*第11期五番勝負第2局 Feed

2026年4月18日 (土)

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――△4五歩(38手目)で前例を離れた。序盤戦の進行をどのように見ていたか。
伊藤 本譜の展開は前例もあるんですけど、序盤の手順が微妙に違って、こちらもこれを目指していたわけではなく、成り行き上こう進んだという感じだった。一応△4五歩で2筋は攻められるんですけど、△5四銀右(52手目)と上がって難しいのかなという印象は持っていました。
――昼食休憩明けに△8六歩(48手目)から反撃に出た。△8七桂(58手目)と踏み込んだあたりの形勢判断は。
伊藤 ▲2五桂(51手目)と跳ねられるとこちらもやっていかないと手が難しくなるかなと思ったので、本譜△3三桂(54手目)から△8七桂(58手目)と踏み込んでどうかなと思っていました。
――終盤、△7七桂打(80手目)など強気な手が随所に見られた。先手に反撃の隙を与えず押し切った。終盤の感想は。
伊藤 △7七桂打から飛車を取れたあたりで指しやすくなってそうかなという気はしていたんですけど、その前の△3四金(66手目)のあたりはいくつか手段があって難しいなと感じていました。
――3連覇にあと1勝。次戦に向けての意気込みを。
伊藤 2週間ほど間が空くと思うので、しっかり準備して臨みたい。
――3期連続アパリゾート佳水郷での対局。改めて、対局場の印象は。
伊藤 大変な歓迎将棋の展示などもしていただいていますし、将棋を応援してくださっている環境の中で対局できるのはうれしいことだと感じています。

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――本局は矢倉を志向した。どのあたりまで予定だったか。
斎藤 序盤で駆け引きというか、どのタイプの将棋になるかなというところで、この組み合わせなら▲7九角(23手目)~▲6八角(25手目)で元に戻そうかなと。△4五歩(38手目)と突かれたところであまり考えがまとまらなくて、よい構想が思い浮かばなかったという感じでした。
――▲2四歩(39手目)で先攻したあたりの形勢判断は。
斎藤 工夫しないと手詰まりになるか8筋の継ぎ歩のプレッシャーが残る局面だったので、打開策が難しいなと思いながら指していました。
――終盤は懸命に粘って勝負を諦めない姿勢が印象的だった。
斎藤 途中は歩切れがかなり痛くて、結構厳しいかなとは思っていて、最後は玉がうまく隠れないかなと思っていたんですけど、2三のと金を払われたところで厳しいんだなと改めて感じました。
――2連敗であとがなくなった。第3局に向けて。
斎藤 少し期間が空きますので、何か策を考えて頑張りたいなと思います。
――改めて対局場の印象について。
斎藤 本当に手厚くおもてなししていただいている。お迎えのところから食事とか、すべていい環境でやらせていただいたなと。今回は食事も2つ注文するような形で要望を出したら受けていただいてありがたかったですし、集中して対局させていただいたと思います。

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叡王戦五番勝負第2局は伊藤叡王が勝ちました。終局時刻は18時40分。消費時間は▲斎藤八段4時間0分、△伊藤叡王3時間28分。伊藤叡王が開幕2連勝。3連覇まであと1勝としました。第3局、5月3日(日)、愛知県名古屋市「か茂免」で行われます。

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伊藤叡王が桂香を巧みに使って優位に進めています。上の図は△3四香(72手目)とあえて高い位置から香を打った局面。「下段の香に力あり」の格言に従えば△3一香でしたが、▲3五桂△4四角▲8二銀△同飛▲4三桂成△同銀▲3一飛成と切り返す筋がありました。近づけて打っても、先手は歩切れなので▲3五歩の受けがありません。実戦は▲3五桂△8九成桂▲2三歩成△4四角▲6六歩△8五桂▲8六銀△7七桂打と進みました。

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どう攻めるか手が広い場面でしたが、つなぎ桂の△7七桂打(80手目)は大盤解説会で冨田五段が「めちゃくちゃいい手」とうなった好手。桂香が大活躍しています。

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片山津温泉は加賀温泉郷の一つ。歴史は江戸時代、大聖寺藩二代藩主の前田利明が柴山潟に鷹狩りに訪れた際に、水鳥の群れを見て湖底の温泉を発見したと伝わります。明治時代に入ってから本格的に開発され、次第に温泉街が形成されました。配湯所はユニークな寝殿造の施設。近くにある側溝からは湯気が立ちのぼっていました。

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アパリゾート佳水郷の前には柴山潟が広がっています。日本海と新堀川でつながる潟湖であり、一日に七度も湖面の色を変えるといわれます。天気のいい日は遠くに日本三霊山の一つに数えられる白山も見ることができます。浮桟橋には弁財天と竜神を祀る浮御堂があり、湖の上から雄大な景色が堪能できました。

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アパリゾート佳水郷の20周年を記念して、館内には20題の詰将棋が掲示されています。中にはちょっと見つけにくい位置にあるので、探検としても楽しめます。作者は伊藤叡王と斎藤八段に加え、藤井聡太竜王・名人、谷川浩司十七世名人、佐藤義則九段、羽生善治九段、久保利明九段、糸谷哲郎九段、西尾明七段、高見泰地七段、伊藤真吾六段、上野裕寿五段、宮嶋健太四段、山下数毅四段、岩村凛太朗四段、西山朋佳女流三冠、村田智穂女流三段、武富礼衣女流二段、野原未蘭女流二段、佐々木海法女流初段と豪華な顔ぶれです。圧巻は詰将棋作家としても名高い岩村四段の手による「アパ」の曲詰。高見七段、冨田五段、室田女流三段も頭を悩ませていました。

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午前中はゆったりとした進行でしたが、休憩明けから激しくなりました。伊藤叡王が8筋で継ぎ歩攻めをすると、斎藤八段は手抜きで▲2五桂(51手目)と積極的に攻め合います。以下△8六歩▲8八歩△3三桂▲同桂成△同金▲3四歩△8七桂と進みました。

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8筋の取り込みは後手のポイント。しかし伊藤叡王はそれだけに満足せず、△3三桂と守りの桂をぶつけて交換し、△8七桂(58手目)と鋭く踏み込みました。以下▲6九玉△3二金▲2四歩△9九桂成と猛烈な攻め合いです。形勢は伊藤叡王がリード。斎藤八段は巻き返しの策を練りたいところですが、直線的な展開は紛れが少ないのが不安要素です。

15時、午後のおやつの時間になりました。伊藤叡王はプレミアムチョコ生ケーキとアイスストレートティー、斎藤八段はサンリオキャラクターズキラキラフルーツババロアケーキとご当地サイダーの「柚子乙女」を注文しました。プレミアムチョコ生ケーキはココアスポンジでチョコクリームと濃厚なチョコガナッシュをサンド。サンリオキャラクターズキラキラフルーツババロアケーキは黄桃・りんご・みかんのシロップ漬けをトッピング、白桃のゼリーで仕上げたさっぱりした味わいです。

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