――いまの気持ちは?
伊藤 そうですね。1つ勝ててホッとしているところです。
――本局を振り返って?
伊藤 ▲9五歩(43手目)△同歩▲9三歩から思いきって仕掛けていったのですが、その成否がどうだったか、分かっていませんでした。▲5六歩(51手目)と突いたところで後手の対応が難しい気がしました。
――どこまでが研究範囲?
伊藤 結構、類型が多い将棋なので、まったく同じ形を調べていたわけではありませんでしたが、本譜の仕掛けも筋としてはあるのかなと思っていました。
――手応えを覚えたのは?
伊藤 (63手目▲8七同金で)銀桂交換になったのですが、後手陣がバラバラなので、そこは指しやすくなったかと思いました。(インタビューに答える伊藤匠四段)
――本局を振り返って?
古賀 一応、予定の作戦ではあったのですが、形がいろいろ細かい違いがあるので、まったく同じ形を研究していたわけではありません。本譜の端を攻められる筋も有力というのは知っていました。対応を間違えると一気にボロ負けになる将棋ですが、実際にこの形でどのように対応するのが正しいのかが分かりませんでしたね。
――対応の難しさが持ち時間の差に現れた?
古賀 休憩のあたりでいろいろ考えたのですが、どれがよいのか分からなくて時間を多く使う展開になってしまいました。
――後悔するような手は?
古賀 △5四角(50手目)で△7五同歩と自然に対応するのもあるかと思いました。それで何をやられるか分かっていませんでしたが、怖かったので。△5四角に▲5六歩で指し手に困った感じですね。
――第2局に向けて一言ずつ。
伊藤 次は先後も決まっていますので、より準備して臨めればと思います。
古賀 1週間しかありませんが、内容があまりよくなかったので、しっかり反省して準備して第2局に臨みたいと思います。
(飛龍)
77手で、伊藤四段が古賀四段をくだしました。終局時刻は16時15分。消費時間は▲伊藤2時間6分、△古賀2時間53分。勝った伊藤四段は、優勝まであと1勝となりました。決勝三番勝負第2局は、来週11日(月)に東京・将棋会館で行われます。
(睡蓮)
新人王戦は第52期を数えるなか、出場資格が変更されたこともありました。年齢制限に上限はあるものの下限はなく、決勝三番勝負進出者が第1局時点(段位、年齢は当時)で20歳以下同士だったのは今期が4例目となります(太字は優勝者)。
第19期 羽生善治五段(18歳)-森内俊之四段(18歳)
第39期 佐藤天彦四段(20歳)-星野良生三段(20歳)
第45期 佐々木勇気五段(20歳)-阿部光瑠四段(19歳)
第52期 伊藤匠四段(18歳)-古賀悠聖四段(20歳)
また、17歳以下で決勝三番勝負第1局に臨んだのは、第18期の森内俊之四段(17歳)、第49期の藤井聡太七段(16歳)しかいません。なお、四段昇段が同期の2人による決勝三番勝負は第25期の丸山忠久五段-郷田真隆五段戦以来、2組目になります。
(飛龍)