やってこいの手 後手がずっとリードを保っているといわれていましたが、図で△9四歩と手を渡してどうなったか。△9五歩~△9六歩の確実な狙いではあるものの、すぐに効果が現れる手ではありません。指された瞬間は先手にチャンスが来たかと控室が色めき立ちましたが、検討してみると具体的な手段は見つかりません。後手の上田女流四段としては、受け止める自信があっての△9四歩でしょう。先手の里見清麗としては、ここで形勢の差を詰めたいところです。(上田女流四段が手渡し。リードを保っているか)
力強い頑張り ▲5八金は里見清麗の強さを示した手との評判です。後手がリードしているものの、焦点がぼやけてきて、何を指すべきか難しくなってきています。対して、先手は▲4九飛や▲4七金を狙いとしています。 本筋は△3七歩成▲同銀に△2四角かといわれていますが、後手を引くため、やや不満。常務理事の鈴木大介九段は自分なら△3七歩成▲同銀△同角成▲同玉△6五歩と指しそうと話します。荒い印象もあるが、先手の指し手が難しいようです。 (里見清麗が苦しい形勢ながら、相手の手を難しくする辛抱を続けている)
後手有利 「上田陣は健在で、弱体化していないですよね」と塚田九段。後手が有利になっているといいます。先手は苦労していますが、「ちゃんと苦労するのが大事」(塚田九段)で、普通に指していては形勢差が広がりそうで、先手はいろいろと嫌みをつけてまぎれを求めたい場面です。 (上田女流四段が序盤から中盤の入り口でリードを奪った)
佐藤康九段来訪 14時頃、控室には将棋連盟会長の佐藤康光九段が来訪しました。塚田九段とともに検討して、後手が指しやすくなりそうだと見られるようになりました。後手がうまく戦機をとらえたようです。(佐藤康光九段)
里見の長考 里見清麗は対局再開からも時間を使って、図の▲4六歩に54分56秒使いました。後手の上田女流四段は少考で図から△8六歩。(1)▲同歩は△8七歩、(2)▲同角は△3六歩の狙いでしょう。本譜は(3)▲2五歩△3三角を決めてから▲8六角と進みました。後手にチャンスがありそうだといわれています。このまま戦いを起こせれば、堅さの差が生きそうです。 (里見清麗は長考で▲4六歩とした)
昼食休憩 12時、この局面で里見清麗が4分使って昼食休憩に入りました。消費時間は、▲里見1時間16分、△上田1時間42分。対局は13時から再開されます。昼食注文は里見清麗が「冷山かけそば」(ほそ島や)、上田女流四段が「にぎり(中)」(千寿司)です。 (里見清麗注文の「冷山かけそば」(ほそ島や)) (上田女流四段注文の「にぎり(中)」(千寿司))