終局直後
終局直後にインタビューが行われました。 (銀杏)
――2連覇、3回目の優勝となりました。いまのお気持ちをお願いします。
服部 終わったばかりであまり実感がわいていないところです。3回目の決勝で、1回目や2回目と比べて緊張が少ないのかなと思ったのですが、将棋盤の前に座ると3局とも緊張感がありました。やはり、何回出ても慣れないものだなと思いました。
――手に汗握る状況が続いた将棋だったと思います。服部七段から見て、今日の一局を振り返っていかがでしょうか。
服部 力戦で一手一手が難しい将棋でした。▲4五銀(35手目)と打って動いたときは△3三銀で収まるような感じで考えていたのですが、長考されていたので△6五歩とされるのかなと。激しい変化になるので、そこからは引き返せない戦いになって▲4五銀が軽率だったのかと後悔みたいなものはありました。終盤は馬を抜かれたあたり(88手目△5三竜で後手が先手の馬を取った)は負けにしたと思いました。△5二玉(100手目)のところはうまい手があれば先手が勝てるのではと思いました。ただ、△7七歩(104手目)に▲同桂では変調な気はしていました。
――終盤まで勝ちが見える感じではなかったのですね。
服部 そうですね。最後の最後までわかっていなくて。むしろ、△9四金(112手目)に最初は焦っていたくらいです。△7七歩を取る組み立ては違うなと思ったのですが、どう指すべきかわからず、終始難しいと感じていました。
――最後の新人王戦で、有終の美を飾られました。そのあたり、どのように感じていますか。
服部 途中で昇段して最後の新人王戦になったので、できる限り対局したいと思っていました。決勝にこられて斎藤さんと3局指せたのは充実した時間だったと思います。反省点のある将棋もありましたが、全体的には自分の力を出しきれたと思っています。
――今後の抱負をお願いします。
服部 3年前に初めて新人王を取ったときに、次はタイトル挑戦といったのですが、いまだに叶えていないのでタイトルを挑戦したいです。
(終局から時間がたっていないため、服部七段の表情が硬い)
――いまのお気持ちをお聞かせください。
斎藤 馬を取って抜け出したと思った直後に読みがすっぽ抜けたところがあって。△6五桂(90手目)がよくなかったと思うのですが、もう少し腰を落ち着けるくらいの気持ちの余裕が欲しかった気がします。残り時間が10分くらいあったので、もう1回読みを入れ直す必要があったと思います。精神的な甘さが出てしまったところは残念でした。
――斎藤六段は年齢の点で今回の新人王戦が最後でした。
斎藤 最後ですので、盛り上げていきたいと思っていたので、服部さんと3局指せたことは充実感があってよかったと思っています。決勝まで戦えたのは今期の成績からすると、新人王戦に星が集まってくれて集中できて指せていたのかなと思います。ただ、最後の最後に悔いが残るところがあるので、実力が足りなかったかなと感じています。
――斎藤六段にも今後の抱負をお願いします。
斎藤 課題が多く残る将棋になってしまったので、決勝で戦った3局を含めて、内容をしっかりと反省して、棋力向上に努めていけたらと思っています。



