第2期五番勝負第3局 
終局後インタビュー
終局直後、両対局者にインタビューが行われました。
(勝った上田女流四段)
――序盤はいかがでしたか。
上田「5筋を突かずに▲5八飛とされる将棋は指したことがなくて、ちょっとわかりませんでした」
――△2四角のあたりは。
上田「相手が何を指してくるかもわかっていなかったので、自信があるわけではありませんでした」
――中盤は後手ペースと控室では評判でした。
上田「はっきりよくする順がわかりませんでした。激しくいく順も考えていましたが、うまくいかなかったときの代償が大きいので……。どこかで決断しないといけませんでしたね。本譜は自信のない展開になりました」
――終盤は二転三転していたでしょうか。
上田「そうですね。はっきり自信のない局面もありました」
――勝ちを意識したのはどのあたりでしたか。
上田「△2三飛のところは正確に指せれば、と思いました」
――カド番から1勝を返しました。
上田「第2局はひどい将棋を指してしまったので、ひとつ返せてよかったです」
――第4局は先手番になります。抱負を聞かせてください。
上田「第2局は先手番を生かせなかったので、しっかり準備したいと思います」
――序盤はいかがでしたか。
里見「神経を使う将棋になったと思いました」
――△2四角に長考されました。
里見「守勢の将棋になってしまって自信はありませんでした」
――じわじわと追い上げていったと思いますが、手応えを感じた局面はありますか。
里見「具体的にはわかってなくて、ずっと苦しいと思っていました」
――第4局の抱負を聞かせてください。
上田「体調に気をつけて、またがんばりたいと思います」
上田女流四段の勝ち
第2期ヒューリック杯清麗戦五番勝負第3局は上田女流四段が勝ちました。消費時間は、▲里見、△上田ともに4時間0分。
上田女流四段が1勝を返し、番勝負の成績は里見清麗2勝、上田女流四段1勝となりました。第4局は8月6日(木)に東京・将棋会館で行われます。
見切り
△3八銀の王手は勝ちを読みきったものでしょう。詰みがあってもおかしくない上に、詰まさなくても大丈夫です。上田女流四段が勝ちに近づいています。
後手のラッシュがくるか
両者一分将棋
図の▲8一飛成で里見清麗が持ち時間を使いきりました。上田女流四段もすでに持ち時間がなく、両者一分将棋になりました。形勢は先手がよさそうなものの、後手陣も堅くまだはっきりしていないようです。
軽妙手
終盤戦へ
どちらも厳しい狙いがある局面。2四角と4九飛に当たっており、先手は▲4三歩成、後手は△4六桂の狙いが厳しいでしょう。総合すると複雑な局面といえます。こういうときは、ちょっとしたミスが致命傷になりかねません。