終局直後
■新人王に輝いた上野裕寿四段の談話
── 新人王になられた感想を。
上野 負けを覚悟した局面もあったので、最後は運がよかったと思います。
── 「負けを覚悟した」というのは、どの辺りで。
上野 最後の終盤までずっと苦しいと思っていました。
── プロになって3局で新人王という結果になりました。
上野 デビューしてからひとつの結果を出せたので、ほかの棋戦でも活躍できるように頑張りたいと思っています。
── 同門対決で注目を集めた三番勝負でした。
上野 藤本さんの活躍が自分の刺激になって、こうしてプロになれた部分もあると思っているので、決勝という舞台で戦えるのはうれしいことだと思っていました。
■敗れた藤本渚四段の談話
── 対局を終えての感想を。
藤本 途中はよく分からなかったのですが、勝ちになった思ったところで心が乱れて読みがまとまらなかったというか、最後、自分の玉の危険さに気づけませんでした。それを含めて実力と受け入れるしかないです。
── 最終盤は勝ちがあったと。
藤本 そうですね。1通りではなく、いくつか勝ちがあったと思います。最後に一番やってはいけない順を選んでしまいました。
── 同門対決についての意識はありましたか。
藤本 小さい頃から将棋を指してもらったり、色々と勉強させてもらった兄弟子なので、こういう大舞台で返すことができればと思っていたので、そこは残念です。
(両対局者の師匠の井上慶太九段は、ふすまの影でインタビューを聞いていた)
(夏芽)