2023年7月11日 (火)

20230711a7304310_2(里見清麗から相川・大成建設株式会社取締役社長に清麗戦の賞杯「清麗杯」が返還された)

20230711a7304325(清麗杯は人間国宝・十四代今泉今右衛門作の「色絵吹墨墨はじき四季花文額皿」)20230711a7304341(続いて、相川・大成建設株式会社取締役社長から里見清麗に清麗杯のレプリカが授与された)

18時から行われた開幕式の模様です。

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20230711a7304267(主催者挨拶 相川善郎・大成建設代表取締役社長)
「『人がいきいきとする環境を創造する』という大成建設グループの理念のもと、社会貢献活動の一環として、学術・文化の発展及び女性の活躍推進の観点から、清麗戦を主催させていただいています。昨年の五番勝負では、当時挑戦者だった里見さんが破竹の勢いで3連勝され、清麗位を奪取されました。今期の清麗戦は、昨年の9月末から始まった予選、さらに本戦を勝ち抜き、西山女流三冠が挑戦権を獲得されました。現在、タイトルを二分されているお二人。暑い夏の五番勝負での、熱い戦いが予想されます。主催者として、里見清麗と西山女流三冠が本気の力を存分に出しきれるよう、万全の準備をさせていただくとともに、全国の将棋ファンをはじめ、多くの皆様に楽しんでいただけるよう、精一杯務めさせていただきます」

20230711a7304288(主催者挨拶 羽生善治・日本将棋連盟会長)
「里見清麗と西山女流三冠は、ずっとタイトル戦でしのぎを削っているお二人です。ともに非常に力強い棋風で、多くのファンの人たちを魅了する対局が期待されます。コロナ禍で将棋ファンの人たちもリアルなイベントの臨場感をなかなか味わうことができない日々が続いていたわけですが、明日はこの会場で大盤解説会も開催されるということで、お二人の技術を皆さんの前で存分に披露していただけるのではないかと思っております」

(書き起こし=睡蓮)

16時30分頃から対局検分が行われました。
検分では盤駒を始めとした棋具、照明や空調の設定などが対局を行うにあたって問題ないか確認します。

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20230711a7304204(里見清麗)

20230711a7304214(西山女流三冠)

20230711a7304215(写真右が立会人の佐藤天九段、左が記録係の貞升女流二段)

20230711a7304235(明朝からは後ろのカーテンを開けておくことになった。午後は写真のように西日が差し込むため、昼食休憩再開時から右奥に見える厚手のカーテンで遮光することに)

空調に関しては対局者が記録係に調整を頼むことになりました。検分は滞りなく進み、5分ほどで終了しました。このあと18時からは開幕式が行われる予定です。

いよいよ里見香奈清麗に西山朋佳女流三冠が挑戦する大成建設杯第5期清麗戦五番勝負が開幕します。
対局は7月12日(水)9時から東京都千代田区「ホテルニューオータニ」で行われます。持ち時間は各4時間(チェスクロック使用)。切れたら1手60秒未満の着手となります。昼食休憩は12時から13時まで。おやつは10時と15時に出される予定です。
立会人は佐藤天彦九段、記録係は貞升南女流二段。現地大盤解説は戸辺誠七段と高浜愛子女流1級が担当します。
なお、大盤解説会は事前申し込み制で、すでに申し込みは締め切られています。

本局の中継は棋譜コメントを睡蓮、本ブログを玉響が担当します。よろしくお願いいたします。

【棋譜中継ページ】
http://live.shogi.or.jp/seirei/kifu/5/seirei202307120101.html

【主催:大成建設】
https://www.taisei.co.jp/

2023年5月22日 (月)

第1局 7月12日(水)東京都千代田区「ホテルニューオータニ」
第2局 7月25日(火)福岡県福岡市「ホテルニューオータニ博多」
第3局 8月8日(火)大阪府大阪市「センタラグランドホテル大阪」
第4局 8月23日(水)大阪府大阪市「関西将棋会館」
第5局 8月30日(水)東京都渋谷区「将棋会館」

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――清麗挑戦を決められてのお気持ちを改めて。
清麗戦はすごく道のりの長い棋戦だなと思っていて、敗退すると一からという印象が強いので、五番勝負への出場権を初めて得られてうれしく思っています。
――今期の清麗戦の道のりを振り返って。
やっぱり長いスパンでやってきて、挑戦者決定戦に懸ける思いは強かったと思います。
――里見清麗と久しぶりの対局になります。
久しぶりの番勝負ということで、里見さんは棋力もそうなんですけど、充実されている印象があり、第一人者と盤を挟める貴重な機会だと思っています。
――昨年は20局以上指されましたが、手応えは。
負け越しだったこともあって、自分自身、今の棋力じゃ足りないと、たくさん指してそう実感しました。
――本局に勝たれて女流棋戦で14連勝、自身の最高記録です。
たまたま結果が勝ちになっているだけで、負けの将棋も多かったですし、不思議な気持ちです。
――五番勝負に向けての意気込みを。
清麗戦五番勝負に出させていただくということで楽しみに思っています。最近は結構あまり思うような将棋が指せていないところもあるんですけど、しっかり課題を修正して、いい将棋をお見せできるように頑張れたらいいなと思っています。

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■西山朋佳女流三冠
――序盤は▲1八香(31手目)が珍しい手。用意だったか。
西山 この形になったらやってみたいと思っていました。
――囲う前に仕掛ける▲7五歩(33手目)は予定だったか。
西山 部分的にはよくある形なので、仕掛けもある手なのかなという認識でした。
――振り飛車の攻めが決まったように見えました。
西山 手が広いので実戦的には難しいところも多かったと思います。
――勝ちになったと思われたのは。
西山 最後に▲2五金(85手目)と打ったときにこちらがゼット(絶対に詰まない形)に近い形なので。
――これで清麗初挑戦です。
西山 初出場なので楽しみに思っています。

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■加藤桃子女流三段
――本局を振り返って。
加藤 ずっと苦しいと思っていました。
――こうすればよかったという手は。
加藤 さっき少し話したんですが、▲6八角(35手目)に△7五歩と取っておくべきだったかな、と。
――今期の清麗戦を振り返って。
加藤 ここに来るまでに大変だったので、力を出しきれなかったのは残念だと思っています。

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西山女流三冠が挑戦者決定戦を制し、清麗初挑戦を決めました。終局時刻は14時31分。消費時間は▲西山女流三冠1時間45分、△加藤女流三段2時間4分。五番勝負第1局は7月12日(水)、東京都千代田区「ホテルニューオータニ」で行われます。

千駄ヶ谷にある将棋会館は棋士にとって対局室を備える東京の拠点として、ファンにとって道場や売店を利用できる場として長く親しまれてきました。1階のオフィシャルショップをのぞくと、加藤女流三段の清麗扇子がありました。2024年には新会館への移転が予定されています。

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