図は11時頃の局面。ここで立会人の田中寅彦九段が、形勢判断のポイントを説明してくれた。「こういうときは手数を数えるといいんですよ。1、2、3、……後手の方が1手多く指してますね。ということはちょっと後手が得してるんですが、その得した1手が桂跳ねだからね。形を決めてるから、微妙なところですね」。
加來アマの玉がなかなか動かない、という話になると、「形を決めないというのは、無限の可能性があるんですよ」と答える。そして「しかし加來さんは新人らしくない指し回しですねえ!」と感心したように言った。
(田中九段)
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