2021年10月

2021年10月25日 (月)

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第3局の対局場である「仙台ロイヤルパークホテル」は、仙台駅から車で30分ほどの距離にあるリゾートホテル。まるでヨーロッパのお城のような外観と内装で、異国の地に足を踏み入れたかのような錯覚に陥りそうです。

【仙台ロイヤルパークホテル(公式サイト)】
https://www.srph.co.jp/

このあとは、16時30分頃に行われた対局検分の模様をお送りします。

里見香奈清麗に加藤桃子女流三段が挑戦する第3期大成建設杯清麗戦五番勝負は、加藤桃女流三段の2連勝で第3局を迎えました。対局は10月26日(火)に宮城県仙台市「仙台ロイヤルパークホテル」で行われます。

対局開始は9時、持ち時間は各4時間(チェスクロック使用、切れたら1手60秒未満の着手)。昼食休憩は12時~13時。先手番は里見香清麗です。
立会人は野月浩貴八段、記録係は伊藤明日香女流初段がそれぞれ務めます。

本局の中継は棋譜コメントを銀杏、本ブログを玉響が担当します。よろしくお願いいたします。

【棋譜中継ページ】
http://live.shogi.or.jp/seirei/kifu/3/seirei202110260101.html

2021年10月13日 (水)

Dsc_45941 (終局直後の対局室。両対局者がインタビューに応じた)

Dsc_46051 (リードを守って押し切った加藤桃女流三段)

◆加藤桃女流三段の談話

――戦いが起きたあと、いったん引く手もあるところで▲5四銀(59手目)と前に出た手が一局の方向性を決めた手かと思いますが、あの辺りは成算があって踏み込んだのでしょうか。

加藤桃 出るか引くか、すごく悩んだんですけど、▲5六桂(61手目)を打てると思ったので。そのときは少し自信があったんですけど、進めてみると攻めさせられた感じがして、難しいなと思っていました。

――「攻めさせられた」と認識が変わったのはどの辺りでしょうか。

加藤桃 △3四同金(66手目)~△4五金と出られて、後手を引いてしまったので。角は取れたんですけど、端を詰められて、歩切れになってしまって。あまり自信はなかったです。

――その後、▲1五角(81手目)~▲6四角と挟み込んで、先手の手が続くように見えましたが、十字飛車の筋(94手目の△5五飛)で反撃を受けました。控室では、十字飛車を回避する順も検討されていましたが。

加藤桃 十字飛車をうっかりしてしまって。回避する順を私は見つけられなかったので、仕方なく進めていたところがあります。

――よくなったという感触があったのは、どの辺りですか。

加藤桃 本当に最後のほうです。▲6一角(121手目)~▲5二角成から、6七金を取らせている間に相手玉を寄せる形になって、自玉が詰まなければと。

――開幕から2連勝となりました。本局の振り返りと、次局に向けての意気込みをお願いします。

加藤桃 よく分からない将棋だったんですけど、悪くなっても簡単に心が折れなかったのがよかったと思います。次局は仙台で、楽しみです。先後も決まっているので、しっかりと準備して挑みたいと思います。

Dsc_46171 (2連敗の里見香清麗は、あとがなくなった)

◆里見香清麗の談話

――仕掛けられてからは、受けに回る展開でした。あの辺りはいかがでしたか。

里見香 △5二銀(60手目)と引いたあとに誤算があって。昼食休憩のときはいろいろな筋を考えていたんですけど、本譜なら駒を活用させられる形になったので、まずまずかなと思っていました。

――十字飛車の筋を狙った辺りはいかがでしたか。

里見香 いいと思っていたんですけど、はっきりした筋が分からなくて。もう少し強く踏み込む順はあったかもしれません。

――本局の振り返りと、次局の意気込みをお願いします。

里見香 本局は時間を使いすぎてしまったところがあったので、次局は時間配分や戦型も含めて、いい状態で挑めたらと思います。

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第3期大成建設杯清麗戦五番勝負第2局は、加藤桃女流三段が勝ちました。終局時刻は18時2分。消費時間は▲加藤3時間49分、△里見4時間0分(チェスクロック使用)。これにより、シリーズ成績は加藤桃女流三段の2勝0敗になりました。第3局は、10月26日(火)に宮城県仙台市「仙台ロイヤルパークホテル」で行われます。

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図は17時35分頃の局面です。▲6二馬に対する△6七とで、里見香清麗は持ち時間を使いきりました。ここからは1手60秒未満で着手することになります。加藤桃女流三段は、以下▲7一銀△9三玉▲7二馬と踏み込んで勝ちにいっています。

Dsc_45351 (里見香清麗)

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図は17時頃の局面です。終盤戦は目前。形勢は改めて加藤桃女流三段がよくなっています。里見香清麗は106手目の△6二歩がよくなかったのではないかと、控室の鈴木大九段。代えて△7二桂がまさったようです。

Dsc_45591 (加藤桃女流三段。このまま2勝目を挙げることができるか)

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図は16時30分頃の局面です。8五の飛車を捕獲する▲8六銀で、8筋に熱戦の証とされる駒柱ができました。以下は△8六同飛▲同歩△4八角までパタパタと進行。里見香清麗は自玉が薄いものの、駒がさばけたのも大きく、形勢は五分に近くなっているようです。

Dsc_45381 (里見香清麗が盛り返したか)

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図は15時30分頃の局面です。加藤桃女流三段が、角2枚の力で強気に攻めかかっています。里見香清麗としては、9筋を押し込んでいることが主張点。相手の攻めをいなしつつ、反対側の5筋、6筋から手を作ることができれば、9筋の利がよりクローズアップされます。形勢はやはり加藤桃女流三段のほうがよさそうですが、まだまだ楽観はできない状況です。

Dsc_44521 (加藤桃女流三段)