2019年5月

2019年5月31日 (金)

Seirei20190531010148 図は11時30分ごろの局面。里見女流四冠が△8四歩と突いたところです。代えて△2四歩も考えられたところで、▲同歩△3九角▲5八飛△2四飛▲2五歩△2一飛の展開が予想されるところでした。本譜は玉頭を膨らませながら将来の△8五歩を見せ、ゆっくり指す方針です。

Photo_5 (振り駒のあと、歩を並べ直す里見女流四冠。この瞬間は上着を羽織っていた)

Seirei20190531010135 図は10時43分ごろの局面。この▲3三角成に伊藤女流三段は26分16秒使いました。本局は持ち時間2時間のチェスクロック使用の対局であり、かなりの長考と言えそうです。なお、本戦に入ると持ち時間が3時間のチェスクロック方式に、五番勝負では持ち時間4時間のチェスクロック方式に変わります。

Photo_4 (対局開始前、駒を並べる伊藤女流三段)

Seirei20190531010134 伊藤女流三段の先手で始まった本局。里見女流四冠は向かい飛車の作戦を用いました。これを見た伊藤女流三段は左美濃から銀冠に組み替えたあと、さらに穴熊へと組み替えました。

Photo_3 (記録係の北村桂香女流初段による振り駒は、と金が4枚だった)

おはようございます。第1期ヒューリック杯清麗戦予選7回戦より、里見香奈女流四冠(5勝1敗)ー伊藤沙恵三段(5勝1敗)の一戦をお送りします。勝者は本戦に進出します。
対局は関西将棋会館「芙蓉の間」で、5月31日(金)10時開始予定。持ち時間は各2時間(チェスクロック使用)。先後は振り駒で決定します。

【棋譜ページ】
http://live.shogi.or.jp/seirei/kifu/1/seirei201905310101.html 

本局の中継は潤が担当致します。どうぞよろしくお願い致します。

2019年5月29日 (水)

Img_7040_i01 (予選6勝1敗で本戦進出を果たした頼本女流初段)

――本局の振り返り
頼本 角を取られたあたり(84手目△6六成銀)で悪くしてしまいましたけど、終盤で攻めながら粘る順がありましたので、そこで逆転できました。苦しい展開が長く続きましたね。

――本戦進出が決まったいまの気持ち
頼本 いままでに苦しい将棋もたくさんありました。運の要素もあってここまで来られたなと感じています。

――本戦への抱負
頼本 緊張してきました。対局に入ってしまえば集中できますので、何とか実力を出せるよう頑張りたいと思います。

Img_7037_i03 (「インタビューは慣れなくて緊張します」と照れつつ応じてくれた)

Img_6989_i02 (感想戦中の真剣な表情)

以上で本局の中継を終了致します。
ご観戦いただきまして、誠にありがとうございました。

Img_6977_e_yori (本戦進出を果たした頼本女流初段。感想戦中には安堵の表情も見られた)

Img_6965_e_naka (中澤女流初段は難解な終盤戦で攻めをつなぎきれず)

Img_7002_e_heya (感想戦の様子)

Seirei201905290101_96終盤戦に突入しています。この端歩突きは、▲1六同歩ならば△1七歩▲同香△2五桂というシンプルな端攻めがあり、棋士室では「よさそうな手」との評判でした。

Seirei201905290101_99△1六歩以下、手抜いて▲3三歩△同桂▲4三歩と進行しています。後手の端攻めよりも、この先手の攻めのほうが厳しいのではないかといわれています。