矢倉模様から居玉の桂跳ね
池永四段が矢倉を目指したのに対し、齊藤三段は居玉のまま△6五桂と仕掛けています。超スピーディな攻めで、手元のデータベースを調べると前例は5局あり、先手2勝後手3勝です。2018年7月の叡王戦段位別予選七段戦▲藤原直哉七段-△阿部健治郎七段(後手勝ち)が1号局で、直近で指されたのは今月9日の竜王戦七番勝負第1局▲羽生善治九段-△豊島将之竜王(後手勝ち)になります。
△5四歩は11時過ぎの局面。すでに前例はありませんが、△5四歩は類型(5九玉が6九玉、3六歩が3七歩)で指されています。▲5四同歩には△5六歩が一例です。
(立会人の宮田利男八段。1983年度の第14期新人王戦で、中村修現九段と三番勝負を戦った。結果は準優勝。現役時代は矢倉や位取りなど、手厚い将棋を得意にした。本局の展開に「いやー」「分からん」と一手一手に驚いている。弟子は本田奎五段、斎藤明日斗四段、伊藤匠四段)
(紋蛇)