2025年7月

2025年7月22日 (火)

福間香奈清麗(女流六冠)に渡部愛女流四段(LPSA所属)が挑戦する大成建設杯第7期清麗戦五番勝負(主催:大成建設、日本将棋連盟)は、福間清麗が先勝。第2局はホテルオークラ福岡(福岡市博多区)で、7月23日(水)に行われます。持ち時間は各4時間(チェスクロック使用)。切れたら1手60秒の秒読み。先手は福間清麗です。対局開始は9時。昼食休憩は12時から13時まで。立会人は中田功八段、記録係は崎原知宙女流1級、現地大盤解説会は解説を大橋貴洸七段、聞き手を長谷川優貴女流三段がそれぞれ務めます。

棋譜・コメント入力は武蔵、ブログは飛龍が担当いたします。どうぞよろしくお願いいたします。

Hookura1 (対局場のホテルオークラ福岡)

Hookura2 (対局前日はよく晴れた。当日も真夏の暑さが見込まれる)

2025年7月10日 (木)

両対局者はファンの待つ解説会に移動し、一局を振り返りました。現地では終局直後のインタビュー中から激しい雷雨になったこともあり、両対局者があいさつの中で来場者の帰路を気づかう場面もありました。

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■福間香奈清麗
――序盤はどのように見ていたか。
福間 端が生きる展開になってるかなと思っていたので。一手一手考えながらという将棋でした。
――中盤は4筋から動いていった。
福間 すんなり交換できれば局面がほぐれるのかなと思っていました。
――その後はしばらく受けに回る展開になった。
福間 怖い形ではあるんですけど、少し攻めが細いのかなと思ってやっていました。
――勝ちになったのはどのあたりか。
福間 飛車を取り合ってこちらの玉形が(詰めろが)こない形になったので、優勢になっているのかなと思いました。
――白星スタートとなった。第2局に向けて。
福間 先後が決まっているので、しっかり準備して挑めたらと思います。

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■渡部愛女流四段
――序盤はどのような印象だったか。
渡部 本譜みたいな組み方は考えていたが、端が生きる展開になってしまったかな、と。銀冠にする展開にできないとおかしかったかなと思います。
――控室では動き方が難しいといわれていた。
渡部 待たれてもよくわからないところもあったんですけど、動かれて悪いなら、飛車を成らせてまずかったのなら、作戦がまずかったのかなと。
――猛攻に出て後手玉を追い込んだ。
渡部 少し足りないと思ってやっていたんですけど……。その前、▲4六角(79手目)でもう少しいい攻めがあるかと思っていたので、そこが誤算だったかなと思います。
――久しぶりのタイトル戦だった。
渡部 タイトル戦だとどうしても勝負が大事になるんですけど、久しぶりに(持ち時間)4時間を目いっぱい指せて楽しかったです。
――黒星スタートになったが、第2局に向けて。
渡部 次は後手番。対策をしっかり考えて、体調をしっかり整えて臨めればと思います。

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五番勝負第1局は福間清麗が勝ちました。終局時刻は18時6分。消費時間は▲渡部女流四段4時間、△福間清麗3時間54分。第2局は7月23日(水)、福岡県福岡市「ホテルオークラ福岡」で行われます。

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渡部女流四段が猛攻に出ています。玉頭の拠点に打ち込む▲8三銀(93手目)は部分的には痛烈ですが、駒損で攻め駒の少なさが泣きどころ。以下△7一玉▲7二銀成△同玉▲8三歩成△6三玉▲4六歩△8八歩と進みました。

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急所を守る▲4六歩はこう指したいところ。もし△4一竜と逃げてくれれば▲6五桂が厳しく、後手玉は一気に危なくなります。しかし、実戦の△8八歩が冷静な切り返しでした。連打で飛車の利きを止めてしまえば、後手玉は上部が厚くなかなか寄らない形です。福間清麗が的確な指し手でリードを保っています。

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(砂原奏女流2級=右も控室を訪れた)

ホテルニューオータニには約1万坪の広大な日本庭園があります。もとは加藤清正の下屋敷、井伊家の庭園として400年余りの歴史がある土地でした。創業者の大谷米太郎が譲り受けて整備し、今日に至っています。庭園内では大谷米太郎像も見ることができます。

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控室には村田智穂女流三段、渡辺弥生女流二段、和田あき女流二段、加藤圭女流二段、内山あや女流初段、竹内優月女流2級が訪れて継ぎ盤がにぎわっています。村田女流三段、和田あき女流二段、加藤圭女流二段は女流棋士会の役員でもあります。

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15時、午後のおやつの時間になりました。福間清麗はスーパーピュアプリン、フルーツ盛り合わせ(小)、アイスミルクティー、フレッシュオレンジジュース。渡部女流四段はメロンゼリー、ジンジャーエールを注文しています。

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午前中は駒組みの時間でした。渡部女流四段は対抗形では珍しい中住まいに組み替えています。バランス重視で現代調の戦い方といえるでしょう。

昼食休憩明けから動きがありました。福間清麗が4筋で桂を交換すると、渡部女流四段は▲4六角と出て、△2五飛▲3七桂△2七飛成▲3八金△2六竜▲6五歩と積極果敢な指し回しを見せます。

2025071061角のにらみで後手玉を直撃する意欲的な構想です。飛車を成らせても、下段飛車がよく利いているところに主張があります。本来は攻めに使いたい持ち駒の桂を自陣に打っているので、成否は微妙なところ。福間清麗は落ち着いて△4二角と受けています。しばらくは渡部女流四段が攻め、福間清麗が反撃をうかがう構図になりそうです。