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2012年10月

2012年10月23日 (火)

戦いが始まる

68先手は4筋、後手は2筋を攻めています。
図の▲4三歩は△同金なら▲3二角の狙い。対して永瀬五段は△2六角と飛車取りに打ちました。▲3七角と合わせてくれば、そこで4二金を逃げるのでしょう。田村六段は62手目に△2六角を指摘していましたが、永瀬五段は先手に▲3七角を打たせたかったようです。また、この角打ちの裏には、普通の攻め合いでは2筋が間に合わないという判断もありそうです。


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(藤森四段は後手のカウンターにどう対処するか)

(牛蒡)

田村六段の解説

61「ひとめは△2六角と出てみたい。そこで▲4九飛が普通ですが、▲2八飛△2五歩▲4六角もあるかもしれません。後手に馬を作らせますが、▲3五歩と▲6五歩を絡めて攻めを狙います。しかしここ数手は先手が少し損をしたように思います。たとえば▲8五歩(57手目)を突くなら後手が手待ちしている間に指しておきたかった」(田村六段)


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(田村六段を中心に検討が進められている)

(牛蒡)

14時ごろの控室

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(田村康介六段=中央は第34期の優勝者。先手持ちの見解のようだ)
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(渡辺弥生女流1級。藤森四段が勝てば第3局の観戦記を担当する)
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(しばらくして藤井猛九段も控室へ。本棋戦は過去に3回優勝している)

(牛蒡)

先手が動く

50図の局面の前、後手の指し手だけ抜き出すと、7二金型から△7一金~△7二金~△7三銀~△8二銀。後手は形を乱さずに先手の動きを待つ方針です。
対して藤森四段は少考で▲6五歩と仕掛けました。一歩を手持ちにする狙いです。


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(後手番の永瀬五段はカウンターを狙いたい)

(牛蒡)

中村修九段の解説

対局再開後の一手は△1四歩(36手目)。そこから20分ほどで▲6七銀直△6四歩▲8七銀△6二銀▲7八金△6三銀▲4六歩△7一金▲3六歩△7二金まで進みました。
 

38「△6四歩では△6二銀~△7三銀左のような指し方もありました。△6四歩は6三銀型をめざしたものですが、6筋が争点になる面もあります」(中村修九段)


42本譜は左図から▲4六歩△7一金▲3六歩△7二金。
「▲4六歩と▲3六歩は『千日手にはしない』という強い意志を感じます。先手が少し作戦勝ちに見えるのですがどうでしょうか」(中村修九段)


46左図で▲5六銀~▲6五歩が検討されています。
「ここで先手は時間を使っていますね。▲5六銀としたいのですが、3九から5手かけて5六に出ることになりますから、少し指しにくいと思っているのかもしれません。本来なら初期位置の3九から3手で済むところですから」(中村修九段)


(牛蒡)

対局再開

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(12時55分、永瀬五段は早めに対局室に戻って考えていた)
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(しばらしくして藤森四段も対局室へ)
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(13時、森村三段が再開を告げると、永瀬五段はすぐに△1四歩を着手)
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(藤森四段はすぐに▲6七銀直。永瀬五段の視線が鋭い)

(牛蒡)

盤と駒

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(牛蒡)

昼食休憩

3512時10分、図の局面で永瀬五段が13分使って昼食休憩に入りました。

消費時間は▲藤森49分、△永瀬1時間3分(持ち時間、各3時間)。
対局は13時に再開します。


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(休憩中の対局室)
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(休憩までの棋譜)

(牛蒡)

昼食の注文

昼食の注文は以下の通りです。

藤森四段 カレー南せいろうどん、シャケおにぎり(みろく庵)
永瀬五段 うな重・竹、肝吸(ふじもと)

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※いずれも撮影用に注文したもの

(牛蒡)

一門の系譜

藤森四段が優勝すれば師弟そろっての優勝となります。
師匠である塚田泰明九段は第17期(1986年)に優勝しました。
このような例は過去に2件あります。

森信雄七段………山崎隆之七段、糸谷哲郎六段
若松政和七段……井上慶太九段

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(藤森四段と塚田九段)

永瀬五段は安恵照剛八段門下。同門の兄弟子である日浦市郎八段は第20期の優勝者です。
同門で優勝した例はいくつかありますが、最多記録は3人です。

藤内金吾八段……小阪昇七段、森安秀光九段、若松政和七段
西村一義九段……藤井猛九段、三浦弘行八段、阿部健治郎五段

Nagase_hiura
(永瀬五段と日浦八段)

詳しくは下記の一覧をご覧ください。

【日本将棋連盟HP(新人王戦)】
http://www.shogi.or.jp/kisen/shinjin/index.html

※ここで挙げた例は左が師匠、右が弟子。段位はいずれも現在のもの。