五番勝負第2局は里見女流四冠が勝ちました。開幕から2連勝、復位まであと1勝です。加藤清麗はカド番に追い込まれました。終局時刻は16時52分。消費時間は▲里見女流四冠3時間48分、△加藤清麗3時間3分。第3局は8月3日(水)、愛知県名古屋市「名古屋マリオットアソシアホテル」で行われます。
2022年7月22日 (金)
勝負術
両対局者の時間の使い方が対照的です。じっくり考える里見女流四冠に対し、加藤清麗は決断よく指し進めて、一時は消費時間に2時間以上の差がつきました。残り時間の少ない里見女流四冠ですが、▲1三角(79手目)に「さすがの勝負術です」と野月八段。次に▲2二銀△1二玉▲2四角成を狙っていますが、いきなり後手玉が詰むわけではないため、対応が悩ましいようです。先手玉には△4七歩▲同銀△1八飛という有力な攻め筋があり、攻めるか受けるかの判断に迷う状況を作り出しています。
新潟市水族館マリンピア日本海
端攻めで先制攻撃
本局は里見女流四冠の中飛車に、加藤清麗が居飛車穴熊に組んで対抗形に進みました。里見女流四冠は▲4八飛と4筋に応援を送り、▲1七桂~▲2五桂と端から桂を活用。スピード重視の積極的な姿勢で端攻めに出ています。手筋の▲1三歩(45手目)に、△同桂▲1四香△4四歩▲1三香成△同香▲同桂成△同銀▲2六香△7九角成(54手目)と進みました。
現地には日本将棋連盟常務理事の清水市代女流七段が訪れていて、控室で野月八段と継ぎ盤で検討しています。
攻め方の一例は▲4六桂△4五香▲同銀△同金▲3四桂△3三銀▲4五飛△同歩▲3一金で、こう進めば角のラインが生きて成功といえます。実戦は▲5五歩△6四金▲4四飛△4三歩▲4八飛としました。一気に攻め倒すのではなく、少しずつポイントを稼ぐ指し方です。