強気な決め手か 上田女流四段は▲4九金など自陣を補強しつつ▲6四桂と反撃に転じます。控室では△6三銀引▲5二桂成△同銀という順が並べられていましたが、里見清麗は△6六歩と打ち返しました。両取り放置でアクセルを踏み込み、上田女流四段を突き放しに掛かります。 以下(1)▲5二桂成には△6八銀成▲同金△6七歩成▲同金△6九銀という順で、先手玉に必至がかかるため後手勝ち。(2)▲6六同歩には△6八銀成▲同金△5七金と攻めれば後手が押し切れるとのこと。80手目△6六歩は痛烈な一着で、決め手になっているかもしれません。果たして上田女流四段側に粘る手段はあるのでしょうか。
終盤 図は15時30分の局面。里見清麗は△6五桂と打ちました。金取りと△7七銀からの寄せを見て厳しい攻めになっています。現状の後手陣は安全で、いざとなれば△5一歩の底歩も利くのが心強いところ。依然として後手がリードしていると見られています。
後手リード 里見清麗は▲1五銀に△3三桂と跳ねて反発。午後からは中盤に入りました。控室では図の△8五桂の打診が好手と見られています。以下▲8八角、▲8六角のいずれでも△6五歩が厳しく入ります。しかし先手は角を逃げずに暴れるのも難しい状況。形勢は後手よしと見られています。 (優位に立った里見清麗) (上田女流四段はどうにか巻き返したい)
昼食休憩 12時、図の局面で里見清麗が22分使って昼食休憩に入りました。消費時間は▲上田女流四段1時間46分、△里見清麗1時間12分。昼食の注文は両者ともにうな重・梅のご飯少なめ、肝吸い(ふじもと)。対局は13時より再開されます。 (「ふじもと」のうな重と肝吸い)
大胆な攻め 昼食休憩まであと20分というところで、上田女流四段は虎の子の銀を端に手放しました。狙いは単純明快で、▲2四銀からの2筋突破。しかし空振りに終わると形勢を損ねることになるため、相当に踏み込んだ一着です。ここで里見清麗は考え込んでおり、このまま昼食休憩に入りそうです。
手渡し合戦 1図の▲4五桂は▲5三銀を狙った手。対して里見清麗は△6二銀と持ち駒を自陣に投資して守りを固め、▲7七角△1二香▲2九飛(2図)と、一転して渋い展開となりました。控室では「振り飛車の常套手段」として、以下△3三桂が示されています。 (検討は引き続き3人体制)(飯野八段は△3三桂以下、▲同桂成△同角▲1五桂△2二金▲2三銀△同金▲同桂成という順を並べる) (「どこ攻めてるんだと笑われちゃうかな」と飯野八段。2筋は突破できるものの、後手玉から遠いため本筋ではないとのこと)