【里見女流五冠インタビュー】
――本局を振り返っていかがでしたか?
里見 無理気味な動きになってしまいました。もう少しゆっくりする展開にしたかったのですが、考えているうちにわからなくなってしまって。強引な感じで動いたので途中は自信がなかったです。
――昼食休憩を挟んで1時間近い長考になりましたが、あの辺りのことでしょうか。
里見 そうですね。ゆっくり模様をよくする展開にしたかったのですが、見当たらなかったので、昼休前後がわからなかったです。
――勝ちを意識したのはどの辺りですか?
里見 最後の辺りです。▲6五桂打(89手目)として、少し勝っているのかなと思いました。
――白水館で対局した感想をお願いします。
里見 対局中はあまり景色を見る余裕はなかったですが、昨日は温泉に入ってリラックスさせていただきました。こういった環境で対局をさせていただいたので、次局も頑張らないといけないなという気持ちと感謝の気持ちでいっぱいです。
――シリーズを連勝としました。次局に向けての抱負をお願いします。
里見 自分の力の出しやすい将棋にしたいです。
【甲斐女流五段インタビュー】
――本局を振り返っていかがでしたか?甲斐 後手番なので、こちらからは動きづらいというか、どういう形で待つかを試行錯誤していました。神経を使う展開で、どこから来られるのかをずっと注意しながら指さないといけないような感じだったと思います。本譜の動きは受け止められるような気もしたんですが、端から歩を垂らされた辺り(69手目)が思ったよりうるさかったので、銀を上がった辺り(66手目)でもう少し正しい手があった気がします。
――白水館での対局はいかがでしたか。
甲斐 何から何までお世話をしていただいて、すごくいい環境で対局をさせていただいたので、本当にありがたいことだと思っております。
――第3局に向けて抱負をお願いします。
甲斐 気持ちを新たに一局一局を難しい将棋が多いかと思いますが、力が出しきれるように頑張りたいと思います。





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間もなく17時を迎えようとしているころ、図の局面まで進んでいます。里見女流五冠の指し手は▲9二銀でした。後手は次の▲8三歩成が受からない状況です。▲9二銀に実戦は△6二玉▲8三歩成と進みました。△8三同歩は▲同飛成で、立会人の藤井猛九段は「飛車が成り込むことができれば将棋が終わります」といい「先手がよくなりそうな流れです」と続けました。




















里見女流五冠の中飛車に、後手番の甲斐女流五段は三間飛車で対抗しました。大盤解説会を担当する都成五段の予想が的中です。
昼食休憩時の局面は先手が打開するのが難しく、▲1七銀△5二金▲2六銀△4二金……のような千日手も懸念されました。
3図以下、△4五同銀▲4六歩△3四銀に▲5五歩(4図)と里見女流五段が打開したのです。
現在、甲斐女流五段が時間を使っています。後に△5五同歩と応じました。先手が攻めきれるのか、後手が受けきれるのか。局面は中盤の難所を迎えています。









