第51期新人王戦決勝三番勝負第2局
池永天志四段と齊藤優希三段で争われている、第51期新人王戦決勝三番勝負。池永四段が先勝し、第2局を迎えました。本局を池永四段が勝てば新人王戦初優勝です。齊藤三段は踏みとどまり、第3局に望みを繋げられるでしょうか。
第2局は10月19日(月)に東京都渋谷区「東京・将棋会館」で行われます。対局開始は10時、持ち時間は各3時間、昼食休憩は12時から12時40分です。先手は池永四段。立会人は宮田利男八段、記録係は宮原暁月二段(中川大輔八段門下)、観戦記執筆は木屋太二さんが務めます。
本局の中継は棋譜コメントを康太、ブログを紋蛇が担当します。よろしくお願いいたします。
(特別対局室では準備が進められている)







(勝ったものの反省が多かったのか、眉間にシワを寄せることが多かった)
(丁寧に回答するも、「ひどい」と自身を戒める言葉も)
齊藤三段は辛抱しますが、ここでシンプルに△2八飛と打つのが厳しい手です。2四馬に当てつつ、△7八銀成▲同銀△8七金の筋で先手玉を追い詰めるのが真の狙いとなります。
(苦しい将棋だったが、池永四段がチャンスをものにできたか)
△2四歩は揺さぶりの一着ですが、▲4三成桂から一気に踏み込めば齊藤三段優勢と控室ではいわれていました。しかし実戦は▲2四同馬と取り、後手陣の急所である4三地点から馬筋が逸れてしまいました。この手を見た畠山鎮八段は「逆転していてもおかしくないです」と、池永四段が盛り返したとの見解を述べています。
14時50分、この局面で齊藤三段が45分以上の長考に沈んでいます。強く攻め合うならば(A)▲4五歩△3七歩成▲4四歩△4八と▲4三歩成△6二玉に▲5三と(変化A図)でと金を捨て、以下△同玉に▲3四馬が金銀両取りで厳しく迫れます。
一方で畠山鎮八段は「最近の感覚だと1歩の入手を主張に、利かされを受け入れるほうが普通かもしれないです」として(B)▲2八銀を示しています。以下△4六銀▲2四馬△3七歩成▲4六馬△4八と(変化B図)が進行の一例で、こうなると引かされた銀が2九飛の障害物になります。






ここで齊藤三段の手が止まっています。継ぎ盤では以下▲4五桂△3四金▲5六香△5四歩▲1二馬△4四金▲2三馬△5二玉▲3三桂成△4六銀▲2四馬(変化図)が並べられました。途中の▲3三桂成の局面では、次に▲4五歩が入れば先手優勢となるため受ける必要がありますが、その手段が悩ましいようです。


