福間香奈清麗(女流六冠)に渡部愛女流四段(LPSA所属)が挑戦する大成建設杯第7期清麗戦五番勝負(主催:大成建設、日本将棋連盟)は、福間清麗が先勝。第2局はホテルオークラ福岡(福岡市博多区)で、7月23日(水)に行われます。持ち時間は各4時間(チェスクロック使用)。切れたら1手60秒の秒読み。先手は福間清麗です。対局開始は9時。昼食休憩は12時から13時まで。立会人は中田功八段、記録係は崎原知宙女流1級、現地大盤解説会は解説を大橋貴洸七段、聞き手を長谷川優貴女流三段がそれぞれ務めます。
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2025年7月
感想戦
解説会で振り返る
終局直後
■福間香奈清麗
――序盤はどのように見ていたか。
福間 端が生きる展開になってるかなと思っていたので。一手一手考えながらという将棋でした。
――中盤は4筋から動いていった。
福間 すんなり交換できれば局面がほぐれるのかなと思っていました。
――その後はしばらく受けに回る展開になった。
福間 怖い形ではあるんですけど、少し攻めが細いのかなと思ってやっていました。
――勝ちになったのはどのあたりか。
福間 飛車を取り合ってこちらの玉形が(詰めろが)こない形になったので、優勢になっているのかなと思いました。
――白星スタートとなった。第2局に向けて。
福間 先後が決まっているので、しっかり準備して挑めたらと思います。
■渡部愛女流四段
――序盤はどのような印象だったか。
渡部 本譜みたいな組み方は考えていたが、端が生きる展開になってしまったかな、と。銀冠にする展開にできないとおかしかったかなと思います。
――控室では動き方が難しいといわれていた。
渡部 待たれてもよくわからないところもあったんですけど、動かれて悪いなら、飛車を成らせてまずかったのなら、作戦がまずかったのかなと。
――猛攻に出て後手玉を追い込んだ。
渡部 少し足りないと思ってやっていたんですけど……。その前、▲4六角(79手目)でもう少しいい攻めがあるかと思っていたので、そこが誤算だったかなと思います。
――久しぶりのタイトル戦だった。
渡部 タイトル戦だとどうしても勝負が大事になるんですけど、久しぶりに(持ち時間)4時間を目いっぱい指せて楽しかったです。
――黒星スタートになったが、第2局に向けて。
渡部 次は後手番。対策をしっかり考えて、体調をしっかり整えて臨めればと思います。
福間清麗が先勝
猛攻と切り返し
日本庭園
にぎわう控室
午後のおやつ
意欲的な構想
午前中は駒組みの時間でした。渡部女流四段は対抗形では珍しい中住まいに組み替えています。バランス重視で現代調の戦い方といえるでしょう。
昼食休憩明けから動きがありました。福間清麗が4筋で桂を交換すると、渡部女流四段は▲4六角と出て、△2五飛▲3七桂△2七飛成▲3八金△2六竜▲6五歩と積極果敢な指し回しを見せます。
角のにらみで後手玉を直撃する意欲的な構想です。飛車を成らせても、下段飛車がよく利いているところに主張があります。本来は攻めに使いたい持ち駒の桂を自陣に打っているので、成否は微妙なところ。福間清麗は落ち着いて△4二角と受けています。しばらくは渡部女流四段が攻め、福間清麗が反撃をうかがう構図になりそうです。