2024年7月24日 (水)

240724_043図は11時ごろの局面。激しい攻め合いも考えられましたが、図の直前に△5六歩▲5五歩が指されたことで、また違った戦いの構図が見えてきました。先手は押さえ込みを図り、後手は突破を目指すことになりそうです。駒割りは銀桂交換で先手が駒損ですが、▲5六金まで指せそうですから、正確には▲桂歩歩△銀の交換になります。「体感的は先手が駒得くらいです」と柵木四段。検討では、図から△1五角が予想されています。もう△8二玉から△7二銀とじっくり指す時代ではないようです。

Dsc_1129(加藤女流四段は4~6筋に位を張ることに成功した)

日本には多くの城がありますが、明治時代の存城廃城令や昭和の戦災により、江戸時代以前の天守を残す城は、12城しかありません。犬山城はその現存12天守のひとつであり、かつ最古の天守です。国宝に指定されています。

犬山城は天文6年(1537)に織田氏が築城したと伝わります。近年の調査により、天守は1585~90年に造られたとわかりました(資料はこちら)。犬山城も存城廃城令で構造物の多くは失われましたが、天守は残りました。木曽川沿いの崖上にあり、白帝城とも呼ばれています。白帝城は中国の古い城で、犬山城と同じように川(長江)を見下ろす崖上にあります。

Dsc_0496(木曽川を眼下に望む犬山城)

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Dsc_0658_2(急階段を上って最上部を目指す。感覚的には階段というよりハシゴに近い)

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Dsc_0630(最上部は360度パノラマ。東側の景色。中央左にインディゴ犬山有楽苑)

Dsc_0637(南西方向の景色。広大な濃尾平野と木曽川)

Dsc_0624(北側の景色。木曽川の向こう側は岐阜県各務原市。以上、7月23日に撮影)

犬山市は、愛知県の最北端に位置する都市。北を流れる木曽川の先は岐阜県です。1954年4月に1町4村が合併して犬山市が発足し、今年で市制70周年を迎えました。犬山城の周辺は城下町として発展してきた歴史があり、江戸時代の町割りが現在もそのまま残っています。観光地としても人気上昇中。ここ20年で犬山城の観光客数は約3倍になりました。

Dsc_0748(名鉄犬山駅)

Dsc_0764(犬山駅の一駅先にある犬山遊園駅で撮影)

Dsc_0734(犬山城に至る通り沿いに城下町が形成された。現在は人気の観光スポット)

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Dsc_0727(4月には犬山祭りがある。車山の曳き回しが見どころ)

Dsc_0721(五平餅と同じく、田楽も犬山名物のひとつ。以上、7月23日に撮影)

240724_036図の局面(9時50分ごろ)で柵木四段に見解を聞きました。

「福間清麗が4手目△9四歩を指すのは少し珍しい。△4五歩(30手目)が指したい構想だったのかと思います。加藤女流四段も▲4五同銀と強気に指しました。図の局面はまだ互角。ここからの10数手で大きく動きそうです。どのようにして本格的な戦いに入るのか、楽しみです」(柵木四段)

Dsc_1201(先手側を柵木四段、後手側を村山八段が持って検討。清水女流七段が見守る)

Dsc_1304(村山八段は、和服着用で立会人を務めるのは初めてとのこと)

Dsc_1324(柵木四段は愛知県中央南部の西尾市出身)

午前のおやつは10時に提供されます。注文は次の通りです。

加藤女流四段 ミニエクレア~ホテルインディゴ犬山有楽苑風~、アイスティー
福間清麗   ミニエクレア~ホテルインディゴ犬山有楽苑風~、アイスティー、アップルジュース

犬山城下町の五平餅をイメージしたミニエクレア。犬山抹茶、モモ、イチゴ、ピーナッツ、藤澤げんこつ、計5種の味が楽しめます。げんこつ飴は犬山名物で、黒糖、水あめ、きな粉を混ぜて練り上げた飴です。

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240724_029図は9時13分の局面。すでに歩がぶつかっています。前例は4局あり、加藤女流四段と福間清麗は3年前の清麗戦五番勝負第3局でも同じ形を指しています。当時は△8二玉▲8八玉△7二銀▲7八銀△5一飛と駒組みが進みましたが、今回は△4五歩▲同銀△4二角(9時30分時点)と福間清麗が動きました。囲いの完成前に動く、急戦調の将棋です。

Dsc_1139(初手▲2六歩)

Dsc_1150(2手目△3四歩)

対局開始の20分前から風が強くなり、15分前に猛烈な雷雨になりました。福間清麗は8時47分、加藤女流四段は8時49分に入室。定刻の9時に対局開始。開始直前に風と雷はおさまりました。不安定な天気です。

Dsc_1045(加藤女流四段)

Dsc_1013(福間清麗)

Dsc_1074(立会人の村山八段や日本将棋連盟常務理事の清水市代女流七段が立ち会う)

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Dsc_0973(一時的に猛烈な雨と風に見舞われた。竹が大きくたわむ)

対局当日、犬山市は曇り。予想気温は26度から34度です。
ちなみに本日は土用の丑の日(一の丑)です。

09:00 対局開始
10:00 午前のおやつ
12:00 昼食休憩
13:00 対局再開
13:30 大盤解説会開始
15:00 午後のおやつ

Dsc_0936_2 (7時ごろ、ホテル客室からの眺望)

2024年7月23日 (火)

検分後に記念撮影。第2局の前夜祭はありません。
以上で対局前日のブログ更新を終わります。明日をお楽しみに。

Dsc_0863(ホテルのテラスら犬山城をバックに記念撮影)

Dsc_0861

16時30分から検分が行われました。盤や駒は日本将棋連盟のもの。照明に関しては、加藤女流四段から「明るすぎるので落としてほしい」と要望があり、蛍光灯のいくつかを消すことになりました。あらためて福間清麗も照明の具合を確認し、これを承諾しました。

Dsc_0811(第2局は加藤女流四段の先手番となる)

Dsc_0814(第1局を制した福間清麗。今回は後手番)

Dsc_0826(照明を気にする加藤女流四段)

Dsc_0838(設置された蛍光灯のうち、半分を消すことにした)