第31期倉敷藤花戦三番勝負第1局

2023年11月 7日 (火)

インタビュー

感想戦終了後、別室に移動してインタビューが行われました。
Img_3392□里見香奈倉敷藤花

――昼食休憩あたりの局面について。
 振り飛車側の指し手のほうが難しいとは思っていましたが、難解な形勢だと思っていました。

――勝ちを意識した局面は。
 △5七と(70手目)と寄ったところです。相手玉は一手一手の寄りになり、こちらの玉は詰みません。

――白玲戦終了後、女流王座戦もあって過密な対局日程が続く。コンディション作りについて注意している点は。
 その日の疲れはその日にうちに取るように、しっかりと休むようにしています。

――ファンに向けて。
 例年にも増して準備が大変な中で対局させていただき、感謝の気持ちでいっぱいです。第2局以降も倉敷で対局できますので、自分自身のコンディションを整え、全力で迎えられるように頑張りたいと思っています。

――今年は大山名人の生誕100周年。そういった節目での対局について。
 改めて大山先生の歴史がフォーカスされると思います。本当に偉大な先生だと思いますので、少しでも近づける将棋を指せればと思います。
Img_3399■西山朋佳女流四冠

――対抗形という戦型は予想していたか。
 あまり予想できていませんでした。一手一手考えていく将棋だったかと思います。

――昼食休憩あたりの局面について。
 すでに厳しくしてしまったと思っていました。端歩を突き越されていたり、▲5六銀(45手目)と出るような余地があったりと、普段の対抗形との違いがありました。そのあたりをすり寄せて考える必要があったかもしれません。割りとずっと苦戦を意識していて、△8七飛(56手目)と打たれていい受けがありませんし、粘りも利かなくなっていると思います。もっと前に危機感を持って指すべきでした。

――最近は里見倉敷藤花と指す機会が増えている点について。
 前例はたくさん出てくると思います。毎回、課題を持って指すことが大事だと思っています。

――倉敷市の印象について。
 倉敷市は景色の美しい場所だと思っていて、挑戦できたらひとつの楽しみになります。今回は初めての場所ではありましたが、山桃花さまには対局設備を整えていただき、ありがたく思っています。

――2局目の意気込みについて。
 次は先後が決まっていますので、それに向けた準備をして、状態を整えて挑めたらいいなと思います。

以上で、本局の中継を終了します。ご観戦、誠にありがとうございました。

(武蔵)

感想戦

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Img_3359(感想戦は仕掛けを中心に検討された)

(武蔵)

対局者が大盤解説会場に

感想戦の前に両対局者は大盤解説会場に出向き、簡単に感想戦を行いました。
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(武蔵)

終局直後

Img_3330(勝った里見香奈倉敷藤花は、鋭い寄せを決めて防衛まであと1勝とした)

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(敗れた西山朋佳女流四冠は、タイトル奪取には連勝が絶対となった)
Img_3333(インタビューは行われず、すぐに大盤解説会場に足を運んだ)

(武蔵)

里見倉敷藤花が第1局を制す

Kurashikitouka20231107010188 三番勝負第1局、▲西山朋佳女流四冠-△里見香奈倉敷藤花戦は14時15分、88手で里見倉敷藤花の勝ちとなりました。消費時間は▲西山1時間39分、△里見1時間35分(チェスクロック使用)。これで里見倉敷藤花は9連覇に向けて大きく前進しました。第2局は11月18日(土)に岡山県倉敷市「倉敷市芸文館」で指されます。また、第3局が行われる場合は、翌19日(日)に同所で指されます。

(潤)

寄せ合い

2023110765

局面は一気に終盤戦になだれ込みました。上図の▲7一飛は銀取りですが、後手玉に迫る早い寄せはありません。里見倉敷藤花は時間を使います。このタイミングで先手玉の寄せられるでしょうか。
Img_3329(清水女流七段は継ぎ盤を動かし、上図から△3七歩を予想する)

(武蔵)

現地大盤解説会

予定されていた大盤解説会の開始時刻を少し早めて、大盤解説会が始まりました。
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Img_3320(解説は山崎八段、聞き手は長谷川女流二段)
Img_3327(途中では中田八段も参加し、大山名人との思い出を語る)

(武蔵)

由加温泉ホテル山桃花

対局場となった「倉敷由加温泉ホテル山桃花」は、岡山県県南の倉敷市児島に建つホテルです。1993年(平成5年)に開業されました。山桃花は由加山の参道口にあり、周囲は緑豊かな丘陵地帯です。四季折々の風景を楽しめます。
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Hotel02(カブトムシとてんとう虫の乗り物がお出迎え)
Hotel03(大山名人生誕100周年記念として飾られている)
Hotel04

Hotel05(売店には地元の名産が並ぶ)

(武蔵)

快走

2023110750上図は▲5五角の飛び出しに、△8六飛とさばいた局面です。▲8八飛のぶつけは手筋ですが、△同飛成▲同角△8七飛で、角取りと△5七とが残って後手が指しやすい流れです。控室の検討でも「振り飛車側のさばき方が難しい」との声が聞かれ始めました。
Img_3235(対局前、里見倉敷藤花は集中力を高めていた)

(武蔵)

対局再開

13時、対局が再開しました。西山女流四冠はすぐには着手せず、10分ほど時間を空けて▲3四歩と取り込んでいます。
Img_3289(昼食休憩時の局面)
Img_3292(2時間制の対局で、残り時間も少ない)
Img_3298(朝と同じく西山女流四冠が先に部屋に戻った)
Img_3307(上座の掛け軸は、「藤花」の文字)
Img_3311(終局まで、もう休憩はない)

(武蔵)

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