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2011年10月

2011年10月24日 (月)

感想戦

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(文)

終局直後、インタビュー

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(終局直後の表情)

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■佐藤天彦六段
―― 2度目の新人王についての感想を聞かせてください。
佐藤 そうですね。厳しい戦いでしたので、素直にうれしいですね。
―― 出だしは横歩取りかと思って見ていたのですが。
佐藤 本譜の指し方ももちろんあるんですけど、ええ、横歩取りもあるかと思いました。
―― どの辺りで優勢を意識しましたか。
佐藤 △5四角(74手目)から△7六歩(78手目)と突き出して、桂が取れそうな感じになって。それまではよくわからなかったんですけど、そこでよくなったかなと。
―― 今回で新人王戦も最後になりますが、そこで優勝できたということで、これからの抱負をお願いできれば。
佐藤 最後の出場ということで、いい形で終えることができたと。また前回新人王をとってから大きな活躍がすぐにはできなかったので、今回はがんばっていきたいです。

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■豊島将之六段
―― きょうの将棋はいかがでしたか。
豊島 そうですね。序盤は主導権を握られたので、あまり自信がなかったですね。ただけっこう玉を固めれたので、難しくなったかなと思ったんですけど。
―― 今回で最後の新人王戦ですが。
豊島 残念な結果でしたけど、これからずっと重要な対局が続くので、気持ちを切らさないようにがんばっていきたいと思います。

(文)

佐藤六段、2度目の新人王に輝く

Shinjin20111024100

100手まで佐藤六段が2度目の新人王に輝いた。投了以下は▲7四玉△8四飛▲7三玉に△6二金までの即詰み。終局は17時33分、消費時間は▲豊島2時間59分、△佐藤2時間43分。

(吟)

佐藤天六段、着実に迫る

20111024_86図は17時過ぎの局面。佐藤天六段が着実にゴールへと近づいている。次に△8八馬▲6七玉△6五銀で先手玉は寄り筋に入る。攻め合いでは届かないと思われるため、先手は攻防手かうまい受けが必要な局面だ。しかし豊島六段は持ち時間も残り少ない。形勢とともに厳しい情勢になってきた。


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(苦しい局面を指しつなぐ豊島六段。逆転のチャンスは訪れるか)

(文)

前期新人王、登場

17時、阿部健治郎四段が控室を訪れた。阿部健四段は前期の新人王。藤井九段の弟弟子だ。

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(文)

後手優勢に

20111024_78図は16時45分頃の局面。この桂取りが厳しく。控室の見解は後手よしで一致している。現在は△7七歩成▲同金直△6五桂▲7六金の粘りが検討されている。


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(上野裕和五段、長岡五段、片上大輔六段)

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(千葉幸生六段と藤井九段)

(文)

狙い澄ました切り返し

20111024_68図は16時過ぎの局面。予定通り7筋に飛車を回った手に対し、佐藤天六段は△7五歩と切り返した。検討を進めるうち、これで先手の指し手が難しいと言われている。(1)▲同飛は△8四角▲7六飛△7五銀▲3六飛△7六歩▲8五桂△6五桂▲5五角△3三金。桂の跳ね違いの味がいい。(2)▲2六飛は△9六歩▲同歩△9八歩▲同香△5四角。この角のラインは強烈で、香取りと△7六歩が受けにくい。(3)▲6六飛は△3八角が好手と言われている。豊島六段はどのように対応するのだろうか。


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(16時頃の控室。高見泰地新四段が検討を見守る)

(文)

後手の用意は?

20111024_64図は15時55分頃の局面。佐藤天六段が△7六銀と踏み込んだ局面だが、▲同銀△同歩▲同飛と進むと逆に後手の7筋が危険になっている。後手はどのように受けるのだろうか。控室では△7五歩とたたいて飛車の位置を変える手を検討している。豊島六段も後手の用意している手を警戒しているのだろう。ここ数手は時間を使って慎重に考えている。


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(16時頃の控室)

(文)

手裏剣

20111024_61図は15時25分頃の局面。豊島六段は▲7二歩と手裏剣を飛ばした。放置すればと金を作る狙い。確実なポイントになるが、そのポイントがどれほどなのかは測りにくい。控室では△7二同飛と取る手を検討している。以下▲2二角成△同銀▲8三角△7一飛▲7七桂△5四銀▲7四角成が一例の手順だ。


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(第12期新人王、田中寅彦九段が検討を見守る)

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(継ぎ盤では駒がせわしなく動かされている)

(文)

玉形の差が広がる

20111024_57図は15時頃の局面。豊島六段は離れていた銀を引きつけ、金銀4枚の堅陣を作った。対する佐藤天六段の囲いは簡素な状態のまま。先手からは堅さ頼みの▲6五歩という決戦手段が生じているので、少しでも玉形を良くして臨みたいところだが……。控室を訪れた杉本昌隆七段は、「後手玉はあれが最終形ですか」と三浦八段に尋ねる。杉本七段といえば、囲いの再構築で知られる「リフォームの匠」だ。

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(三浦八段と検討する杉本七段)

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(堅さを生かして強気の攻めを狙う豊島六段。戦い方はきわめて現代的だ)

(文)