2020年11月21日 (土)

ゴキゲン中飛車

△9四歩

対局開始から30分が経ちました。戦型は里見倉敷藤花のゴキゲン中飛車に対し、中井女流六段は早々に右銀を繰り出していく「超速」と呼ばれる急戦策を選んでいます。すでに5筋の歩交換が行われ、現局面は先手が中央を手厚くする展開になっています。

菅井八段
(控室のモニターで進行を見守る菅井竜也八段)

(夏芽)

対局開始

定刻の10時に対局が始まりました。第2局の先手が中井女流六段です。

対局開始
(対局開始の一礼)

中井広恵女流六段
(先手番の中井広恵女流六段)

里見香奈倉敷藤花
(後手番の里見香奈倉敷藤花)

対局開始

中飛車
(里見倉敷藤花は中飛車に振った)

(夏芽)

対局当日の朝

おはようございます。第28期倉敷藤花戦三番勝負は、第2局の朝を迎えました。対局は、このあと10時開始。昼食休憩は12時から13時までです。

朝
(朝の芸文館前。少しずつ青空が見え始めている)

【倉敷藤花戦、21日に第2局 里見、中井両女流棋士が決意】
https://www.sanyonews.jp/article/1073641?rct=kuratouka

(夏芽)

2020年11月20日 (金)

動画配信のお知らせ

対局当日はYouTube、並びにニコニコ生放送で動画配信があります。それぞれ下記のリンク先からお楽しみください。

【山陽新聞 - 倉敷藤花戦特設サイト】
https://www.sanyonews.jp/kura_touka/

【倉敷市公式中継 - YouTube】
https://www.youtube.com/channel/UCRYmJchchPM0gk1f0YGnVyg

【ニコニコ生放送 - 映像提供:倉敷市 運営:倉敷芸術科学大学】
https://live2.nicovideo.jp/watch/lv328778002


■現地大盤解説のお知らせ

第2局の現地大盤解説は事前申込で、すでに受付は終了しております。また、今期の三番勝負では公開対局を行いません。

日時:2020年11月21日(土)12時45分開会(11時45分開場)

会場:倉敷市芸文館ホール

解説:菅井竜也八段、聞き手:村田智穂女流二段

菅井竜也八段村田智穂女流二段

▼新型コロナ感染予防のため、ご来場の際には以下の点にご協力ください。

  • 咳エチケット、マスク着用、手洗い・手指の消毒の徹底。
  • 人と人との距離(ソーシャルディスタンス)の確保。
  • 疑似症状がある場合は来場を控えてください(咳、発熱、呼吸困難、味覚障害など)。
  • 過去2週間以内に感染が引き続き拡大している国・地域への訪問歴がある場合は来場を控えてください。

※第3局が行われる場合、大盤解説は当日受付の予定です。

以上で本日のブログの更新は終了いたします。第2局は明日の10時開始ですのでお楽しみに。

(夏芽)

質疑応答

それぞれの決意表明のあと、両対局者と清水市代女流七段に対し、報道陣からの質疑応答の時間が設けられました。

質疑応答

--里見倉敷藤花は今回勝利しますと、倉敷藤花のタイトル獲得が単独で最多になります。
里見 いま伺って初めて知りました。注目していただけるのは大変光栄です。ただ平常心で対局に臨めたらと思います。

--中井女流六段は挑戦者としての倉敷です。久しぶりの対局ですが、どう感じていますか。
中井 変わったところもあり、変わらないところもありますね。以前と宿泊のホテルが変わったとか、昔、チボリ公園があったなとか……。今日も来るときにいろいろ考えながら思い出していました。あとは第1局の大阪対局で、タイトル戦の雰囲気を久しぶりに思い出しました。

--関西将棋会館での第1局を終えて、相手の印象がどう変わったかなど、それぞれお聞かせください。
里見 中井さんは本格派の居飛車党です。以前対局したのが何年か前ですし、あまり過去の情報が参考にならないところはありました。ただ変わらず、本格派の将棋を指されていると思いました。

中井 里見さんは攻めても受けてもとても強さを発揮する女流棋士です。特に受けが強いという印象が強いです。

--第1局が終わってから第2局まで、どういった準備をされてきましたか。
里見 他棋戦の対局もあったので、まずは目の前の対局の準備をしてきました。特に変わったことはしていません。第2局に集中した勉強は日程が迫ってきてからになりましたが、いいコンディションで来られたかなと思います。

中井 コロナ禍で在宅の時間が例年より多く、自宅で研究する時間は普段より取れたと思います。オンラインでの研究会や、家でコンピュータソフトを使った研究など、普段そんなに変わらなかったです。

