昼食休憩
図の43手目▲3五竜の局面で昼食休憩に入りました。ここまでの消費時間は▲阿部光1時間8分、△佐々木勇42分。佐々木五段が大きく角を使えば、阿部四段も8四に打った飛車をグルッと8五から3五に移動させました。
(銀杏)
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図の43手目▲3五竜の局面で昼食休憩に入りました。ここまでの消費時間は▲阿部光1時間8分、△佐々木勇42分。佐々木五段が大きく角を使えば、阿部四段も8四に打った飛車をグルッと8五から3五に移動させました。
(銀杏)
佐々木五段が△2四飛とぶつけた局面。実戦は▲2四同飛と応じましたが、先に▲3三角成とする手もありました。
△2六飛は▲3二馬で先手金得なので、後手は飛車を取れません。なので、△同銀▲2四飛△同銀(参考図左)と進むことになります。そこで▲8四飛があるように見えますが、△3三銀▲8二飛成△5五角(参考図右)が香の両取り。▲8三角には△7一飛!で耐えています。
話を実戦に戻しましょう。実戦は▲2四同飛△同角▲8四飛。
これも角取りで飛車成を狙っていますね。困ったかのように見えますが、佐々木五段が面白い手順を見せました。▲8四飛以下、△5一角▲8二飛成△7四歩。
▲9一竜に△7三角の両取りを用意しました。△7三角を作る△5一角~△7四歩は柔らかい発想ですね。竜を作らせて技をかけようとするのは、現代らしい攻防です。阿部四段は▲8五竜と引いたので△7三角の順には進みませんでしたが、後手からすれば竜を撤退させたと見ることができます。手持ちの飛車が大きな主張です。
(紋蛇)
対局者の二人は、過去の対戦は1局のみ。第43期新人王戦で対局しました。その将棋を紹介します。相矢倉から佐々木五段が積極的に攻めて勝ちました。
開始日時:2012/01/06 10:00
終了日時:2012/01/06 15:56
棋戦:第43期新人王戦
持ち時間:各3時間
消費時間:80▲138△126
場所:東京・将棋会館
先手:阿部 光瑠四段
後手:佐々木勇気四段
▲7六歩 △8四歩 ▲6八銀 △3四歩 ▲6六歩 △6二銀
▲5六歩 △5四歩 ▲4八銀 △4二銀 ▲5八金右 △3二金
▲7八金 △5二金 ▲6九玉 △7四歩 ▲6七金右 △3三銀
▲7七銀 △4四歩 ▲7九角 △3一角 ▲3六歩 △4三金右
▲3七銀 △7三銀 ▲4六銀 △4一玉 ▲5八飛 △6四銀
▲5七角 △7三桂 ▲7九玉 △9四歩 ▲9六歩 △4二角
▲8六銀 △3一玉 ▲3七桂 △2二玉 ▲2六歩 △2四銀
▲1六歩 △8一飛 ▲2五桂 △7五歩 ▲同 銀 △同 銀
▲同 歩 △同 角 ▲7二銀 △8二飛 ▲6三銀不成△8五桂
▲3五歩 △3六銀 ▲4八飛 △9五歩 ▲3四歩 △9六歩
▲9八歩 △9七歩成 ▲同 歩 △7七歩 ▲同 桂 △9八歩
▲8五桂 △同 歩 ▲3三桂打 △9七角成 ▲6九玉 △7五桂
▲7七金寄 △8六歩 ▲同 歩 △7六歩 ▲同 金 △8七桂成
▲7二歩 △9六馬
まで80手で後手の勝ち
戦型は佐々木五段の横歩取りになりました。端の位を両方伸ばしたのは手待ちの意味です。間合いをはかり、戦機をうかがっています。
(紋蛇)
第45期新人王戦決勝三番勝負は、佐々木勇気五段と阿部光瑠四段で行われます。
(左が佐々木五段、右が阿部四段)
両者は1994年生まれ。四段昇段は佐々木五段が2010年、阿部四段が2011年とほぼ同期です。関東のライバル対決を制するのはどちらでしょうか。
対局は東京・将棋会館(特別対局室)にて10時開始。持ち時間は各3時間。第1局の先後は振り駒で決定します。立会人は田村康介七段、記録係は川崎直人三段(勝浦修九段門下、23歳)です。
本局の棋譜中継は銀杏、中継ブログは紋蛇が担当いたします。よろしくお願いいたします。
(紋蛇)