図は14時55分頃の局面。阿部四段が敵陣深くに飛車を打ったところだ。3三の桂と9一の香の両取りになっている。「3三の桂を取られると入玉の望みが絶たれる」と田中九段。佐藤五段は「苦戦の加來アマですが、これまでも苦しい将棋を逆転して勝ちあがってきましたのでまだまだわかりません」と話している。形勢は先手優勢ではっきりしているようだ。加來アマにとっては苦しい時間。このままやさしい攻めで寄せられてはたまらない。できるだけ難しい条件を阿部四段に突きつけて、相手のミスを待つほかない。粘って逆転の希望を見出すことができるか。
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