(177手の大熱戦が終わった直後の対局室は熱気に包まれていた)
(先勝した永瀬五段)
【永瀬拓矢五段インタビュー】
――一局を振り返って
「終始よくわからなかったのですが、最後は負けにしているような気がします。組み合わせを間違えたかと」
――全体的にはリードしていたように見えましたが
「いえ、終始自信はなかったです。いつでも△1四歩を突かれて勝負されてしまうので。ただ、4八の金が2六まで行って戦線に参加できたので、そのあたりは勝負になったかと思います」
――勝ちになったと思ったのはどのあたりでしょうか
「最後詰まされたかと思ったのですが……。詰まないんですかね? 詰まなければ勝ちだと思いますが、実戦中は詰まされていると思っていました」
――第2局に向けて抱負をお願いします
「一生懸命将棋を指して、精一杯力を出し切りたいと思います」
(猛烈に追い込んだ藤森四段)
【藤森哲也四段インタビュー】
――1局を振り返って
「常に自信はなかったのですが、勝負手をやっているうちに最後はチャンスが来たかなと思ったのですが、ものにできなくて残念です」
――第2局に向けて抱負をお願いします
「1局目は一生懸命指せましたので、第2局も全力で臨みたいと思います」
(八雲)
177手で永瀬五段が先勝を決めた。終局は18時30分。消費時間はともに2時間59分。第2局は10月23日(火)東京・将棋会館にて行われる。
時刻は18時を回り、手数は間もなく150手に達します。
大熱戦が続いていますが、いよいよ大詰めを迎えました。
図で後手玉は受けがありません。
しかしここで△3七角から先手玉も相当に危ない形とのこと。
詰むや詰まざるやの最終局面です。
(八雲)
途中千日手含みの手順もありましたが、永瀬五段が打開して決めにいきました。
しかし、後手玉は寄りそうで寄りません。
控室ではここにきて寄せが見えなくなり、騒然としています。
(八雲)
17時10分頃、Twitter解説の八代四段が指摘し、控室の検討でも先手勝ちと結論された▲4五桂が着手されました。
十分に時間をかけて読んでいた永瀬五段。勝利への道筋を読み切ったのでしょうか。
(八雲)
図は、後手玉に詰めろが続けば先手が勝ちになる局面。
しかし▲1二銀△3三玉▲2一銀不成は詰めろにならず大変。
先手が優勢と見られていることに変わりありませんが、簡単に勝ちという局面ではないようです。
Twitter解説の八代四段が、この局面で▲4五桂△同歩▲4四金を指摘。
「なるほど、それは鋭い!」と控室で驚嘆の声があがっています。
検討が進み、控室では▲4五桂で先手勝ちと結論が下されました。
永瀬五段は考え続けています。
(八雲)