第2期挑戦者決定戦 Feed

2020年6月12日 (金)

第2期ヒューリック杯清麗戦五番勝負日程

里見香奈清麗ー上田初美女流四段戦

対局場は、すべて東京都渋谷区「東京・将棋会館」になります。

第1局 7月4日(土)
第2局 7月10日(金)
第3局 7月31日(金)
第4局 8月6日(木)
第5局 8月18日(火)

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本局の中継は以上で終了いたします。ご観戦ありがとうございました。五番勝負をお楽しみに。

感想戦後、上田女流四段はインタビューに答えました。

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――本局を振り返ってください。普段は振り飛車が多いですが、本局は相居飛車を選択しました。
「今日は相居飛車でいこうと決めていました」

――中盤は飛車を切る決断の踏み込みだったと思いますが、どの程度の手応えがありましたか。
「300点ぐらいいいかなと思っていましたが、持ち駒があまりなかったので、有利を維持していくのが難しいと感じていました」

――終盤はリードを拡大していく展開でしたが、伊藤女流三段に入玉の粘りを与えて長期戦になりました。
「こちらは安心感のある玉形でしたし、△6三金(114手目)と上がることができました。竜も寄せに使えたので、先手玉が逃げ切れる感じではないと思っていました。でも秒読みでしたので、間違えると入玉をされてしまいます。そうなると、こちらも入玉を目指さなくてはいけなくなってしまいますから」

――あらためて一局を振り返っていかがでしたか。
「伊藤さんにはここ数年、痛い目にあわされ続けていたので、今日はどんな将棋を指すか悩みました。かなりタイプが違う女流棋士なので準備が大変でした。ここ数年は自分自身の調子が原因で負けていた部分が強くあって。産休や育休を挟んだ直後の対局では、局面がよかったとしても勝ちに結びつけることができないことが何局かあったので、本局は勝ちきることができてよかったです」

――タイトル戦は2017年度の第10期マイナビ女子オープン以来、約3年ぶりとなります。
「自分がタイトル戦に出る実感がないですね。産休・育休を2回繰り返すと自分が強くなっているのか、わからなくて。直後は弱くなりますからね。里見さんは年を追うごとに強くなっていると思いますが、対して自分がどういった曲線を描いているかわからないんですよ。ですので、またこういった舞台に立てることが不思議な気持ちです」

――里見香奈清麗とのタイトル戦は4回目になります。どんなことを心掛けて臨まれますか。
「五番勝負って3回勝つのが大変なんですよね。身にしみてわかっているので、まずは自分の調子を整えることです。子どもがいるうえで今の状況ですと、この先どうなるかわかりません。そういった意味でも神経を使わないといけないので、バランスを取りながら自分のペースを保って、いい調子で迎えられたらと思っています」

(書き起こし・琵琶)

20200612a_2▲伊藤-△上田戦は126手で上田女流四段が勝ちました。終局時刻は16時45分。消費時間は▲伊藤2時間57分、△上田3時間0分。勝った上田女流四段は里見香清麗への挑戦権を獲得しました。五番勝負は7月4日(土)に東京・将棋会館で開幕します。

(琵琶)

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図の△6六桂を見た田中悠五段は、「後手が勝勢ですね」と話す。▲6六同馬は△7八銀成以下、先手玉は即詰みになります。「桂の取り方がないですね」と言葉を続ける。後手玉は鉄壁で、詰めろがかからない。

Dsc_0033(挑戦に近づいている上田女流四段)

 

対局を終えた田中悠一五段、仕事を終えた中村真梨花女流三段、野田澤彩乃女流初段が控室に顔を見せている。野田澤女流初段は、伊藤果八段門下で、上田女流四段とは姉妹弟子。

Dsc_0141(モバイル中継を見ながら、継ぎ盤に指し手を並べる田中悠五段。中村真女流三段と継ぎ盤を挟む。中央が野田澤女流初段)

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図は▲7三角成と桂を取った局面。後手の飛車切りから、局面は一気に激しくなりました。駒割りは▲飛桂△金銀の交換になっています。

Dsc_0094(上田女流四段は決断の飛車切りから猛攻)

 

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図は▲4三歩成△同金▲3三角成△同桂に▲8二角と打ったところです。桂香の両取りで、伊藤女流三段の攻めが成功するかどうかです。一方の上田女流四段は、8筋を謝らせているのがポイントで、先手玉を狭くしています。

Dsc_0024(伊藤女流三段は▲8二角から、うまく攻めを繋ぐことができるか)

Dsc_0080(再開直前の両対局者)

Dsc_0086(再開して、▲7六歩とキズを消した伊藤女流三段)

Dsc_0091(▲7六歩に扇子を右手に軽く持ち、考慮する上田女流四段)