7八銀成▲同銀△8七金の筋で先手玉を追い詰めるのが真の狙いとなります。

Img_7508_z_ike03(苦しい将棋だったが、池永四段がチャンスをものにできたか)

(虹)

逆転の可能性

_68△2四歩は揺さぶりの一着ですが、▲4三成桂から一気に踏み込めば齊藤三段優勢と控室ではいわれていました。しかし実戦は▲2四同馬と取り、後手陣の急所である4三地点から馬筋が逸れてしまいました。この手を見た畠山鎮八段は「逆転していてもおかしくないです」と、池永四段が盛り返したとの見解を述べています。

Img_7472_z_sai01_2 (ペースを握り続けていた齊藤三段だが。▲2四同馬の一手で形勢逆転の声が上がっている)

(虹)

大長考

_6014時50分、この局面で齊藤三段が45分以上の長考に沈んでいます。強く攻め合うならば(A)▲4五歩△3七歩成▲4四歩△4八と▲4三歩成△6二玉に▲5三と(変化A図)でと金を捨て、以下△同玉に▲3四馬が金銀両取りで厳しく迫れます。

_ha67一方で畠山鎮八段は「最近の感覚だと1歩の入手を主張に、利かされを受け入れるほうが普通かもしれないです」として(B)▲2八銀を示しています。以下△4六銀▲2四馬△3七歩成▲4六馬△4八と(変化B図)が進行の一例で、こうなると引かされた銀が2九飛の障害物になります。

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Img_7489_z_ike01 (相手を長考に追い込んだ池永四段。形勢を盛り返すことはできるだろうか)

(虹)

本日のおやつ

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14時30分、対局室にドリンクが運ばれました。
注文は、池永四段が「アイスコーヒー」、齊藤三段が「冷茶」。画像にある焼き菓子3種は「パティスリーチャウチャウ」のもので、朝から対局者控室におやつとして用意されていました。

※対局者とは別に注文したものを撮影しました。

(虹)

淀川の景色

Img_7426_yodo03 (淀川と十三大橋)

淀川は、琵琶湖を水源とした唯一の河川です。滋賀県大津市で琵琶湖から流れ出たときは瀬田川と呼ばれ、京都府に入るあたりで宇治川と名を変えます。さらに桂川と木津川が合流して淀川と再度名を変え、大阪湾に流れ込みます。
対局場付近では大阪市北区と淀川区の境を流れており、上流側に十三大橋(全長681.24メートル)、下流側に新十三大橋(全長792.80メートル)が架かっています。今年は新型コロナウイルス感染拡大防止のため中止する運びとなりましたが、毎年8月頃になるとなにわ淀川花火大会が開催され、大勢の観覧客でにぎわいます。

Img_7424_yodo03 (昨日撮影の夜景)

Img_7419_yodo02 (向きを変えて。こちらにずっと進めば関西将棋会館がある)

(虹)

先手ペースの中盤戦

_48ここで齊藤三段の手が止まっています。継ぎ盤では以下▲4五桂△3四金▲5六香△5四歩▲1二馬△4四金▲2三馬△5二玉▲3三桂成△4六銀▲2四馬(変化図)が並べられました。途中の▲3三桂成の局面では、次に▲4五歩が入れば先手優勢となるため受ける必要がありますが、その手段が悩ましいようです。

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Img_7665_h1320 (畠山鎮八段はスーツに着替え、池永四段側に座って継ぎ盤に集中)

Img_7530_z_sai03_2 (朝の齊藤三段)

(虹)

対局再開の様子

Img_7645_ha01 (先に戻ってきた池永四段。まだ昼食休憩中だが、盤面に没頭している)

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Img_7653_ha03 (対局再開から数秒後の表情。攻め込まれて難解なためか、しばらく池永四段の着手はなかった)

Img_7650_ha04 (対して冷静な齊藤三段。再開後はどう攻めをつなげていくのか)

_42再開から9分経過後、池永四段は△3三同桂を着手しました。そして互いに早指しで進めています。控室では畠山鎮八段が「ちょっと先手がよさそう」との見解を示しています。

(虹)