2024年5月

2024年5月31日 (金)

大成建設杯第6期清麗戦五番勝負の対局場と日程は以下の通りです。本日はご観戦ありがとうございました。福間香奈清麗と加藤桃子女流四段による五番勝負は7月に開幕します。アツい勝負をお楽しみに。

第1局 7月10日(水) 東京都港区「The Okura Tokyo」
第2局 7月24日(水) 愛知県犬山市「ホテルインディゴ犬山有楽苑」
第3局 8月6日(火)  栃木県日光市「日光金谷ホテル」
第4局 8月20日(火) 大阪府大阪市「関西将棋会館」
第5局 8月27日(火) 東京都渋谷区「将棋会館」

感想戦のあとに加藤女流四段に囲み取材が行われました。

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――あらためて、本局を振り返っていただけますか。

加藤 戦型を予想できなかったのですが、割と経験のある形で感覚的に序中盤はうまく指せたと思っています。▲3一角(43手目)を打ち込んでうまくいくかだと思いましたが、そのあとも振り飛車側の受けが難しかったようで冷静に対処できたと思います。

――▲3一角と打ったときの手応えはどうでしたか。

加藤 ▲3一角は狙い筋として、いつか打とうと思っていました。▲3六歩と突いてあって、△1四角と5八金を狙う筋がない状態で▲3一角と打てたので、好条件でできているはずだと思っていました。また、玉頭が手厚いので端攻めが炸裂しそうで手応えはありました。

――リードした手応えはいつ感じましたか。

加藤 指しているときは△7七角成(84手目)▲同金寄となっても怖いと思っていました。▲4三と(87手目)△同金が入って、後手玉が見えやすくなって勝ちやすい形勢になったと思いました。

――序盤の工夫はどのあたりでしょうか。

加藤 丸山ワクチンのイメージで指していました。7六に銀を収めようとしていました。女流名人戦のリーグ戦の▲大島(綾華女流二段)-△西山戦では、6筋の歩交換から▲5六銀~▲6七銀引と立て直していました。それも居飛車満足だと思いますが、自分は右銀を7六に収めたほうが勝ちやすいと思いました。相手が6三銀型か6三金型かで違いも出てきますが、その将棋を参考にしていました。

Dsc_2655 ――あらためて五番勝負の抱負をお願いします。

加藤 清麗戦の五番勝負は久しぶりです。五番勝負は持ち時間が4時間あって、チェスクロックですが、先日戦った女流王位戦と同じ持ち時間です。感覚としては女流王位戦の延長戦だなと捉えています。持ち時間をうまく使って、納得いく指し手を積み重ねたいと思います。

――清麗戦ではどういうテーマで臨みますか。

加藤 いまはまだわかりませんが、直前のタイトル戦を踏まえたうえで対策を立てたいと思っています。

――加藤女流四段にとって清麗は、女流棋士に転向して最初に獲得したタイトルです。

加藤 タイトルを獲得したシリーズ(第3期)は、タイトル戦を意識して日々の生活を考えながら五番勝負の期間を過ごしました。
これからも同じように一日一日を大切にしていきたいと思います。そのときの初心に戻ったつもりで臨みたいと思います。

――関西に移籍されました。いい影響はありますか。

加藤 今回ですと、女流王位戦五番勝負をストレートで敗退したのは大きな出来事でした。今日まで、気持ちの切り替えの期間が大事だと思って、VSを頼みまくりました。それを引き受けてくださったので、感謝していますし、鍛えてくださっている環境が、自分にとってよかったなと。将棋を指すことで気持ちを切り替えることができました。

――五番勝負は初めての対局場もあると思います。

加藤 初めての対局場はワクワク感があります。夏場で暑いと思います。そのあたりは体調管理をしっかりしたいと思います。料理はご当地にあったものいただけたら。そういったところで気分転換を楽しめたらと思います。

――女流王座戦、女流王位戦に続いてタイトル挑戦です。

加藤 ここ数日は今日に間に合わないのではと思っていました。心配でしたが、将棋に気持ちをぶつけられてよかったです。

――女流王位戦の結果を生かせて五番勝負に向かえそうですか。

加藤 負けてしまったことも前向きに捉えて進んでいけそうに思います。

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Dsc_2587 (挑戦権を獲得した加藤桃子女流四段)

