第2期五番勝負第2局 Feed

2020年7月10日 (金)

Photo_40 (勝った里見清麗。終盤も緩みなく決めて防衛まであと1勝に)Photo_42 (敗れた上田女流四段。▲1五銀の工夫は実らなかった)

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Photo_46(感想戦の模様)

以上で本局の中継は終了となります。ご観戦いただきましてありがとうございました。第3局は7月31日(金)に同じく東京・将棋会館で行われます。お楽しみに。

終局後、まずは両対局者にインタビューが行われました。

――お疲れさまでした。まずは里見清麗にお聞きします。序盤は前期五番勝負第3局と同じでしたが、そのあたりは意識されていましたか。

里見清麗 そうですね。ただ、そのあと早い段階で▲4五銀(31手目)と出られましたので、まったく違う将棋になったと思います。△2三金(32手目)のあたりは先手の手も広いので、指された手に対応していければと。

――2筋を破らせて反撃する展開となりました。手応えはいかがでしたか。

里見清麗 昼食休憩中はほかの手もあるかと思って、いろいろと考えていました。ただ本譜が自然かと思いましたし、△4五桂(46手目)と取りながら左桂がさばけたので。ちょっと指しやすいのかなと思いました。

――最後は緩急自在の指し回しでした。

里見清麗 ▲6二飛成(65手目)と切られるのはわかっていたのですが、考えてみると大変でした。もうちょっと何かあったかもしれませんが、怖いながらも踏み込んで指せたと思います。

――あと1勝で防衛となりました。今後の抱負をお願いします。

里見清麗 変わらず体調に気を付けて。コンディションを整えて指したいです。

――ありがとうございました。


――上田女流、お疲れさまでした。先ほどもお話がありましたが、前例のある進行でした。意識はされていたのでしょうか。

上田女流四段 そうですね。候補のひとつでした。

――▲4五銀(31手目)と前例と手を変えて攻めていきました。感触はいかがでしたか。

上田女流四段 △2三金(32手目)と上がられたあとがちょっとわからなかったですね。飛車引き(39手目▲2九飛)や角上がり(37手目▲7七角)のあたりで何かあったかもしれません。

―― ▲1五銀(41手目)から2筋を破る構想で指されました。あのあたりの感触を教えてください。

上田女流四段 元々銀を打つイメージでは指していました。ただ△3三桂~△4五桂(32手目~36手目)と跳ねられて悪くなったかなと。

―― 終盤の入り口で▲6五飛(61手目)と打ちました。代えて▲5五歩が控室では有力と見られていましたが、そのあたりはどうだったのでしょう。

上田女流四段 局面がもう苦しいのかなと思って。本譜の▲6五飛は勝負手気味でした。(▲5五歩については)ちょっとわからないですね。

―― これで連敗となってしまいました。次局に向けて抱負をお願いします。

上田女流四段 少し期間が空くのですが、やはり体調に気をつけて頑張りたいと思います。

――ありがとうございました。

Interview (インタビューの模様)

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第2期ヒューリック杯清麗戦五番勝負第2局は、図の局面までで里見清麗の勝ちとなりました。終局時刻は17時30分。消費時間は、▲上田女流四段4時間0分、△里見清麗3時間22分。勝った里見清麗は番勝負の対戦成績を2勝0敗に。防衛まであと1勝となりました。

20200710h_2上田女流四段は▲4九金など自陣を補強しつつ▲6四桂と反撃に転じます。控室では△6三銀引▲5二桂成△同銀という順が並べられていましたが、里見清麗は△6六歩と打ち返しました。両取り放置でアクセルを踏み込み、上田女流四段を突き放しに掛かります。20200710i_2

以下(1)▲5二桂成には△6八銀成▲同金△6七歩成▲同金△6九銀という順で、先手玉に必至がかかるため後手勝ち。(2)▲6六同歩には△6八銀成▲同金△5七金と攻めれば後手が押し切れるとのこと。80手目△6六歩は痛烈な一着で、決め手になっているかもしれません。果たして上田女流四段側に粘る手段はあるのでしょうか。

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図は15時30分の局面。里見清麗は△6五桂と打ちました。金取りと△7七銀からの寄せを見て厳しい攻めになっています。現状の後手陣は安全で、いざとなれば△5一歩の底歩も利くのが心強いところ。依然として後手がリードしていると見られています。Photo_37

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里見清麗は▲1五銀に△3三桂と跳ねて反発。午後からは中盤に入りました。控室では図の△8五桂の打診が好手と見られています。以下▲8八角、▲8六角のいずれでも△6五歩が厳しく入ります。しかし先手は角を逃げずに暴れるのも難しい状況。形勢は後手よしと見られています。Photo_33 (優位に立った里見清麗)
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(上田女流四段はどうにか巻き返したい)

13時になり、対局が再開されました。

Saikai1 (12時52分の対局室。里見清麗はすでに戻っていた)Saikai2_2(視線は盤上に)

Saikai3 (上田女流四段は12時56分に戻ってきた)

Saikai4_2

Saikai5(午後の戦いが始まった)