自由な指し回し
控室には桐山九段、村田女流二段のほか、日本将棋連盟専務理事の脇謙二九段も本局を見届けにきました。現局面に至る少し前まで、
「1歩損の代償をどこで求めるかが見えませんね」(桐山九段)
「ありそうでない将棋です」(脇九段)
といわれていました。1歩得や駒組みを理由に、若干先手が指しやすいというのが控室での見解です。そんなときに黒田五段が42手目△2三金と繰り出すと、検討陣から笑みがこぼれます。いわゆる「らしい」一着です。
(こちらは、対局開始前に控室を訪れた桐山九段。関係者から初期の新人王戦について触れられ、笑顔で応じている。自身は1972年の第3期で、決勝三番勝負の舞台を経験していた)
(しばらくすると、日本将棋連盟常務理事の井上慶太九段も関係者へのあいさつのため姿を見せた。1985年の第16期で新人王に輝いている)
(虹)