2020年7月

2020年7月31日 (金)

感想戦は約30分行われました。099_800(上田女流四段は難解な終盤を制して、カド番で踏みとどまった)082_800(里見清麗は今年初の黒星で連勝ストップ。全体的に苦しい時間が多かったと話す) 

100_800

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084_800

085_800本局の中継は以上で終了です。ご観戦ありがとうございました。第4局もお楽しみに。

終局直後、両対局者にインタビューが行われました。

088_800

(勝った上田女流四段)

――序盤はいかがでしたか。
上田「5筋を突かずに▲5八飛とされる将棋は指したことがなくて、ちょっとわかりませんでした」

――△2四角のあたりは。
上田「相手が何を指してくるかもわかっていなかったので、自信があるわけではありませんでした」

――中盤は後手ペースと控室では評判でした。
上田「はっきりよくする順がわかりませんでした。激しくいく順も考えていましたが、うまくいかなかったときの代償が大きいので……。どこかで決断しないといけませんでしたね。本譜は自信のない展開になりました」

――終盤は二転三転していたでしょうか。
上田「そうですね。はっきり自信のない局面もありました」

――勝ちを意識したのはどのあたりでしたか。
上田「△2三飛のところは正確に指せれば、と思いました」

――カド番から1勝を返しました。
上田「第2局はひどい将棋を指してしまったので、ひとつ返せてよかったです」

――第4局は先手番になります。抱負を聞かせてください。
上田「第2局は先手番を生かせなかったので、しっかり準備したいと思います」

089_800(敗れた里見清麗)

――序盤はいかがでしたか。
里見「神経を使う将棋になったと思いました」

――△2四角に長考されました。
里見「守勢の将棋になってしまって自信はありませんでした」

――じわじわと追い上げていったと思いますが、手応えを感じた局面はありますか。
里見「具体的にはわかってなくて、ずっと苦しいと思っていました」

――第4局の抱負を聞かせてください。
上田「体調に気をつけて、またがんばりたいと思います」

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第2期ヒューリック杯清麗戦五番勝負第3局は上田女流四段が勝ちました。消費時間は、▲里見、△上田ともに4時間0分。

上田女流四段が1勝を返し、番勝負の成績は里見清麗2勝、上田女流四段1勝となりました。第4局は8月6日(木)に東京・将棋会館で行われます。

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△3八銀の王手は勝ちを読みきったものでしょう。詰みがあってもおかしくない上に、詰まさなくても大丈夫です。上田女流四段が勝ちに近づいています。

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後手は自玉の堅さを維持しながら、徐々に嫌みな筋を増やして、先手玉に迫りつつあります。
先手は▲3三金としましたが、△8一角として、後手のラッシュがどこかできそう。再び後手がよくなったかの声が挙がりました。

078_800(上田女流四段が自玉の堅さを維持しながら、攻める機会をうかがう)

129図の▲8一飛成で里見清麗が持ち時間を使いきりました。上田女流四段もすでに持ち時間がなく、両者一分将棋になりました。形勢は先手がよさそうなものの、後手陣も堅くまだはっきりしていないようです。

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図の▲4三歩成は里見清麗の軽妙手。△同銀には▲5五歩△4四飛▲4五歩で飛車を捕獲できます。

後手の上田女流四段はそれを嫌って△5六飛と切りましたが、▲同金と取って飛車を手持ちにすれば、先手にも楽しみが多い局面といえます。▲5一飛~▲3一飛成の狙いが間に合ってくれば先手勝ちです。

後手からの△4四桂も味がいいので難しいものの、逆転して先手がよくなったかもしれないといわれています。074_800

(中盤から相手を迷わせる手を連発していた里見清麗の努力が実ったかもしれない)

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どちらも厳しい狙いがある局面。2四角と4九飛に当たっており、先手は▲4三歩成、後手は△4六桂の狙いが厳しいでしょう。総合すると複雑な局面といえます。こういうときは、ちょっとしたミスが致命傷になりかねません。

9917時頃の局面。▲9五歩までの消費時間は▲里見3時間31分、△上田3時間25分。どちらも残り時間は30分ほどです。

先手は4四歩の拠点を残したものの、9七桂は取られる形になりました。後手からは9七桂を取って、△4六桂と攻める筋があります。先手もポイントを挙げたものの、後手がリードし続けているようです。

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