意気込みを述べた対局者は対局に備えて退場。本局の関係棋士が登壇し、見どころや展望を話しました。
――お二人の様子はいかがでしたか。
屋敷九段「やはり里見女流五冠が六冠になるかどうか。または甲斐女流五段が地元で一矢報いるか。甲斐さんがあいさつをされているときに歓声が上がっていたような気がしたのですが、それが大きな応援になるのか、プレッシャーになるのかわかりませんけど、どうなるか楽しみな一戦です」
――検分はどんな様子でしたか。
谷川九段「検分は2人とも特に注文はなかったです。私が気になるところはありますかと何度も聞きすぎたので、最後のほうは2人にイヤな顔をされましたね(苦笑)。お二人は30局ぐらい指しているでしょうか。タイトル戦では数多く顔を合わせていて、甲斐さんがタイトルを取ったこともあります。ここのところは里見さんがかなり分がいいですが、清麗戦では予選で甲斐さんが里見さんに勝っています。甲斐さんはその1勝がなければ今回タイトル戦に出ていませんので、大きな1勝を里見さんから清麗戦の舞台で挙げています」
(谷川九段)
――明日の展望をお願いします。
谷川九段「里見さんはゴキゲン中飛車のイメージが強いのですが、第1局は石田流模様から力強い指し回しを見せました。里見さんは得意戦法がある中で非常に引き出しが多いんですね。いろいろな戦法を試してみようというところがあり、明日の戦型は里見さん次第かなという気もしますが。でも本命はゴキゲン中飛車かなと思っています」
(屋敷九段)
屋敷九段「谷川九段がおっしゃったように、里見さんの振り飛車に甲斐さんの居飛車と見ています。まず注目されるのが里見さんがどこに飛車を振るのか。甲斐女流五段が明日は先手番です。第1局と同じように第3局も力戦形の振り飛車になるのではないでしょうか。甲斐女流五段が玉をどのぐらい固めて指せるか。甲斐女流五段が里見女流五冠に勝った予選では、甲斐さんが玉の堅さを生かしてうまく指せていました。どちらがペースを握るのか。固めて指せれば甲斐さんが、早めに戦いを起こすことができれば里見さんのペースに。里見さんの寄せの鋭さと、甲斐さんの懐の深さが見どころになると思います」
(記録係を務める相川春香女流初段)
相川女流初段「第1局のような将棋になるのかなと思っていますが、個人的には相振り飛車が見てみたいです」
(長谷川女流二段)
長谷川女流二段「私は里見女流五冠の中飛車のファンなので、中飛車が見たいなぁと思っているんですが。終盤まで目が離せないハラハラドキドキする対局が見られると思いますので、皆さんと一緒に解説会で楽しみたいと思います」
(書き起こし=琵琶 写真=銀杏)