第33期倉敷藤花戦三番勝負第1局

2025年11月 5日 (水)

感想戦

Dsc_1653_2(笑みを見せることも)

Dsc_1667(伊藤女流四段は第2局で巻き返しを狙う)

Dsc_1673(感想戦は16時23分ごろに終了した)

以上で、本局の更新は終わります。11月15日の第2局もご注目ください。(銀杏)

終局後インタビュー

終局後に主催の山陽新聞によるインタビューが行われました。(銀杏)
Dsc_1577(終局直後の対局室)

Dsc_1591(福間倉敷藤花は第29期三番勝負第3局から倉敷藤花戦の三番勝負で8連勝中)

――今日の将棋を振り返って、どのあたりがポイントだったと思いますか。

福間 こちらから動いていきましたが、薄くて怖い形なのであまり成算があったわけではありませんでした。駒を取り合ったところは少し駒得しているのでどうかと思っていました。

――駒得を生かして勝負できそうな感触はあったのですね。

福間 そうですね。そこに至るまで変化が多かったので、仕掛け自体はどうだったかはわかりませんが。

――中飛車から飛車を2筋に戻す戦型でした。準備していた展開でしたか。

福間 序盤の細かいところで用意してきたものと別の展開にしてしまったので、準備してきたわけではなかったです。自分の中でパッと指してしまった手があって、そこから別の将棋になりました。

――中盤の終わりごろに踏み込まれたと思うのですが、手応えはいかがでしょうか。

福間 こちらは攻められてしまうのですが、対応してカウンターを狙う将棋かなと思っていました。指している最中は怖い形でしたが、そういうものだと思って指していました。

――防衛に王手となりました。第2局に向けて、どのように準備していきたいですか。

福間 第2局は先後が決まっています。自分なりにベストを尽くせる状態で臨めたらと思います。

――昨日に棋士編入試験を受験されるという大きな決断をされました。前回を受けての再挑戦になります。決断に至った決め手、どのようなところで挑戦しようと思われましたか。

福間 今回は家庭のこともあって家族と相談しながらではありました。自分なりに全力を尽くせるようにという気持ちです。

――今回は前回の経験も力になるという思いもあるでしょうか。

福間 すごく厳しい戦いになると思っています。いまの自分にできることをやっていけたらと思います。

Dsc_1601(敗れた伊藤女流四段)

――今日の将棋はどのあたりがポイントだったと思われますか。

伊藤 序盤はいろんな候補手があって、一つ一つ読んでいくとどれもあるのかなという感じで難しかったです。

――中盤は駒がさばけて指しやすい感じなのかなと思いましたが、どのように感じられていましたか。

伊藤 駒がさばけて振り飛車っぽい感じで指せていると思ったのですが、具体的な形勢をよくする手が見つからなくて。具体的な一手が難しかったです。

――戦前に熱戦にしたいと話しておられました。一局通して熱戦になったと思います。手応えはいかがでしょうか。

伊藤 前期の第1局は一方的に早い段階で差がついてしまう対局でした。それと比べるといいほうかなと思いますが、何か手がありそうな気がしたので、何かなかったかなと。

――第2局に向けて、どのような将棋を見せたいですか。

伊藤 自分がやることは変わらないので、いつも通りの対局前のように過ごしたいです。

福間倉敷藤花が先勝

20251105_115


福間香奈倉敷藤花に伊藤沙恵女流四段が挑戦する大山名人杯第33期倉敷藤花戦第1局は、15時23分に115手で福間倉敷藤花の勝ちとなりました。消費時間は▲福間2時間0分、△伊藤2時間0分(チェスクロック形式)。
福間倉敷藤花が11連覇(通算16期)に向けて好スタートを切りました。
第2局は11月15日に岡山県倉敷市「倉敷市芸文館」で指されます。(銀杏)

高美濃囲いの弱点

20251105_87図は87手目▲9四桂の局面。伊藤女流四段の攻め足が止まった直後に福間倉敷藤花は▲9四桂と跳ねました。美濃囲い系統の囲いは端が弱点。本局の高美濃囲いも9筋が弱点でした。福間倉敷藤花は、持ち駒をたくわえて一気に爆発させようとしています。後手玉を中央に追った際に2一馬や4七飛が攻めに働いてきそうな点も見逃せません。福間倉敷藤花は▲9四桂△同香に▲9三銀と鋭く迫って、一気の寄せを狙います。(銀杏)

チャンス到来か

20251105_65図は65手目▲5七同銀の局面。△5七歩成を▲同銀と取ったところです。一見して△7七銀が浮かぶため、かなり大胆な対応です。以下、▲7七同桂だと△同桂左成▲7九玉△5七飛成▲同飛△8八銀までの詰みで技が決まるため、先手は▲6七玉とかわすしかなく、先手玉は一気に危ない形になります。
伊藤女流四段にチャンスが到来しているのか、福間倉敷藤花はあえて△7七銀と打たせてしのごうとしているのか。伊藤女流四段が残り時間をつぎ込んでいるのを見て、千田八段は「チャンスを逃さないぞと考えているのでしょう」と話しています。(銀杏)

Dsc_1571001

倉敷の工芸品

倉敷市はジーンズや帆布などのほか、マスキングテープ発祥の地として知られています。(銀杏)

Dsc_1424(本局の両対局者も使用している帆布とマスキングテープ)

Dsc_1428(将棋や大山康晴十五世名人をアピールしたマスキングテープも開発されている)

味のいい手

20251105_60図は60手目△5五飛の局面。伊藤女流四段は△5六歩から△5五飛と力をためています。駒損していますが、落ち着いた指し回しです。特に図の△5五飛は、▲7四桂△同金▲5四馬といった攻め筋を防いだ攻防手でもあり「味のいい手」という評判です。(銀杏)

Dsc_1543(伊藤女流四段は攻防手で力をためる)

将棋世界

控室に将棋世界の最新号である2025年12月号が届きました。倉敷藤花戦の記事も掲載されています。

Dsc_1250(12月号の表紙は藤井聡太竜王・名人)

Dsc_1238(伊藤女流四段が挑戦権を得た記事。後のページに対局の解説のページも)

(銀杏)

大長考の一手

20251105_56図は56手目△6五桂まで。伊藤女流四段は昼食休憩を挟む44分の長考で△6五桂と跳ねました。2時間のうちの44分は、持ち時間の約37%を1手につぎ込んだことになります。そして、▲2一馬に△5六歩と垂らす攻めに本局の命運をかけました。終盤戦が近づいています。(銀杏)

Dsc_1562001(午後に入って、本田小百合女流四段、加藤圭女流二段、和田はな女流1級が控室を訪れた)

Dsc_1569

対局再開

Dsc_1549(伊藤女流四段は昼食休憩に入ったあとも12時20分ごろまで考え続けていた。対局再開後も考え続ける)

Dsc_1526(両者は今回の倉敷藤花戦で11回目のタイトル戦となる。倉敷藤花戦では4回目となる)

Dsc_1510(対局再開前、両対局者に飲み物が出された。福間倉敷藤花は「アイスロイヤルミルクティー」のLサイズ)

Dsc_1509(伊藤女流四段には「カフェラテ」のMサイズが出された)

(銀杏)

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