里見倉敷藤花

--コロナ禍で制限があったかと思いますが、具体的には何か変化がありましたか。
里見 私自身は大きく生活の変化はなかったですが、ひとりで研究する時間がより増えました。東西交流の対局がストップしたとき、私の場合は2~3ヵ月、対局が全くない時期がありました。その頃は対局がいつ再開されるかわからない状況だったので、いつでもいいコンディションで指せるよう、体調には気をつけていました。

中井 仕事が見事に全てなくなって、家にいることが多かったです。私だけでなく、主人(植山悦行七段)も家にいることが増えまして、いろいろ……、家庭内のバトルとか、ありました。はい、ふふふ。

--倉敷市のイメージを教えてください。
里見 小学生倉敷王将戦に出場した頃から倉敷には来ていて、小さい頃からお世話になっている方がたくさんいらっしゃいます。今年は公開対局はないですが、遠くから応援していただいていることが力になり、皆さんに感謝しています。

中井 対局で来るときはなかなか外を歩くことができませんが、プライベートで来たときには美観地区や美術館を見学しました。あとは食べ物。食べることが好きなのですが、特に果物がおいしいですよね。あとお酒と。

--気分転換法はありますか。
里見 私も食べることが好きなので、タイトル戦に来たときは食事ですかね。あとはいまは難しいですけれども、日常的に外食に行くことが多いです。

中井 私は旅行が好きなので、国内外問わず、普段は1年に何度か旅行に行きます。いろんな風景を見て、いろいろな方とお会いして、ということが私の中ではすごく楽しみになっています。今年はそれができないので、とても残念です。

--倉敷藤花戦というタイトルはふたりにとってどのような棋戦ですか。
里見 初めて獲得したタイトルですし、女流棋戦で唯一の公開対局がある棋戦です。私にとっては自然と力の入る、思い入れのある棋戦です。

中井 私が大山十五世名人に初めてお目にかかったのが、9歳くらいのときでした。それから何度も先生にお目にかかったりお世話になったりしました。その大山先生が創設してくださったと言ってもいい棋戦ですから愛着がある、と言うと失礼になるかもしれませんが、思い入れのある棋戦です。これまで公開対局はなるべく着物で対局しようと思っていまして、その中で藤の柄の着物も作って対局に臨んだこともありました。本当は明日も着物を着たかったですが、ヘルニアの手術をしてから着物での対局がつらくなったので、今回は洋服で対局します。この棋戦に関してはいろいろな思いがあります。

中井女流六段

--中井女流六段は今回、最年長のタイトル戦挑戦者と伺っています。将棋は気力や体力が必要だと思いますが、中井女流六段の思考力はまだまだ伸びているとしたらその秘訣を教えていただけないでしょうか。

中井 挑戦者に決まってからいろんな方に年齢のことを言われています。それくらい50代になって挑戦者になるというのは大変なことなのかなと自分自身でも感じています。28年前、この棋戦が創設されたときに参加できて、28年が過ぎてまた挑戦者になることができたことは、自信になりました。だんだん年齢を重ねていくと、どうしても体力も記憶力も、いろんな面で劣っていくところが出てきますが、ある程度の年齢からは相手が誰とか全く関係なく、とにかく自分自身との戦いだと思うようにしています。

--いまがピークだと感じておられますか。
中井 いやいや、ピークはとっくに過ぎています。伸びる秘訣があったら私も教えてほしいですけれど、清水さんはどうですか。

清水 いきなり振られてもどう答えていいのやら……。中井さんはいつも攻める姿勢を持っておられます。中井さんが向上心を持って、盤に向かっているので私も勇気、元気をいただいています。守りに入っていないのが若々しさの秘訣ではないでしょうか。ピークというものは、引退するときに「あのときがピークだった」と思うもので、中井さんも里見さんもこれからピークがやってくるかと思います。

清水女流七段

(書き起こし:翔記者/写真:夏芽)

