2024年8月20日 (火)

Seirei202408200101_118五番勝負第4局は118手で福間清麗の勝ちとなりました。終局時刻は18時4分。消費時間は▲加藤4時間0分、△福間3時間58分(チェスクロック使用)。福間清麗が五番勝負を3勝1敗で防衛しました。清麗通算5期獲得により、クイーン清麗の資格も得ました。

2024082076

上図は8八にいた金を引いて角取りにした局面。先手は角を渡すと△1四角の王手飛車取りを狙われてしまいます。角の逃げ場も難しく、万事休すと思われましたが……。

2024082081

▲7五角△7四銀▲4三成桂△7五銀に▲3七飛成(下図)と、飛車に当てて王手飛車取りを受けました。

「これは残り時間が少なかったら焦りますよ」と立会人の長沼八段は立ち上がってモニターを見ています。

2024082072

図の△8八金で、左右挟撃形が築かれました。△7八銀を受ける▲5六角には△5七歩が追撃の一手です。

後手勝勢、福間清麗の防衛が近づいていると見られています。

100

(防衛が近づいている福間清麗。写真は昼食休憩明け)

2024082066

福間清麗が踏み込みました。3三にいた飛車は取らせて、持ち駒の飛車を2八に打ちます。
舟囲い崩しには一段飛車がいいと言われていますが、本局の場合は成銀との連係を狙う2八が好位置。このあと△5七成銀~△6七銀が狙いになります。

154

(研究会の帰りに立ち寄ったという、室田伊緒女流三段、石本さくら女流二段、木村朱里女流初段が控室の継ぎ盤を囲んでいる)

2024082063

54手目△5五歩のあと、おおむね予想されていた手順に進みました。

図は先手が▲4五桂の両取りをかけたところ。△3六飛と逃げるか、△4七成銀として飛車を取らせている間に寄せ切るか、調べられています。また△8五銀と角取りに打つ手もあるようです。

飛車を取らせたことが致命傷になってはいけません。福間清麗が時間を使っています。まもなく、残り時間が30分になります。

144

(公益社団法人日本将棋連盟の専務理事を務める脇謙二九段が検討に加わっていた)

2024082054

図は▲5六金と歩を払った手に対し、その金頭に△5五歩とたたいた局面です。このたたきが厳しく、後手がペースを握ったと言われています。

▲5五同金と取るくらいですが、△3七成銀▲同桂△同飛成▲7四桂△同歩▲6四角が王手竜取りにならなくなっています。

△3七成銀のときに▲2四飛△同歩▲3三歩が予想されています。後手の7一銀型が見た目より堅く、先手の手駒が増えてもすぐに寄らない形をしています。

084

(再開明けの加藤桃子女流四段。現在は苦しい考慮になっているようだ)

15時に対局者へのおやつが出されました。

151

(フランスの伝統菓子、フロランタンが用意された。飲み物は午前と同じく、福間清麗にアイスカフェラテ、加藤女流四段に無糖の紅茶が出された)

2024082051

昼食休憩明けから10数手進みました。上図は△3六銀のぶつけに▲2一歩成と桂馬を取ったところ。△3六銀に▲同銀△同飛▲3七銀と銀を手放して受けたあとでも▲2一歩成と指せるので、強気に見える手です。

ただここで△3七銀成は▲同桂△同飛成に▲7四桂(△同歩は▲6四角が王手竜取り)があります。

本譜の福間清麗は△4七銀成と進め、△5七歩成を見せました。

控室では「駒得という実利がある居飛車が指せるように見える」と言われています。

143

(村山慈明八段が控室の検討に加わった)

142

(村山八段は第2局で立会人を務めた)

134

(1階のショップは、火曜日が定休日。他の曜日は12時~17時が営業時間)

135

(「ガチャガチャ」は1階ロビーにあるので、会館が開いているときはいつでも遊べる)

137

(ガチャガチャ、現在の商品は棋士千社札。なおカプセルが2個出てくるのは「当たり」ではなく「不具合」で、その場合は1つ返却してほしいとのことだ)