――千日手局を振り返っていかがでしたか。
里見 一方的に攻める展開で途中まではよかったと思っていましたけど、56手目△5六角と打たれたところはこちらの方が囲いが薄くて自信がありませんでした。千日手になって、こちらとしては歓迎でした。
――指し直し局を振り返っていかがでしたか。
里見 呼び込みすぎてまた局面を悪くしてしまったのですけど、本田さんに小さいミスというか、49手目▲2二とのところで先に▲5三桂成とされると少し自信がありませんでした。ただそれは、悪いなりに力が出しやすい局面なのかなとは思いました。実戦はそれを逃されて指しやすくなって、玉形がしっかりしていたので安心して攻めることができたと思います。
――三番勝負へ向けての意気込みをお聴かせください。
里見 甲斐さん(智美倉敷藤花)は研究熱心な方で、対局できるのが楽しみです。休んでる期間が長くてなかなかうまくいかないことも多いですけど、目の前の対局を一生懸命に考えられるように、そういう状態になるように日々頑張っていけたらと思います。
(虹)
控室ではここで(1)△6二香と(2)△6三香が主に検討されました。
(1)△6二香は先手も戦えるという結論でした。以下▲8六桂△6五銀▲9四桂△同香▲9五歩(下記A図)で、6二に打った香が後手玉の逃げ道を封鎖しています。
戻って、(2)△6三香は後手が余せる展開になりそうとのこと。以下▲5三桂打△5一金寄▲3二と△4五歩▲4四角△6五銀▲4二と△6六桂(下記B図)が一例で、後手の攻めの方がわずかに早いとの見込みです。
しかし実戦は(3)△6九角でした。
「攻めるにしても予想外でした」(村田顕五段)
「▲5九香と打ったのでは先手がつらそうです。先手はここで何かやるしかないですが、何を指せばいいか」(菅井六段)
(虹)