2024年7月24日 (水)

Dsc_1647(1勝1敗のタイに戻した加藤女流四段。完勝だった)

――序盤の駒組みについて。

加藤 (30手目△4五歩で後手に動かれて)相手の手に乗って指していくしかないのかなと。方針がちょっと微妙だったかなと思って指していました。

――▲1五角(75手目)のあたりは形勢をどう判断していたか。

加藤 ▲6四歩(71手目)のところは▲5九金との比較だったのですが、▲6四歩が入ると思い込んでしまって、本譜の順がよくわからなかったといいますか、▲6三歩成(77手目)に△同金(本譜は△同玉)とか、もしかしたらあるのかなと思って、あまりしっくりきていませんでした。

――指せる手ごたえを得た局面は。

加藤 ▲6四桂(87手目)と打って(後手玉を)捕まえられそうな気がしました。

――次局に向けて。

加藤 私にとっては1局でも多く指せることはとてもうれしいので、また次局に向けて準備をしたいですし、体調も整えたいと思います。

Dsc_1685(福間清麗は一分将棋まで頑張った)

――△4五歩(30手目)で前例から変化した。

福間 手の広い局面で難しいかなと思っていました。

――△5六歩(42手目)あたりの中盤の攻防について。

福間 こちらは歩切れで攻めがつながるかどうかだと思っていました。

――どこがポイントの局面だったか。

福間 急な流れになってしまったので、もう少しゆっくりした展開を選ぶべきだったと思います。

――次局に向けて。

福間 力を出しきれるように頑張りたいと思います。

Dsc_1682 

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Dsc_1657 (終局直後の様子)

240724_111清麗戦第2局は17時42分、111手で加藤女流四段が勝ち、シリーズ成績を1勝1敗のタイに戻しました。消費時間は▲加藤3時間40分、△福間4時間0分(持ち時間は各4時間)。第3局は8月6日(火)に栃木県日光市「日光金谷ホテル」で指されます。

240724_087▲6四桂(図)が決め手級です。△7二玉を消しています。▲6四桂に(1)△同玉は▲6八金△同銀成▲6五飛△7四玉▲6一飛成と飛車を抜いて先手勝ち。(2)△6二金には▲6八金△同銀成▲6五金で後手玉が▲5三飛以下の詰めろです。加藤女流四段が勝利に向けて一気に距離を縮めました。

先ほどの「▲6七銀打の局面」で福間清麗が手を止めています。手番の福間清麗は前傾姿勢にならず、読みを深めている様子ではありません。一方、指し手を待ち構える側の加藤女流四段は、腕まくりをして体を揺らしています。対局姿からも形勢に差がついたことを感じられます。

240724_1553(15時53分の対局室映像)

240724_079現地は先手優勢の評です。図から△8八金▲同玉△6八竜▲7八金△7九銀と追っても▲9七玉に詰めろがかかりません。「局面がさっぱりしているため、福間清麗から細かい技を出すのも難しい状況です」と村山八段。先手には▲5三歩成、▲5一角成、▲7五桂など攻めの手がいくつもあります。はっきりと先手優勢です。

Dsc_1090(加藤女流四段)

240724_075福間清麗は先手の押さえ込みを突破したもの、そのために少し無理をしたでしょうか。図に至るまでの間に、3六成銀や3二金を狙われる変化がいくつもありました。▲1五角(図)は飛車角交換をほぼ確実にした手で、村山八段は「ひと目、痛そうです」。▲6三歩成のキズも残っていて後手玉は危ない形です。一方、先手玉は△5八竜に▲6七銀打で守りを強化できます。

Dsc_1483(加藤女流四段がうまく指している)

午後のおやつは15時に提供されますが、加藤女流四段は本人の希望で14時30分に出されます。注文は次の通りです。

加藤女流四段 くちばしマークの鮎焼きちゃん、アイスティー、グレープフルーツジュース
福間清麗   八駒ラスク、アップルジュース

Dsc_1585(鵜飼で獲れた鮎は体にくちばしの跡がつく。赤いものはグレープフルーツの餡)

Dsc_1619(ラスクの入れ物は鮮やかな犬山焼き)

犬山市民交流センター・フロイデ「フロイデホール」では、13時30分から解説会が始まっています。(参加申込は終了しています)

Dsc_1524_2(解説は柵木幹太四段)

Dsc_1545 (聞き手は北村桂香女流二段)

Dsc_1505