局後インタビュー
(勝利を収めた上野四段)
――本局が棋士として初の公式戦だった。
上野 デビュー戦がこうした新人王戦決勝という大きな舞台で、皆さんから注目されることは分かっていたので、気合が入っていました。一局を通じて集中して指せていたかなと思います。
――序盤、時間に余裕を持って指していた。研究の形だったか。
上野 練習将棋でも経験のある形だったので、そこは決断よく指せていました。優勢かは分からないですが、想定していた形のひとつでした。
――対戦相手について。
上野 藤本さんの強さはよく分かっていますし、練習将棋でもよく指す相手なんですけど、こうした大きい舞台で指せることはうれしいことだと思っています。
――若手の頂上決戦。藤井聡太竜王・名人を追い掛ける存在としてどう考えているか。
上野 藤井先生にはまだまだ及ばないところがたくさんありますので、追い掛ける存在としてより一層頑張らなければならないという気持ちです。
(敗れた藤本四段)
――本局を振り返って。
藤本 対戦相手の上野さんは兄弟子で、強いということもよく分かっていたので、見られて恥ずかしくない将棋にしようと思っていました。ただ、序盤で少しよいと思っていた局面が、実際に進んでみるとあまりよくないような気がしてきて。形勢も時間も離されてしまったのはよくなかったです。
――次局に向けて。
藤本 次は先手番になります。厳しい勝負になると思いますので、しっかり準備して臨めればと思っています。
――対戦相手について。
藤本 上野さんは自分が小さいときから指していただいた方で、本当にまったく勝てなかったので、ずっと強いという印象です。
――若手の頂上決戦。藤井聡太竜王・名人を追い掛ける存在としてどう考えているか。
藤本 追い掛ける……といってもいまのままでは離され続けるだけな気がするので、ちょっとでも差を縮めていきたいと考えています。
(虹)