記者会見

その後、18時からは場所を倉敷国際ホテルに移し、対局前日の記者会見が行われました。

記者会見

記者会見

伊東市長

■伊東香織・倉敷市長のあいさつ

 本年はコロナウイルス感染防止の観点から、いつも行っております前夜祭や公開対局を開催することは控えさせていただき、記者会見の場を用意させていただきました。里見香奈倉敷藤花、中井広恵女流六段、倉敷にお越しいただきましてありがとうございます。みんな楽しみに、お待ち申し上げておりました。倉敷市は大山康晴十五世名人の出身地でございます。市を挙げて将棋の振興に取り組んでおります。倉敷市とともに主催していただいている日本将棋連盟より、今年も清水市代常務理事にお越しいただいております。ありがとうございます。また倉敷藤花戦は山陽新聞社、倉敷市文化振興財団で主催しております。多くの将棋ファンに支えられている倉敷藤花戦です。
 倉敷藤花戦は大山康晴十五世名人の偉業をたたえ、平成5(1993)年に開始し、いまや28期を数える歴史のある棋戦になりました。今年は倉敷藤花戦の対局をどうするか大変悩みましたが、倉敷市民の皆様から「今年は様々な行事が中止になっており、将棋を身近に感じることができない。なんとか藤花戦で女流棋士の皆様に来ていただけないだろうか」という熱い思いをいただきまして、万全の対策をして開催させていただくことになりました。
 第1局は関西将棋会館で行われ、里見倉敷藤花が115手で先勝され、大変見ごたえのある戦いでございました。明日は第2局。里見倉敷藤花は10期、倉敷藤花のタイトルを持っておられる方でいらっしゃいます。中井広恵女流六段も3期保持していらっしゃいました。そして清水市代常務理事も10期保持されており、女流棋界の第一人者の方が集まってくださいました。明日は里見倉敷藤花がその力を発揮して連勝するか、もしくは中井広恵女流六段が力を振り絞っていただくか、見ごたえのある戦いが期待されます。本来なら公開対局をご覧いただくことになっておりましたが、このたびは新型コロナウイルス感染対策で、対局と大盤解説会をYouTubeで配信いたします。芸文館での大盤解説会も人数制限をしながら万全の体制で行ってまいります。

里見倉敷藤花

■里見香奈倉敷藤花の決意表明

 本日はお集まりいただきありがとうございます。第2局を開催するにあたりまして、ご協力いただいております多くの関係者の方々に感謝申し上げます。今回は倉敷藤花戦の対局が行われるか、厳しい状況と感じておりました。コロナ禍で本当に大変なご準備をいただいたと思います。準備にあたってくださった全ての関係者の皆様、ありがとうございます。明日はいま持っている力をすべて出しきれるように、盤上に集中して頑張りたいです。よろしくお願いいたします。

中井女流六段

■中井広恵女流六段の決意表明

 今回はこのコロナ禍で例年と変わらずに倉敷市で対局できること、私自身もうれしく思います。関係者の皆様にはご尽力いただきまして感謝を申し上げます。ありがとうございます。今期は第28期ということですが、第1期が創設されたときの対局をいまでもはっきりと覚えております。女流棋士一同、この棋戦ができて本当にうれしく感じました。私自身のことで言えば、タイトル戦は13年ぶりだそうです。本当に久しぶりです。倉敷でお世話になっている皆さんには「今年こそは挑戦者として倉敷にうかがいます」と言い続けておりながら時間がたちました。正直に申し上げてもう無理かなと思っていたのですが、今年、思いがけなく挑戦者として倉敷に来ることができました。里見さんは、強い強い倉敷藤花です。せっかく挑戦者になれたので第2局で終わるのはさみしいですし、なんとか3局指したいと思っています。明日は見ていただける皆さんに「面白い将棋だった」と言っていただけるような将棋が指せるように頑張りたいと思います。よろしくお願いいたします。

清水女流七段

■日本将棋連盟常務理事・清水市代女流七段のあいさつ

 長きにわたり、将棋へのご理解、女流棋界への多大なるご尽力を賜ります倉敷市様、ありがとうございます。またいつも大会運営に東奔西走してくださっている倉敷市文化振興財団の皆様、対局の模様を1回戦から掲載していただき、またタイトル戦の模様を大きく取り上げてくださっている山陽新聞社様、ありがとうございます。
 今回の番勝負はいろいろな意味でイレギュラーなことがありました。初めて第1局が関西将棋会館で行われたこともそのひとつでございます。挑戦者の中井広恵女流六段が最年長の挑戦者記録を更新ということもあります。そして今年は、全国の皆様に楽しみにしていただいている公開対局が行われないことは残念です。これが忘れられない思い出になり、そういうこともあったねと言える日が来ることを祈っております。明日は、絶対王者の里見倉敷藤花に中井女流六段がどう挑むかが注目。中井女流六段の武器はたくさんありますが、誰にも負けない経験値からくる本筋の一着は業界内でも定評があり、私も一ファンとして注目しています。その先輩を前に里見倉敷藤花がどう戦うかも注目いただければと思います。

記念撮影
(トロフィーの前で、両対局者の記念撮影)

(書き起こし:翔記者/写真:夏芽)

情報ワイドあれスタ

検分を終えた両対局者は、伊東香織倉敷市長ともにRSK山陽放送の「情報ワイドあれスタ」に生出演。「月刊くらしき情報局」のコーナーで、明日の対局について取材を受けました。

ろくたんとアレすけ
(山陽放送のイメージキャラクター。左がろくたん、右がアレすけ)

打ち合わせ
(出演前の打ち合わせの様子)

伊東香織倉敷市長
(伊東香織倉敷市長)

本番前

放送中
(生放送中の一場面)

■情報ワイドあれスタ
https://www.rsk.co.jp/tv/aresuta/

(夏芽)

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