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2022年11月

2022年11月26日 (土)

記者会見

就位式のあと、両対局者の記者会見が行われました。

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(里見香奈倉敷藤花の記者会見)

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ーー今日の勝負所、ご自身で決め手になったあたりを振り返っていただけますか。
「最後のあたりですが、▲7四角(107手目)~▲6四銀(113手目)で攻めることができたあたりです」

ーーその▲7四角より少し前のあたりは、我慢する展開でしたか。
「辛抱する手が多かったですし、持ち時間も私のほうが先になくなりましたし、総合的に見て苦しいと思っていました」

ーー振り飛車党の里見倉敷藤花ですが、振った飛車を戻って対抗形を選ばれたのは、事前の準備ですか。
「最近よく指していて、ほかの対策も考えていましたが、いま自分の一番やりたいことでもありましたし、大一番で試してみたい気持ちもありました」

ーー今年タイトル戦で多く戦われた西山女王・女流王将のことを、どうお感じになられていますか。
「毎回同じ形になりやすいのですが、そこにちょっとした工夫が加わって、また少し形を変えてという対局が続いているので、少しずつ進歩していることを感じるのが自分にとって充実感がありました。西山さんは私とは棋風が真逆で、あまり読んでいない手を指されることもあって、すごく新鮮な気持ちになります」

ーー世の中にはライバルということばがあります。里見倉敷藤花にとって西山女王・女流王将はどういう存在ですか。
「毎回新たな発見があって、勝負ではありますが、それとは別に純粋に将棋の楽しさを引き出してくださる方と思っています」

ーー里見倉敷藤花にとって倉敷藤花戦は特別なタイトルとうかがっております。初めて取ったタイトルですし、地元の島根県出雲市に比較的近い会場でご家族が観戦にお越しになることもあるそうですが、その倉敷藤花戦で西山女王・女流王将に勝たれた感想をお聞かせください。
「今回は3年ぶりに公開対局があって、たくさん準備してくださって、対局者としてモチベーションも上がりました。そういった舞台で西山さんと対局できたのは貴重な経験になりました。ただ自分の中では対局していてちぐはぐな手順が続いてしまったので、自分の弱い部分を修正できるようにこれからやっていけたらと思います」

ーー先ほど西山女王・女流王将とは棋風が真逆とおっしゃっていましたが、本局ではそのような手はありましたか。
「序盤の△3二金(22手目)から△2四飛と浮かれたあたりでしょうか。構想というか、そういうところでは意外な部分もありました」

ーーご自身ならこう指すというのはありますか。
「途中の変化が多かったので、そこを決断よく指されるのは西山さんらしいと思いました」

ーー辛抱した手が多かった、ちぐはぐな手が多かったと反省が多かったようですが、そうなった理由はどのようにお考えですか。
「自分の中で難しく考えすぎていて、力みすぎたのはあると思います」

ーーその中でも勝ち切った要因は何でしょうか。
「形勢はともかく、盤上に集中できていたので、余計なことを考えなかったことが結果につながったのかなと思います」

ーーこのたびの防衛で清水市代女流七段の7連覇(第2期~第8期)を破って8連覇となりました。そこへの思いはいかがでしょうか。
「倉敷に対局者として来られることが自分の中で励みになっています。来年も対局者として来られることに喜びを感じています。連覇の記録は光栄に思うことではありますが、弱いところも見えたので日々修正できるようにがんばりたいと思います」

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(西山朋佳女王・女流王将の記者会見)

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ーー今日の一局を振り返ってみて、終盤に攻めておられてチャンスもあったと思います。終盤戦はどのように思われていましたか。
「途中でかなり初歩的なうっかりをしてしまって、急転直下になってしまいました」

ーー感想戦でもおっしゃられていた▲5五角(101手目)のあたりでしょうか。
「そうですね。△同馬から馬と角を交換したのは、相当成算がないと指してはいけない手だと思いました」

ーー里見倉敷藤花と今年度は多く指してこられてきて、ぎりぎりの勝負が続いていましたが、里見倉敷藤花のことはどのように思われていますか。
「独特の戦法を採用されていて、里見さんとしか指さない形の将棋が多いのですが、その中で新しい手筋が出てきて、形勢判断が必要とされる局面が多いです」

ーーうっかりということでしたが、苦しい局面が続いていたのでしょうか。
「互角と思っていたので、もう少し腰を落として考えないといけなかったと思います」

ーー△7三桂(60手目)を跳ねたあたりは積極的な西山女王・女流王将の棋風が出たと大盤解説会で菅井竜也八段が解説されていたのですが、ご自身としては積極性はどのくらい意識していましたか。
「できるだけ自然な手を選んだつもりでした。リスクのある形ではあるし本譜もとがめられた展開ではあったので、一番いい構想だったかはわからないです」

