【里見清麗の談話】
――▲4六歩(43手目)あたりの見解は。
里見 本譜のように動かれると思っていました。
――昼食休憩明け以降、2筋から4筋で攻防が続いた。その辺りの形勢については。
里見 お互い自玉が(戦場から)近い形なので、神経を使いました。形勢は難しいと思って指していました。
――▲5七角(67手目)と打ったところは成算があったか。
里見 成算はあるわけではなかったんですけど、堅さを生かして攻めようかなと思いました。
――ハッキリ形勢がいいと思った局面は。
里見 ▲8五歩(91手目)と打てたところです。
――二人が女流棋戦で対局したのは昨年11月以来。昨年に24局も対戦したことを考えると間が空いたが、久しぶりに西山女流三冠と対戦した印象について。
里見 あるようでない形の将棋だったので、一手一手、考えながら指す力戦形になったかなと思います。
――第2局に向けて。
里見 引き続き、力を出しきれるように頑張りたいと思います。
【西山女流三冠の談話】
――現時点で、こうすればよかったという局面はあったか。
西山 (62手目△2六飛のあとに)△5六飛と回れる条件が少ないのをウッカリしていて、もう少し手待ちのような姿勢を選ぶべきだったのかなと思います。
――里見清麗とは久しぶりの対戦だった。
西山 久しぶりにこの戦型になって、一手一手、難しいなと思いながら指していました。
――女流棋戦での連勝が歴代3位の18連勝で止まったが、それについては。
西山 負けの将棋が多かったので、記録を作れたのであれば、よかったと思います。
――一局全体を振り返って。
西山 ジリジリした展開から、ちょっとずつ苦しくなりました。▲3三金(81手目)と桂を取られた辺りで手があったか分からないんですけど、もうちょっと粘りのある手を選べた将棋だったかなと思います。
――次局に向けて。
西山 すぐにくると思うので、今回の反省を生かせたらと思います。

第1局は107手で里見清麗の勝ちとなりました。終局時刻は17時58分。消費時間は☗里見3時間52分、☖西山4時間0分(チェスクロック使用)。第2局は福岡県福岡市「ホテルニューオータニ博多」で行われます。
第1図で▲3五角が決断の角切り。△同歩に▲4三銀と打ち込み、以下△同金▲同歩成△同玉▲4四金△5二玉▲3三金(第2図)と進んで4九飛のさばきにメドが立ちました。先手は角桂交換の駒損ですが、後手玉の守りが薄いので成立しています。











図は2一の飛車で2六の歩を取った局面。ここで▲2七歩が自然な応手に見えます。対する後手は(1)△5六飛と歩をかすめ取りたいところですが、それには▲4三角△同金▲同歩成△同玉に▲6六金(参考図1)で飛車を捕獲される筋があります。
また、▲2七歩に(2)△2一飛の手待ちは、▲6五角△2四飛▲4三歩成△同金▲8四飛△同歩▲4一銀△4二玉▲4四歩(参考図2)という強襲が成立します。
戻って、図では▲2七歩以外に▲4九飛もあります。激しい変化が何通りも潜んでいるだけに、ここ数手で形勢にハッキリ差がついても不思議ではない状況です。











