2026年5月31日 (日)

終局直後

Dsc_4935_2775(終局直後)

Dsc_4936_2776(インタビューは勝者から。敗者はカメラを背負う)

Dsc_4949_2777(伊藤叡王は3年連続フルセットを制しての3連覇。本局は作戦勝ちから押しきった)

Dsc_4951_2778(斎藤八段は2年連続での敗退。あとひとつ、あとひとつが届かなかった)

【伊藤叡王の談話】

――本局は相掛かりになり、序盤の▲6六歩が工夫という評判でした。

「そうです。あまり前例はないかなと思うんですけど、ひとつの構想なのかなと。やってみたい将棋のひとつでした」

――▲3五歩と仕掛けました。この辺りはどのようにみていましたか。

「後手に銀冠に組まれるのは、ちょっと許したくなかったので。何か動いていかないといけないかなと思ったんですけど。▲3五歩に△6五歩と突かれてからは、かなり1手1手が難しい将棋だなと感じていました」

――控え室だと、実戦の▲8六歩は(人間には)指しにくい手なのではといわれていました。この辺りの感触はどうでしたか。

「△8四飛に▲8六歩は、突ければ突きたいところかなと思ったんですけど。ただ、本譜の△6六歩と突かれた局面で、最初は▲7四歩と突くつもりだったんですけど、それがあんまり思うようにいかなくて。そのあとの▲7七桂は予定変更ではありました」

――△6七歩成▲同銀△8五歩に▲7四歩と攻めました。この辺りの形勢判断は?

「かなり際どいかなと思ったんですけど。一応▲7二とと取って、考えているうちに少しはイケていてもおかしくないかなという感じもしていました」

――そのあとの終盤戦はどのようにみられていましたか。

「△6四角と打たれた辺りは、何か手段がありそうな気がしたんですけど。ただ、はっきりとした手は見つけられなくて。何かずっとはっきりしないなと思いながら指していました」

――その後、イケそうだと思われたのはどの辺りですか。

「▲2三飛成と飛車を成った辺りですかね」

――全体を通しての感想をお願いします。

「相掛かりのひとつやってみたい形ではあったんですけど、かなり中盤が難しくて。わからない部分も多かったんですけど、自分なりにうまく指せた部分もあったんじゃないかなと思います」

――今シリーズは2連勝、2連敗からの防衛でした。シリーズ全体を振り返っていかがでしたか。

「最初は白星先行でいけたんですけど。あと1勝が遠い展開で、かなり大変なシリーズだった気がしています」

――3連覇を達成しました。

「やっぱり本当に大変なシリーズだったので、結果が出てほっとしているのが正直なところです」


【斎藤八段の談話】

――午前中はどのような印象でしたか。

「あまり考えてはいない将棋になって。▲3五歩に△6五歩と突いて、結構難しいような感じで思って進めていたんですけれども、進むにつれてあんまり自信がなくなっていったかなと。そのあと▲4五銀から▲4七金とされて、3四歩が安定してしまったので。△2二銀と上がるタイミングをもう少し待つんだったかなとか。本譜の△6五歩で対抗できていないかなと感覚的には思っていたんですけれども、進むと自信がなかったです」

――角が狙われているような展開だったかと思うんですけど、その辺はどう判断していましたか。

「角はいずれ交換にはなると思っていたので。誤算といいますか、3四の歩と7筋のキズが2つ残っちゃったので、思っていたより自信のない変化に入ってしまったかなという気がしていました」

――△6七歩成から△8五歩は▲7四歩が見えていたので、かなり決断の一手だったと思います。この辺りの形勢をどのようにみていましたか。

「少し悪いのかなと思って。本譜はちょっと負けを早めるかもとは思いつつ、辛抱する手も思い浮かばなかったという感じです。何かそこで、うまく辛抱する手があれば、難しい可能性もあるかと思ったんですけれど。うーん、本譜は少し負け筋だろうなと思いながらではあったんですけど、ちょっと我慢できなかったという感じでした」

――全体を通しての感想をお願いします。

「そうですね……。うーん……。難しいかなと思っていた局面が、自信が徐々になくなっていったというか、そういう意味では読みが甘かったのかなというところもありそうですね。最終盤とかも粘る手があったか……。うーん、全体的にはずっと自信がなく、苦しい将棋なのかなという。徐々に差を広げられてしまったかなという気がします」

――今シリーズは連敗スタートだったんですが、2連勝で追いつかれました。シリーズ全体を振り返っていかがだったでしょう。

「最初の2局で負けてしまって、そこからはずっと厳しかったです。そのなかで何か打開策みたいなのをみつけていこうと、前向きにはやっていたとは思うんですけれども。本局は、ちょっとチャンスは少なかったかなと思っています」

――作戦的にはご自身がやりたいようなことはできたんでしょうか。

「そうですね。ただ、それもうまくいったと思える将棋はそんなになかったので、全体的に本当に苦しい展開が続いてたかなと思います」

――2期連続挑戦で、あと一歩でした。恐縮ですが、その辺りの感想もお願いします。

「そうですね……。フルセットで2期連続対局できましたので、結果は出なかったですけれども。そうですね、今後に生かせるようにしなければいけないなと思います」

Dsc_4961_2780(斎藤八段は無念な表情を浮かべた)

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