ーー2022年度のタイトル戦で5つで里見-西山戦でした。これだけたくさん戦われて感想はいかがですか。
「対局がかなりついているときは1回でも体調を崩したら終わりだなという感覚ですごしていたので、棋力だけじゃなくて精神力や体力が求められると思っていました」

ーー初めての倉敷藤花戦を振り返られて、印象をお聞かせください。
「第1局は構想の段階で問題があったので、第2局もうっかりがあって、熱戦にできなかったです」

ーー他の棋戦とは違う空気は
「公開対局は独特な空間でした。見てくださっている方の気づかいを感じました」

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以上で、第30期大山名人杯倉敷藤花戦三番勝負の全日程が終了いたしました。今期もご観戦ありがとうございました。観戦記は山陽新聞でご覧いただけます。紙面VIEW

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(26日付の山陽新聞朝刊)

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(一面に歓迎会の模様が紹介されている)

028

(山陽新聞紙面には囲碁2棋戦、将棋2棋戦が掲載。棋王戦コナミグループ杯は藤井聡太竜王-中川大輔八段が掲載されている)

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(本棋戦は3回戦の中井広恵女流六段-渡部愛女流三段戦。中島一さん執筆)

(翔)

就位式(2)

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(大山名人杯贈呈)

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(里見香奈倉敷藤花に記念品の目録が贈呈される)

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(三番勝負に出場した西山朋佳女王・女流王将にも記念品の目録が手渡される)

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(里見香奈倉敷藤花のあいさつ)

「本日はお忙しい中、コロナ禍の中、お越しいただきまして誠にありがとうございました。今回は公開対局が3年ぶりということで、大変な中、開催していただきました関係者の皆様には心より感謝申し上げます。3年ぶりということで私自身、すごく楽しみにしてまいりました。倉敷藤花戦はタイトル戦では唯一の公開対局で自然と力が入る棋戦でもあります。ファンの皆様にこうして近くでご観戦いただき、大変うれしく思っております。これからも精進できるように精いっぱい頑張っていきたいと思っております。本日はありがとうございました」

293

(あいさつをもって、就位式は終了した)

(翔)

就位式(1)

会場では引き続き、里見香奈倉敷藤花の就位式が行われました。

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(主催者)

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(対局者ほか、棋士、女流棋士)

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(清水市代・日本将棋連盟常務理事から就位状が贈られる)

226

(就位状)

(翔)

終局直後

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(終局直後。観戦記を担当する大山名人記念館館長・北村實さんが加わって感想戦をしている)

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(大盤解説会場から大橋貴洸六段と石本さくら女流二段が移動。対局者も大盤の前に動く)

188

(里見香奈倉敷藤花)

193

(西山朋佳女王・女流王将)

197

(感想を述べる)

210

(大盤で感想戦を行う)

(翔)

里見香奈倉敷藤花に大山名人杯を授与

対局終了後に里見香奈倉敷藤花の就位式が行われ、伊東香織・倉敷市長から里見香奈倉敷藤花に大山名人杯が授与されました。

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(伊東香織・倉敷市長から大山名人杯を受け取る里見香奈倉敷藤花)

(翔)

里見倉敷藤花が8連覇を達成

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三番勝負第2局は119手で里見倉敷藤花の勝ちとなりました。終局時刻は15時21分。消費時間は▲里見2時間0分、△西山2時間0分(チェスクロック使用)。三番勝負は里見倉敷藤花が2勝0敗のストレートでタイトルを防衛、8連覇とともに倉敷藤花のタイトル獲得数の新記録を13に伸ばしました。

(飛龍)

西山女王・女流王将も一分将棋に入る

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15時10分頃、西山女王・女流王将も上図で一分将棋に入りました。局面は先手が勝勢になっていると見られています。後手は右辺の金銀が働かない展開になってしまいました。

(翔)

里見倉敷藤花、攻勢

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上図は△4五桂の飛車取りに▲5六飛と逃がした局面。逃げただけではなく、▲7六飛と歩を払う手を見ています。一例として△4七角▲7六飛△5五飛は、▲7四歩で先手がよくなります。

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本譜は△6六歩に▲7四角と進みました。攻守逆転で、先手がよくなったと見られています。

(翔)

里見倉敷藤花、一分将棋に入る

図で里見倉敷藤花の持ち時間が切れ、一分将棋に入りました。

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銀取りを受けるには▲5七飛や▲5七歩が考えられますが、いずれも△4六馬が生じます。△8五歩に▲9七銀と引かされる形もあり、先手の駒が押し込まれる展開になっています。控室では、後手が指しやすくなったと見ています。

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(公開対局再開時の里見香奈倉敷藤花)

(翔)

西山女王・女流王将、馬を作る

図は14時半頃、西山女王・女流王将が△5四角成と馬を作ったところです。

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後手は△7五歩が楽しみになっています。

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(大盤解説会には、清水市代女流七段と菅井竜也八段が出演している。菅井八段は岡山市在住。例年大盤解説を務めていたが、今回は先に明日大阪で行われるイベント出演を受けていた)

(翔)

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