――一局を振り返っていただけますか。

加藤 序盤は模様をどう取るかというところがありました。▲7五歩(29手目)から▲7六銀引(39手目)と収まったあたりはまずまずと思っていました。でも、片寄るので反撃が怖かったところもありました。本譜は割と押さえ込むことが出来たと思います。

――どのあたりでリードできたと思いますか。

加藤 駒得になったところは少しいいのかなと思いましたが、流れ弾に当たるといけないので、最後まで気を引き締めて指していました。

――どのあたりで勝ちになったと思いますか。

加藤 ▲6一角(93手目)と打って、後手に味のいい受けがないので(勝ちになったと思います)。

――五番勝負の抱負をお願いします。


加藤 挑戦するからには取りにいきたいですし、自信を持って指したいと思います。

Dsc_2596 (敗れた西山朋佳女流三冠は2期連続の挑戦はならず)

――本局を振り返っていかがでしたか。

西山 一手一手考えながら指す展開でしたが、少し自信がないと思いながら指していました。

――どのあたりで形勢を損ねてしまったと感じましたか。

西山 模様が悪いと感じていましたが、アヤを求めるのが難しい展開にしてしまったので、最初の段階でもうちょっと主張を作る指し方があったのかなと思いました。

Dsc_2589 (終局時の盤面)

20240531_97福間香奈清麗への挑戦を目指す大成建設杯第6期清麗戦挑戦者決定戦の▲加藤桃子女流四段―△西山朋佳女流三冠戦は、15時6分に97手で加藤女流四段の勝利となりました。消費時間は▲加藤1時間56分、△西山2時間28分。
勝った加藤女流四段は第4期以来の清麗戦五番勝負登場となります。

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図は95手目▲7二角成まで。加藤女流四段は6一に打ったばかりの角を▲7二角成と切って、先手玉に詰みがない形なのを生かして決めに出ました。
▲7二角成△同玉に▲6四歩が、▲4二飛成からの詰めろです。西山女流三冠は角しか持ち駒がないため受けにくそうです。

Dsc_2568 (将棋会館の植え込みのアジサイ)

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図は77手目▲6七金右まで。現局面は先手が銀得かつ金銀4枚の堅陣。加藤女流四段が優位を広げているとみられます。
西山女流三冠は△2九飛成▲6五歩△4四角▲3三歩成△5三銀▲4五歩△7七角成と、角を切って勝負に出ました。

Dsc_2471 (西山女流三冠は食らいつけるか)

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図は65手目▲6五歩まで。後手の囲いは銀が金2枚と連絡しています。それを絶つための攻めが▲6五歩です。△同歩なら▲6四歩△同銀▲2四銀△同飛(△同角は▲3一角が飛車銀両取り)▲同飛△同角▲2二飛が角金両取りになります。
先手は▲2四銀と角を取れば駒損を解消できます。そのため、玉の堅さの差で先手が有利とみられています。

Dsc_2478 (厳しく急所を突く加藤女流四段)

Dsc_2394(売店には日本将棋連盟100周年のコーナーも設置され、ハンドタオルやボールペンなどが販売されている。これらは日本将棋連盟オンラインショップでも購入できる
https://item.rakuten.co.jp/shogi/c/0000000292/

Dsc_2572 (日本将棋連盟100周年を記念した駒も販売されている。盛上駒は掬水作の錦旗書の駒。彫埋駒は淘水作の錦旗書。彫駒は小楠作の水無瀬書)

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Dsc_2386 (将棋会館入り口。右は大山康晴十五世名人の陶板西山女流三冠が出演する女流棋士発足50周年記念パーティーの案内も。チケットは売り切れたが、特別グッズの販売は5月31日まで行われている。なお、関西では12月に開催予定。
https://tiget.net/events/309913/shops/3800

Dsc_2390 (将棋会館の売店。遠方の方はオンラインショップの利用がおすすめ
https://www.rakuten.co.jp/shogi/

Dsc_2388 (扇子コーナー)

Dsc_2384(藤井聡太竜王・名人のコーナー)