2020年7月 4日 (土)

36図は10時50分過ぎの局面。6筋が歩がぶつかり、局面が動き出しています。上田女流四段は先手の▲6六歩に28分少々使って△7一玉と玉の囲いを進めました。
「△7一玉は狙われている端に近づいて危険な意味もあるので慎重に考えたのでしょう。後手としては6六歩をできるだけ取らないで進めたいのですが、指す手が難しいところだったと思います。中盤の難所にさしかかっていますね」(真田八段)

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上田女流四段は慎重に時間を使って△7一玉と引いた。

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控室では立会人の真田八段が検討中。相振り飛車は「急所がわからないから、気が付いたら取り返しがつかないことになってしまいそう」ということで、ほとんど指したことがないそうです。

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9時半頃の控室。真田八段と継ぎ盤を挟むヒューリック株式会社の西浦会長はアマチュア三段の免状保持者です。

27図は9時50分頃の局面。
先手は9筋を伸ばし、▲6六角と上がって、端に狙いをつけている雰囲気です。

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西浦三郎・ヒューリック株式会社代表取締役会長が振り駒を行い、「歩」が4枚で里見清麗の先手番に決まった。

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静寂の中で対局開始を待つ。

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里見清麗の初手は▲5六歩。

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上田女流四段は△3四歩と応じた。

4里見清麗の中飛車に、上田女流四段は三間飛車に振りました。第1局は相振り飛車の戦いです。

2020年7月 3日 (金)

里見香奈清麗に上田初美女流四段が挑む、第2期ヒューリック杯清麗戦は、いよいよ7月4日(土)に五番勝負が開幕します。
第1局は東京・将棋会館(特別対局室)にて9時開始。持ち時間は各4時間(チェスクロック使用)、使い切ると一分将棋です。途中、12時~13時まで昼食休憩が入ります。立会人は真田圭一八段、記録係は小高佐季子女流1級が務めます。

【主催】ヒューリック株式会社

中継は棋譜・コメントを玉響、本ブログを八雲が担当いたします。どうぞよろしくお願いいたします。

2020年6月12日 (金)

第2期ヒューリック杯清麗戦五番勝負日程

里見香奈清麗ー上田初美女流四段戦

対局場は、すべて東京都渋谷区「東京・将棋会館」になります。

第1局 7月4日(土)
第2局 7月10日(金)
第3局 7月31日(金)
第4局 8月6日(木)
第5局 8月18日(火)

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本局の中継は以上で終了いたします。ご観戦ありがとうございました。五番勝負をお楽しみに。

感想戦後、上田女流四段はインタビューに答えました。

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――本局を振り返ってください。普段は振り飛車が多いですが、本局は相居飛車を選択しました。
「今日は相居飛車でいこうと決めていました」

――中盤は飛車を切る決断の踏み込みだったと思いますが、どの程度の手応えがありましたか。
「300点ぐらいいいかなと思っていましたが、持ち駒があまりなかったので、有利を維持していくのが難しいと感じていました」

――終盤はリードを拡大していく展開でしたが、伊藤女流三段に入玉の粘りを与えて長期戦になりました。
「こちらは安心感のある玉形でしたし、△6三金(114手目)と上がることができました。竜も寄せに使えたので、先手玉が逃げ切れる感じではないと思っていました。でも秒読みでしたので、間違えると入玉をされてしまいます。そうなると、こちらも入玉を目指さなくてはいけなくなってしまいますから」

――あらためて一局を振り返っていかがでしたか。
「伊藤さんにはここ数年、痛い目にあわされ続けていたので、今日はどんな将棋を指すか悩みました。かなりタイプが違う女流棋士なので準備が大変でした。ここ数年は自分自身の調子が原因で負けていた部分が強くあって。産休や育休を挟んだ直後の対局では、局面がよかったとしても勝ちに結びつけることができないことが何局かあったので、本局は勝ちきることができてよかったです」

――タイトル戦は2017年度の第10期マイナビ女子オープン以来、約3年ぶりとなります。
「自分がタイトル戦に出る実感がないですね。産休・育休を2回繰り返すと自分が強くなっているのか、わからなくて。直後は弱くなりますからね。里見さんは年を追うごとに強くなっていると思いますが、対して自分がどういった曲線を描いているかわからないんですよ。ですので、またこういった舞台に立てることが不思議な気持ちです」

――里見香奈清麗とのタイトル戦は4回目になります。どんなことを心掛けて臨まれますか。
「五番勝負って3回勝つのが大変なんですよね。身にしみてわかっているので、まずは自分の調子を整えることです。子どもがいるうえで今の状況ですと、この先どうなるかわかりません。そういった意味でも神経を使わないといけないので、バランスを取りながら自分のペースを保って、いい調子で迎えられたらと思っています」

(書き起こし・琵琶)